ちからのかたち

「ただいまー!」


 声の方向を見ると、小さな頃から変わらない笑顔が、私を正面に捉えていた。


「なんだか久し振りだなー! 毎日連絡とってたのにな! あ! お土産も買ってきたぞー! 向こうの名産品で、めちゃうまな甘味なんだってよー!」


 約二週間の合宿を終え、大きな荷物をぶら下げた元ちゃんが帰ってきくれた。久し振りに会えたなあ。嬉しいなあ。


「おかえり元ちゃん……」

「お、おう……ただいま……あれ、なんか予想と違うな……」

「何が?」

「いや……熱烈歓迎される的な感じかなと思ってたんだけど……」

「嬉しいよ。とっても嬉しい」

「そんな風に見えないんだが……」

「そうかな……」

「うーん何やら重症なご様子……」

「どこも悪くないよ?」

「いやいや悪さしかねーじゃん……よいしょっと!」


 ソファに腰掛ける私の隣にどかっと座り込んで、下から私の顔を覗き込んでくる元ちゃん。わ、とっても近い。


「なんかあった?」

「……あった」

「自分の事? 誰かの事?」

「誰かの事……」

「話せるか?」

「……うん……」


 いつも通りの私を見せる事はもちろん、空元気すらも出せていないのはよくない。こんな私、よくないよね。だから、元ちゃんに聞いてもらおう。一人で抱え込まなくていい。いつだってそう言ってくれる、元ちゃんに。


「よっしゃ、聞こう。聞かせてくれ」

「……実は……」


 という事で、元ちゃんと修ちゃんのいない二週間程度の間に起きた、電話やライン上で伝えていなかった出来事の思い付く限り全て、元ちゃんに話した。内容の中心にいたのは、ほとんど小春ちゃんだった。


 つい数日前。買い物を終えて部屋に戻って来たら、玄関で蹲り、目に涙を溜める小春ちゃんがいた。ほとんどパニック状態で何があったのかと小春ちゃんに尋ねると、玄関入った拍子に勢い良く躓いて、右膝を強くぶつけてしまったのだと答えてくれた。


 一緒に病院行こうと提案するも、やんわりと却下された。でもでもと慌てる私を他所に、ちょっと怪我しちゃったから迎えに来てくれないかと自分のお母さんに連絡を取る小春ちゃん。


 膝が痛むだろうに、私たちの部屋に持ち込んだ全ての物を一纏めにし、その日のうちに小春ちゃんは、ありがとうございましたとご迷惑をお掛けいたしましたの言葉を残し、自分のお家へと戻って行った。本当ならあと三日は私たちの部屋にいる予定だったのに。バレンタインの準備とかお料理の練習とかしようねって話してたんだけど……。


「頼りにしてます、白藤先輩! いえ! 白藤師匠っ!」


 なんて盛り上がってたのに……。


 次の日。美優ちゃんと千華ちゃんと三人で小春ちゃんに会いに一年五組の教室に行くと、膝に包帯を巻き、松葉杖を付いている小春ちゃんがいた。


 かなり強めの打撲だったらしく、一夜明けても痛みが抜けない上に、打撲した箇所の内出血か酷く、真っ青になってしまっているとの事。申し訳なさそうに何度も何度も頭を下げながら、少しの間ふじのやのバイトを休ませてくれと言われた。


 こっちの事は全然気にしないで大丈夫だから、自分を大切にしてあげてねと小春ちゃんに伝えたときの弱々しい笑顔が、頭から離れてくれない。


「そっか……ねこちゃん怪我したのか……」

「うん……」

「泊まってたのは知ってたけど、まさかそんな事になってるとは……」

「ごめんなさい……」

「何でお前が謝るんだ、バカチンっ」

「あたっ」


 パシッとデコピンをされた。痛い。


「学校来てるって言ってたけど、本当に大丈夫なのか?」

「全然平気です、過保護な家族らに使え使えと迫られ仕方なく松葉杖は使っているだけなので、数日のうちには完全回復してバイトに復帰します、って言ってた……」

「あの兄ちゃんだしなあ……赤嶺パパも結構なドタコンらしいし」

「うん……」

「まあ、ねこちゃんの痛みを肩代わりするなんて俺らには出来ないんだからよ、こればかりはねこちゃんを信じるしかないだろ。そんでもしも無理してバイトに顔出してるなーって感じたら、その時は二人でお説教してやろうぜ。ちゃんと治してから帰ってこーい! ってさ。な?」

「うん……」

「よっし」


 ニッと、歯を見せて笑う元ちゃんの言う通りだ。私たちに出来るのは、小春ちゃんが早く元気になるようお祈りする事と、無理をしないよう見守るくらいだ。気を遣い過ぎて逆に小春ちゃんに気を遣わせたりしていた私のおバカ。言われるまで気が付かないの本当におバカっ。


「なあ、ずばり聞くぞ?」

「何?」

「お前が気落ちしてるのって、ねこちゃんの怪我だけが原因じゃないだろ?」

「…………わかる?」

「もち。お節介なお前だけど、友達の怪我一つだけでここまでヘコむってのは違うし。夏菜のそのヘコみ方は、落ち込んでるだけーってのとも違うからなー」

「どうしてそこまでわかっちゃうの?」

「夏菜の事だぞ? わかるに決まってらあ」

「どんな小さな事も見逃さないね……小さい元ちゃんは……」

「毒! 無意識でもなんでも今のは毒! 痛い!」

「ごめん……」

「ま、まあいいや。お前をどよーんとさせちゃってるもんの正体を話してみ。ほれほれ」

「……小春ちゃん……なんか様子が変で……」

「変ってそりゃあ」

「そ、そうじゃないのっ。そういう事じゃなくて……多分だけど、怪我をする前に……何かあったんじゃないかなあって……」


 これはあくまで私の予想、勘だ。でもでもっ、間違いないと思うの。


 小春ちゃんが玄関で蹲ってる時、私が玄関開けた瞬間は膝を抑えてなかったの。壁に寄り掛かって、泣いてたの。私が入って来たのを見て、膝を抑え始めたーって感じだったの。


 小春ちゃんが膝を痛めたのは間違いないけど、それに負けないくらい……ううん。それ以上の痛みを受けていたのかも。心の方に。


 それとね、気になる事があるの。私たちが一年五組の教室に行くって話になった時ね。


「やめとく。俺が行ったら申し訳なさそうにペコペコしまくるだろうから。それに、怪我した姿なんて見せたくないだろ、多分。よくわかんねーけど」


 って言って、一緒に来なかったの。奏ちゃんが。


 奏ちゃんが小春ちゃんの事を傷付けるような事を言うわけがないのはわかってるけど、なんだか引っ掛かっちゃって……それに小春ちゃんね、私たちの部屋に戻る前、奏ちゃん千華ちゃんのお部屋に行ってたみたいなの。


 最近元気のないあたしが心配で会いに来たんだってさー。って千華ちゃんが言ってた。その時は小春ちゃんの様子に変な所はなかったらしい。その後に由紀ちゃんと話した時も元気そのものだったらしいよ。奏ちゃんのお部屋にお邪魔したりはしなかったみたいなんだけど……なんだか一切無関係とも思えなくて……でもでも奏ちゃんが小春ちゃんを傷付けたりなんて……もー! わっかなんないよーっ!


 って違う違う! 犯人探しみたいな事がしたいんじゃないのっ! 何をしているか、私のバカっ!


「その辺の話は聞けたのか?」

「転んだだけですの一点張りで……」

「それが嘘だと思うのか?」

「嘘と言うか、強がりなんじゃないかなあって……」

「強がりねえ……じゃあ、本当にねこちゃんが何かを強がってますーだったとして。もう一度何かあったのかーって聞いて、あの子が答えてくれると思うか?」

「思わない」

「だよなあ……」


 小春ちゃん、真面目だから。私たちを頼ってくれはするけど、私たちに甘え倒す自分を許せない。自分の事はちゃんと自分でって言える、逞しい子だから。


「ほとぼりが冷めるまで黙って」

「それは嫌なのっ」

「嫌か」

「そういうのは嫌なの。えと……小春ちゃんの事だけじゃなくて……なんだけど……」

「おお」


 最近ずっと思っていた事。ずっと言えなかった事。元ちゃんに聞いてもらおう。


「美優ちゃん千華ちゃん。奏ちゃんに修ちゃん。優ちゃんや謙ちゃんの事も。みんなみんな、何かを抱えてるのがわかるの。それはきっと悩みとか、そういう物なの」

「そんな感じするよな」


 私で気が付くんだから、元ちゃんが気付いていないわけがないよね。ここ最近、みんなの様子が特に変なんだって。それが気になって気になって仕方がない。


「でも私、何も知らない」

「俺も知らねえな」

「きっと、知らないのが普通なんだよね。全部全部知ってるのって、そんなのおかしいもん」

「だなあ」

「でも……私は知りたいの。みんなが思ってる事とか悩んでる事とか、たくさんたくさん教えて欲しいの」

「うん。俺もだ」

「このまま……私の知らない所で何かが起きていて……私が知らない間に終わっていくのはすごく嫌なの……でもでも、それは私のわがままだし、みんなにとって迷惑でしかないのかもしれないし、出しゃばり過ぎちゃうのは違うかなって思っちゃって……」

「だから何も言えない?」

「……うん……」


 私の中の真面目な私と、あんまり真面目じゃない私がケンカをしている。今以上困らせたくない。今以上知りたい。どっちの主張も私には正しく映るから、どっちにも寄り切れていない私がいる。


 特にこの一年はたくさんの事に悩んで考えて、こうしようそうしようって、自分で出した結論に基づいた行動が出来てきたつもり。だけどこの問題は、まだ答えを出せていない。


「……ちょっとそのまま」

「へ?」

「いいから、そのまま動くな」

「う、うん……」


 言うやいなやソファを立つ元ちゃん。お手洗いにでも行くのかなと思ったら、ソファの裏側。私の直ぐ後ろで、元ちゃんは足を止めた。


「ほっ」

「もひょぉ!?」

「いやそんな変な声出さんでも」

「げげげげえげげげんちゃちゃげんちゃちゃげんちゃん!?」


 元ちゃんの太くて逞しい二本の腕が、私の肩の上をするりと通って、私の胸の前で合流した。側から見たら、私が元ちゃんに、後ろから抱き締められているように見え……見え! 見えっ!? ここっ、こんなの初めて! 元ちゃんにこんな事されたの初めてだよーっ!? どうしよう!? どうすればいいの!? わかんないーっ!


「ほいほい?」

「あのあのあのあの何してあのして何?」

「落ち着けって。俺だって不慣れな事してる自覚はあるんだ。お前が頑張って堪えてくれなきゃ収拾付かねえじゃんか……」


 げ、元ちゃんも照れてる……あわわ……か、顔が見たい……元ちゃんがどんな顔してるのかとっても気になる……でも今後ろ向いたら直ぐ近くに元ちゃんの顔があるから……は、恥ずかしくって嬉しくって……大変な事になっちゃう……!


「ほ、ほへ……はひ……」

「……色々あるよな。みんな」

「あ、ありゅ……いっぱいありゅ……」


 この状況で真面目な話されても困っちゃうよっ! お話しするどころじゃないもん! でもでもっ、ちゃんとしなきゃダメ! 元ちゃんが大切な事言おうとしてるんだから! 頑張って堪えて! 私っ!


「俺らが関わったら困ったり、邪魔になっちまうような時も絶対あるよな」

「そっ、そう思う……」

「それでいいじゃんか」

「ほわ?」

「どんどん関わってどんどん困らせて、どんどん出しゃばろうぜ。出しゃばって出しゃばって出しゃばって、何かを変えちまおう」

「何かって?」

「さあ、知らん。それはお前だって知らない。だから、こっちから知りに行かなきゃいけねえんだよな」


 言ってる事はわかる。私たちみんな、悩みを打ち明けたりとかへたっぴだから。困ったところがそっくりだからね、私たちは。だから、こっちから行かなきゃいけない。


「それはわかるんだけど……」


 わかるけど、ブレーキを踏んじゃう。それぞれの理由で。そんな所もそっくりなの、私たち。


「なんだ、赤の他人か、あいつらは?」

「違うよ! 絶対違うよっ!」

「なら堂々とお節介やっちまおう。思い付くとこ全部に出しゃばっちまおう。あいつらの力になったり困らせたり、色々やっちまおうぜ」

「い、いいのかなあ……」

「いいんだよ。俺たち、無関係なんかじゃないんだから」


 私たちは家族じゃない。友達だけど、ただの友達でもない。腐れ縁って言葉は正しくなくて、幼馴染みって言葉で片付けられるのものなんか違う。まあ、呼び方なんてどうでもよかったりする。


 私たちは、私たち。この団地で育った、私たちだ。これでいいんだよね、元ちゃん?


「……優ちゃんみたいな事言ってるね、元ちゃん」

「あー確かゴリッゴリの脳筋なんだっけかあの子……って誰が脳筋じゃコラ!」

「そこまで言ってないよ! 言ったの元ちゃん!」

「わ、わかってらあ……こほんっ! ほら、今って結構、俺ら全員の頑張りどころじゃん? この数ヶ月、めちゃ大事じゃん?」

「うん」


 受験。就職。留学。引っ越し。たくさんの事がこの先に待っている。なんだか大変な事になっているらしい謙ちゃんと優ちゃんの二人にも、もちろん小春ちゃんにも大切な時期だ。こうしてみんなの事を勝手に心配している私だって、数日後には二次試験がある。きちんと大学に行けるかどうかの勝負がやってくるんだ。


 気持ち良く春を迎える為に、この冬、頑張らなきゃいけないんだ。


「だから少しでも俺ら全員が頑張れるようにしなきゃじゃんか」

「うんうん」

「そんでさ、めちゃ頑張って、めちゃいい結果残して……来年。五年後。十年後。今に負けないくらい、バカ笑いして過ごせるようにしなきゃじゃんか」

「うんうんうんっ」

「たとえ、俺らが全員が直ぐ近くにいなくても、そうなれるようにならなきゃじゃんか」

「……うん」


 変わったね。元ちゃん。去年の春の元ちゃんなら言わなかったよね、そんな言葉。


 そっか。もう出来てるんだね。みんなと離れて生きていく覚悟が。


 私は……もう少しだけ時間が欲しいかな。


「だから……えと…………が、頑張ろう! 俺たち!」

「オチないの!?」

「う、うるせーうるせー! 考えなしに喋ったらこんなもんなんだよ俺なんて!」


 元ちゃんの太い腕に力が入って、ぎゅーっとされて、ぐーっと距離が近くになった。


 私のような口下手に言えた事じゃないけど、元ちゃんの言葉は上手じゃなかったかもしれない。それでも、大切な事や、やりたい事はバッチリ伝わってきた。それに、すっかり私も元気になっちゃった。さっきまで落ち込んだり緊張したりしてたのに。


「とにかくっ! 俺が言いたいのは! 俺も夏菜も蚊帳の外扱いなんて絶対に認めねー! 脇役なんかにぜってーなってやらねえぞ! って事なの!」


 やっぱ凄いや、元ちゃんは。


「うん……じゃあ! 頑張ってみよう!」

「そーだそーだ! 頑張ってみっかー!」

「うんっ! あっ!」

「おぁ……!」


 元ちゃんの腕の中で勢い良く振り返ったら、すっごい近くに元ちゃんの顔があった。私に負けじと驚いているのか、目をまん丸にする元ちゃん。ほっぺが赤いのは照れ臭いからなんだろうけど、私はもっと赤くてあちちだろうから何も言わない言えないっ!


「ご、ごめん……なさい……」

「あ、謝んな……なんもおかしくねえんだから……」

「でも……えっと……」

「……と、とりあえず! 何かないのか!? 夏菜だけが出来る、あいつらにしてやれる事は!? どんな小さな事でもいいんだぞー!?」

「わ、私だけに出来る事? みんなに私が出来る事……えと……えっと…………あ!」

「あるのか?」

「うん! あるある!」

「聞かせてくれ」

「それは……」


 私に出来る事。それは……。


* * *


「はい……し、白藤先輩っ!?」

「こんばんは、小春ちゃん」

「びっくりした……急にどうされたんですか? わざわざうちに来るなんて……用事があるならラインしてくださればいいのに……」

「その……小春ちゃんをびっくりさせたくて…………怪我は大丈夫?」

「まだ少し青いままですけど痛みはほとんどありません。あの……その節は大変ご迷惑をお掛けしまして、本当に」

「あー違う違うよ! 小春ちゃんが謝るのは違うよっ!」

「でも」

「でもじゃないのっ。え、えっと……い、いつまでも気に病んでいないで、これからの事を考えなさいっ!」

「は、はい……なんか今日の白藤先輩、キャラが」

「こまっ、細かい事はいいのっ! いいから私の話を聞いてほしいのっ!」

「はあ……」

「おいおい何の騒ぎ……って、白藤? どうしたんだ急に」

「ちょっと謙ちゃんは黙ってて!」

「あ、はい。え、辛っ……あ、泣く。これ泣くわ。泣けるでぇ……」

「ご、ごめんっ! 言い過ぎた! あとでお話するからちょっと待っててっ!」

「あっ、はーいっ! 待ってまーす!」

「うざ…………あの、それで?」

「えっと……その……」


 ある。あるよ。小春ちゃんが抱えている悩みを解決する直接的な助けにはなれないけれど、これからの小春ちゃんの為になれる小さな事が、私にはあるの。


 そういう小さな事を積み重ねて、いつかもっと大きな事を引き受けられるように。もっと大きな力になれるように。


 だから私は踏み出すの。たとえ、明後日の方向に足が向いていようとも。


「……し!」

「し?」

「師匠!」

「師匠?」

「チョコ!」

「チョコ?」


 今の私に思い付く、今の私が出来る事、その一。


「チョコ作り! 小春ちゃんの師匠! しにきましたっ!」


 小春ちゃんが迎えるバレンタインが、少しでも良いものになるようにする!


 小さな事からコツコツと! やるぞーっ!


* * *


「よっ。ただいま」


 夏菜をその気にさせ、俺もその気になった。やる気スイッチオン。しかし俺も人間。いつオフになるかわからんからな、熱が高いうちに行動あるのみ。って事で。


「おかえりー。あらあら元気くん。もしかして背伸びた?」

「伸びてねえよ嫌味かこら」

「嫌味だこれ」


 いつも通りな様子の奏太の部屋に凸っている真っ最中。


「土産は?」

「リビングに置いといた。由紀ちゃんたちに食い尽くされる前に自分の分を確保しとく事をおすすめする」

「うーい。もういいな? って事ではよ出てった出てったー。就職決まってるお前と違ってこちとらバリバリの受験生なんでな、今夜もこうして受験勉強を」

「フったろ」

「は?」

「ねこちゃんの事。フったろ」


 奏太の動きが、止まった。


 これが、今の俺に出来る事、その一。


 こんな事しか思い浮かばなかった。


 正しい事なのかどうかもわからない、こんな事しか。

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