大和強奪、汚れた鏡が望む物
4話—1 魔界親善大使
地球と魔界。
光と闇の面会は滞りなく進む。
光に属する主な魔法少女達——三神守護宗家が誇る草薙の裏門当主
そしてそれに従えられる従者である、天津神に属せし
さらには
異国勢としては、某国ヴァチカンは【
アムリエルを裏方にて支えしは、【
「地球陣営はこんな所やね。ほな、魔界陣営のご紹介を——」
対する魔界陣営紹介を、その代表でもある
闇勢力……
その中心となるは
二人の魔界側魔法少女を支える者として、正式にレゾンの妹となった元
元々地球からの出向組であったが、すでにノブナガの器に惹かれてマリクト居住を望む技術屋……【
地球より生まれし
「——ようやく再会となりましたが……つい先ほどの
「そうですわ。当武蔵が月面の管制施設を訪れた際、フェアレ……さん?でしたか?その方より
「アタシも力が突然封じられた時には焦ったけど——って、何見てんだ吸血鬼!やんのか!?」
「ああ、もう!アーエルちゃんもレゾンちゃんも、さっき落ち着いてたのに!本当に二人は顔を合わすとメッチだね……。こちらでも魔法少女システム——正確にはその戦う力のみ封じられた状態で、流石に肝を冷やした所でした。」
「初めましての方へ簡単に——ウチは
「危うく
先に彼女が推測を立てた由々しき事態。
それに対する不安が募る
それを聞き届けた金色の王女——
一先ず無事に顔を合わせる事の叶った愛しき友人達と、それぞれを支える者達を一瞥し……現時点で最優先事項となるお務めを宣言する。
「
「私達魔界勢が国際的な支援と防衛行動……それを大手を振って行える様——まずは
その王女の姿を改めて見た、地球の友人である魔法少女達。
まさに目にし思考を支配したのは、見違えたと言う言葉であろう。
かつて地球と魔界防衛作戦の時は、己が力に翻弄されながら戦う事で精一杯であった少女——
その少女が場を取り仕切り言葉を放つ姿は……紛う事なき
∽∽∽∽∽∽
彼女が覚醒を迎えるその日までは……とても素敵なお姫様——の様なキラキラした女の子。
もちろん「実は本当の王女様でした。」なんて知らないウチは……テセラちゃんとの暮らしが、いつしか掛け替えの無い物へとなっていました。
本当の家族のいないウチはもちろん、守護宗家の皆に大事にされていたのは分かっています。
けど――そこにはどこか距離を感じて遠慮する様に、愛情を受け入れきれないウチがそこに居たのです。
そんなウチが、何故か何の遠慮を感じる事も無く接する事が出来た人——それこそがテセラちゃんだったのです。
しかし——その時はまだ何一つ、ウチは知り得なかったのです。
ウチが感じた……テセラちゃんへの身内の様な感覚が——ウチにとっての大切な両親から贈られた、この世で一番素敵な奇跡の贈り物であった事を——
「王女様してはるな~~テセラはん。何やウチ、嬉しなって来ましたえ?」
「初めましてですわ、地球のお姉様のお友達様。
「カミラ……はん、おすな?カミラはんもテセラはんが大好きみたいおすね。」
「……お……おす?」
「
「うえっ!?関西圏が
「ちょ……それは由々しき事態やな!
テセラはんが放つ凛々しい現場指揮も終わる頃、何となしにテセラはんとレゾンちゃんの妹に当たる少女——肩口で切り揃えられた、薄緑色のウェーブがサラサラ揺れるカミラはんとの会話に興じます。
ウチらの中でも一番幼さを浮かべる彼女にはどこか、アーエルちゃんに近しい狂気じみた感覚を覚えましたが——
すでにアーエルちゃんの、常時加減無く放つ狂気に慣れ親しみ過ぎたウチは……全くの警戒もなく話しかけてしまいます。
ただ、友人達との会話が当たり前すぎて……自分の話す言葉が日本を代表する独特のしゃべりだった事も忘れてしまい——
首を
まあ関西圏の人間——特に今から向かう
レゾンちゃんより嘆息からの注しを頂き、そこへ反応した
「ハイハイ、その件はまた今度。カミラちゃんが困惑してるでしょ?て言うか……
「んなっ!?……ナンノコトデショウ??」
「主はガチの関東人にございますっし——い、痛いっしゅ!?主様、痛とうございますっしゅ~~!?」
「余計な事は言わんでええねん!こうや、こうしてくれる!」
「お止めになってっしゅ~~!」
「……
ウチも人の事は言えませんが、実はエセ関西人な
心に芽生えた身内への疑念と罪悪の念を、只管に隠そうとする二人の明らさまな態度と察したウチもそれを汲む様に合わせます。
宗家陣営にとってそれは、幾度も経験してきた内部事情——それをウチらよりも知り得る支える方達に至っては……無用に事へ干渉せぬ様黙したまま、成り行きを最も若き世代に託してくれてる感じもします。
そしてこれより——
かつて訪れた危機防衛を果たした闇からの勢力が、蒼き星の大地——その代表である日本国との同盟交渉に臨みます。
今後の危機防衛を踏まえた同盟協定を締結するため……封絶鏡から大きく離れられぬ故に、急遽会談場所に指定された
親善大使であるテセラちゃんとレゾンちゃん……彼女達を中心とした魔界三国同盟が、ウチら光の勢力と共に武蔵を駆り——僅かばかりの航海を楽しむ様に、瀬戸の海をひた走るのでした。
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