4
こんな人、この学校にいたっけ……?
何年生なのだろうか、気になってしょうがない。
「愛生、この数式を教えてくれないだろうか?」
同級生らしい男子生徒は腰を下ろして、問題集のページを開いたまま、こたつの上に置いた。
「
「それは……あいつ、教え方が分からなさすぎるから」
呆れながらもそう言いながら問題集を見る。男子生徒に『
問題文は、未だに習った覚えのない数式や言葉が載っていた。
更に詳しく隣に付け加えてある赤い枠に囲まれたところに目が奪われる。
どうやら、ヒントが付いているようだ。
この問題は相当難問の物理問題なのだろう。
「なるほど、これなら一度解いて事がありますよ」
愛生は平然と言って、男子生徒を見た。
「確か、解いてから十五分ほどで解けましたよ……」
「はっ? もう、この問題を解いたとでも言っているのか? これ最近習ったばかりの気がするけど……」
そんな会話を耳にしながら、俺は一人立ったままその様子を見ていた。
なるほど、最近習ったばかりなのか……。
すると目の前に座っていた男女の二人が身を乗り出して、関心しながら二人の会話を聞いている。
「へぇ、愛生さんは俺達よりも先の勉強までしているんだな。なんでそこまでやる必要があるの?」
不思議に思った向かい側に座っている男子生徒に、愛生はニコリと微笑んだ。
「それは勉強の予習、復習を効率的にやると、学力が自然と伸びてくるからです」
どうやら、この少女の周りにいる生徒は皆、同級生らしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます