まさか、は突然やってくる

 6月になってから気温差が激しく、体調管理が難しい毎日でした。

 最高気温29度の翌日に、最高気温17度に急変したり。長袖も仕舞えず布団も片付けられない奇妙な天候には、熱中症や脱水症に対する油断が生じ易くなります。


 前日の冷たい空気が残るとはいえ、日中は快晴で27度を超えるとの予報でした。母の買い物に付き添う為に出掛ける私が、

「畑に出るのは3時過ぎて涼しくなってからにしてね」

 と注意を促したにも関わらず、ダーサンは早い時間から炎天下で作業をしていたようなのです。私が2時半に帰宅した時には、畑に居ました。


 この日、夜は馴染みのスナックへ行く予定でした。早めに軽い夕食を済ませ、ダーサンはいつものようにシャワーを浴びて、二人で出掛けたのは6時過ぎ。

 お店ではいつものようにゆっくりお酒を楽しみ、歌ってお喋りをして、ご機嫌な様子だったのですが。


 10時頃、ダーサンがトイレに立った時、まさかは突然にやってきました。

 ドサッと鈍い音がして続けて呻き声が響いたのです。

 ウーともムーともつかない低い呻きに、弾かれたようにトイレに走り、声を掛けながらドアを開けたら、ダーサンが倒れていました。


 慌てるママさんに救急車手配をお願いして、なるべく急激に動かさないよう気をつけながら、ダーサンに呼び掛けつつ体を支えて移動を始めました。

 脳や心臓が原因の可能性、倒れた時に重大な打撲傷、骨折をしている可能性があるので迂闊には動かせません。

 幸いダーサンが朦朧と意識を取り戻したので、当人に確認しながら体勢を変えることが出来ました。


 救急隊員が到着する頃には、少し意識がはっきりしてきたダーサン。隊員さんの質問にもきちんと答えられ、痺れや頭痛なども無く、脳や心臓は問題なさそうでしたが、失神した要因が不明なので検査した方が良いと病院へ搬送して貰いました。


 検査の結果は、迷走神経反射による脳貧血だろうとのことでした。引き金になったのは軽い脱水症です。

 脱水症気味になっているところにお酒を飲んでトイレに立った為、排尿時に迷走神経反射で一気に血圧が降下し、脳が貧血を起こして失神した、という訳です。

 日中、私の注意をきかずに炎天下で作業をして、いつもより水分補給をしていなかったらしいのです。

 加齢と共に体の水分は減るので、常に水分補給には気をつけないと、こんな事態が起きます。


 失神って、侮れないんですよ。

 たとえ今回のように大したことがない要因でも、発見が遅かったばかりに植物人間になったケースもあります。

 倒れたのが自宅のトイレだったら、発見は朝になりました。私、夜中トイレに起きないんです。もし変な姿勢で一晩中倒れていたら、と思うとぞっとします。

 

 当人、点滴でスッキリして帰宅後は朝まで爆睡していましたが、私は一睡も出来ず、未だに不眠気味です。

 倒れたの13日(木)でしたから。苦笑



*2019/06/17(月)


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