第4話 とんちんかんクラッシュ。
混乱している。
頭を流れているのは自分への注意喚起。ラブコメとは恋愛を中心としたコメディ要素のある明るいジャンルのことだ。こんなことを考えている自分とは、いったい何なのか。
彼の小説は言葉遊びばかりで、伝えたいことが伝わらない。それでも私を褒めていて、恋をしていた。その頃私は自分がどこか世界から外れた特別な存在だと思っていた。死んでしまいたかった。わずらわしい学校や家のあれこれから逃げたかった。私のねじ曲がった話を聞いてくれるのに自分のことはほとんど話さない1つ年下の男の子。すぐ帰らず部活にも行かず、かといって勉強するわけでもなく図書館で2人ぼっち。嘘、他にも図書委員や先生やホコリやストーブやらがいた。好意は嬉しかったが心地よい関係が壊れるのは嫌。彼も告白はしなかった。同じ高校に来た。でもお互いに忙しくなって自然と忘れていった。時々図書館で挨拶したり、それだけ。
例えばいつかひとりぼっちになっても。大切な人と大切な日を思い出して生きていきたい。でも彼とした話と花火を思い出すと大切なのに消してしまいたい。忘れていたかった。だけどどこか寂しくて。寂しいと余計に頭が回らない。そういうことじゃなくてもっと素直に。私は寂しかったんだ。
「あの、先輩それって」
頭の中の言葉や単語が散っていく。本当にその通り。意味をなさなくなっていく。
「先輩、俺本当に」
頭が真っ白になって、
「先輩が好きです」
ああ、しまった
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