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ズラリと立ち並んだ棚に、この和風の部屋。
居心地は悪くはない。自分の部屋と少し似ているところがあるからだ。
たくさんの本があるものの、散らかっている感じはなく、それは綺麗に整理されている。
そこら辺はしっかりとされている。
この部活、先代の部員はどんな奴だったんだ……?
伝記ものから推理小説、雑誌に絵本、漫画、ライトノベルがある。
おまけに学校の教科書や赤本まで。
ほぼ、生きていけるな……。
白の新品同様、つやが出ている冷蔵庫。
ジッと見ていると、不思議に思うところが結構ある。
なんで冷蔵庫まで……。
見れば見るほど、呆れてしまう。
ここには布団まで置いてある。
それは押し入れの中にあった。勝手に開けて何だが、他にもなぜか日常生活に必要な道具がほとんど揃っている。
「…………」
コンロにガスバーナー、ハンガー、スプーンにフォーク、電球、ドライバー、フライパン、なべ、ティッシュなど他にもたくさん収納されている。
部室ではない、完璧な一つの家だ。
だけど、こんな場所に家を造ってもいいのだろうか。
その場で動きを止めて、ジッと眺めていると、
「ええと、あなたは一体何をしに……」
背後で声がして驚いて振り返ると、愛生が優しい笑みを浮かべていた。
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