そもそも、なぜ作家になりたいと思ったか。

 以前なぜ私が小説を書き始めたかお話したかと思います。

(「小説を書き始めた理由と挫折」にて)


 そして前回は、なぜ児童文学を書くようになったかの経緯についてお話しました。

(「そもそも、なぜ児童文学なのか。」にて)


 今回は、大人になってから私が作家になりたいと思った経緯について独り言を言いたいと思います。

(子どもの頃も、もちろん作家になりたいと思っていた時期はありました。そのきっかけは、はやみねかおる氏の作品やミヒャエル・エンデ氏の作品を読んで漠然と

「こんな作品を私も書いてみたい!」

と思ったからだったのですが。)


 以前、「一歩を踏み出しかけて、立ち止まる」という記事にて正社員を辞して作家を目指そうとしているとお話しました。


 けれど、最初から正社員を辞そうと思った理由が「作家になりたいから。もっと本を読んで勉強したいから」だったかと言われると、厳密には違います。


 正社員を辞す決意ができる1年前くらいから、辞する意思を宣言するまでずっと、自分って何ができるんだろうって漠然と感じていたからです。

仕事でも失敗ばかり、お叱りを受けることばかりでした。そのうち、自分に自信がなくなっていきました。元々自己肯定力は高くはありませんでしたけれど。


 ここは、本当に自分のいるべき場所なんだろうか。自分にあった仕事なんだろうか。もし違うとして。自分の居場所は見つかるんだろうか。そんなことを常に考えるようになっていました。


 退職したとしても。

おそらく、どんな仕事に再就職し直したとしても、だめだろう。どこへ行ったって自分は人様に迷惑をかける末来しか見えないし、自分が「ここには自分が必要なんだ。自分にとってこれは必要なんだ」と思えるような場所が見つかるとも思えませんでした。

 

 でもある日、どうしても耐えられないことがあり。

このままだと自分の心が壊れてしまうような気がして。もちろん、心を抑え込んで働けば、まさかクビにはならないだろうし、なんとかなる。でも、心は死ぬだろうし、もしかしたらいつか、心身ともにだめになるかもしれない。そんな漠然とした不安を感じました。


 そしてそのまま、直属の上司を飛び越え社長室に飛び込んでいました。

(私の勤め先は、そんな大きな組織ではありませんでしたので)


 辞表も何も用意してなかったんですけど、その場で直接退職の意を伝え、その想いは受理されました。


 その時は、辞職して最終就職先はあるのだろうかとか、見つかったとしてもそこでちゃんと働けるのだろうかとか、不安しかありませんでした。


 でもその中で、自分を見つめ直した時、ふと気づきました。

自分は残念ながら組織で働くことには、向いていないのだと。


 私は、とてもトロい性格です。しっかり仕事をこなせる人をイライラさせてしまいます。皆さんも、そんな人を一度は見たことがないでしょうか。そんなタイプが、私です。そんな私が唯一自分を表現できるもの、それが小説を書くことでした。


 正社員で働いている間は、小説を書いたり読んだりする気力もありませんでした。

でもいざ、やめると宣言した後、そして社長にこれからどうするのと尋ねられた時、


「作家を目指します」


と数か月後には伝えていました。まあ、そこに至るまでに数か月要したわけですが。

その決断ができたのは、自分の力だけではありません。周りの人、環境のおかげももちろんありました。


 今では、本当にこの選択をしてよかったと思っています。この選択のおかげで、児童書の良さを再確認でき、児童文学を書きたいと思えました。


 さらに、社会人になって自分が経験したこと、感じたことを活かして、

「私のように自分に自信がない人だって、生きていていいし、自分のよさを活かせる場所を探してみてもいいかもしれない。うまくいけば、見つかるかもしれない」


 ということを小説を通して伝えられたらいいなと思った次第です。


 自分の想いをもっともっと本、物語、言葉で表現できるようになりたいです。

そのためにも、もっともっと勉強します。


 うまくまとめられませんが、大人になった私が、作家になりたい理由でした。

ここに書き留めておけば、自信を失った時自分への励ましと戒めになると信じ、ここに書き記しておきます。長文乱文失礼しました。


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