第10話 大人会と現役生徒
大人会という名の飲んだくれ集団)が密かに8月に結成され、その10日後に札幌、愛知、滋賀、愛媛、横浜、東京の生徒達ではじめましてのオフ会が開催されました。
ここにたどり着くまでにも、様々なドラマがありました。
ネットの高校はじめました、という角川から出ているN高の本にも書いてありますが、このオフ会に参加できなかった子は1人で札幌の女の子に会いに行き感動の対面を果たしたり、札幌と徳島のカップルの初めての出会いがあったり(後に大事件に発展しますがそれは後ほど)
そもそも、このオフ会を主催しようとした子と大喧嘩になったり、オフ会の直前に愛知と札幌カップルが破局したり(書くなよとは言わせない)
そもそも、なぜこんな遠距離で人間模様が次々に事件をもたらすかというと、LINEという通信ツールの発展。
学校ではSlackを使うよう推奨されていましたが、生徒達のほとんどは手軽なLINEとTwitterを使うのが今も変わらずスタンダードです。自分の心の内を叫ぶのはTwitter(時に裏垢)友だちと密にやり取りするならLINE。
そして、仲良し同士でLINEのグループを組み、日々の雑談や冗談を書き込みあったりしていたのですが、なぜかこのオフ会グループ
オフ会まで通話を繋ぎ続ける!!
という、今考えたら謎の掟を作ってオフ会を楽しみに過ごしていたのです。
実に2ヶ月近く(笑)
24時間、グループに入れば誰かとしゃべれる状態をキープし続けてました。
15歳、16歳、17歳と多感な年齢の子どもたち、そして中学時代を不登校で過ごした子もいるし、前の高校に居場所を見つけられなかった子、住んでる場所も家庭環境も何もかもがみんな違うのにずーっと繋がってる不思議。
夜中になると男の子達は年頃のネタで盛り上がり、女の子達は何をしゃべってもゲラゲラ笑い、仲間を手に入れた場所をやっと見つけた楽しさでたぶんみんな少しテンションがおかしかったのは確かです。
なぜかその中に、私も入り、もう1人大人が入り、手が空いてれば悩みを聞いたり仲裁したり、私たち大人も予想してなかった学生生活を楽しんでいたと思います。
大人におさえつけられることを嫌い、反発する子ももちろんいました。思うようにならなければ発狂し、カッターを持ち出し電話口てカチカチする子、泣き叫ぶ子、実際に会っていたら掴み合いになるだろうと思われるくらいの喧嘩になる子も当然いたし、2ヶ月の間にオフ会に参加するしないの揉め事も当然ありました。
ネットの高校といいながら、バーチャルよりリアル。デジタルよりアナログ。
人付き合いの根本は結局アナログなのは未来永劫変わらないのかもしれません。
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