忙しさにかまけて忘れてはいけないことまで忘失してしまう。いつ忘れた? いつから忘れていた? これは柚子の香りが繋いでくれた姉妹の絆のお話。 今、自身が存在できているのは妹のお陰であって、今回もまた妹に生かされる。それは仲の良い姉妹であるからなのか、それとも柚子の香りが生んだしがらみのような呪いなのか。読み手、受け取り手によって『ほのぼの』話にも『ゾッとする』話にも捉えることができる、そんな少し不思議で素敵なお話です。