第5話 朝の目覚め
5 朝の目覚め
目を覚ます
と
目覚める
の あいだには
どんな感性のちがいがあるのか
目覚める という感じではない
中年になってからは
目覚めるには
一日への希望の出発がある
目を覚ます 倦怠の闇にまだ捕らわれている
朝 目を覚ますのは
ミュとムック
二匹の猫が起こしに来るからだ
きまった時間に律儀に寝どこに
もぐりこんでくる
かのじょとかれは
わたしがトイレに入っていると
ちゃんと
待っている
かおをかしげて二匹で低く「ニャァ」と朝の挨拶
おなかを空かしているときの猫は
すごくコケティッシュだ
食事をねだるときの猫は
すごくファンタスティックだ
ひともいつも飢えていればいいのに
飢えのためなら
目覚める
も
目を覚ます
もない
とび起きてさあ仕事だ
庭の紫陽花は咲いているか
無花果の木にかけた農薬は
カミキリ虫を駆除したか
黒竹は雨で傾いたままか
二匹の猫 ミュとムックが
起こしに来る
時間だ
注 この頃、母猫ミューとその息子のムックがわが家にはいました。初代の猫の家族です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます