第6話 暮らしと所感。
「そういや先輩、マニキュアしないんですね」
「お前しない方が好みだろう?」
「いやそんなことは」
「ちなみに夏祭りの時は友だちがやってくれたんだ」
「そうだったんですね」
「今日何が食べたい?」
「カレーがいいです」
「ん」
好きな食べ物はカレーと唐揚げ。あまり化粧が濃いのは好きじゃない。足フェチ。 からみ酒。すぐ顔に出ちゃう。最近分かってきた彼のことだ。
「そういえば最近タバコ吸わないな」
「それはだって先輩に嫌われたくないし、俺子どもほしいんであいたっ」
「寝言は寝て言え!」
「へへへ。タバコを吸ったのだってその他も先輩のおかげで俺の人生変わったんですよ」
「あーはいはい悪かったな」
「聞いてくださいってー!」
「聞いてるよ!私のせいでグレたんだろ」
「ふふ、先輩と酒飲めるなんて。俺夢見てんのかなあ」
聞けよ。こいつは私といない時の方がかっこいい、ずるい、それが気に食わない。だから今日は意地悪。
「ああ、全部夢だ。君は学校の図書館で眠って私の夢を見てるだけだ」
「そっかあ、目覚めたら先輩いないのか」
「そうだ」
「このまま寝てたい」
「そうしろ」
寝てろ。私は片付けしなくちゃ。
そう立ち上がろうとした腕を掴まれる。
「つかめるのに?」
「そうだ」
「先輩の腕細いなあ」
もう半分以上夢の中のようで、手に力が入ってない。簡単にほどけた。あの時と違って。
ねえ、
「いつも隣に、いて」
君のせいで変われた
今は寂しくない
私の方が幸せすぎて夢みたいだよ
図書館暮らし。 新吉 @bottiti
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