まるとばつ

 まるとばつ


 あきがふかまって、かぜがつめたくなってきました。

 ロボットたちは、さむそうなふくをきています。でも、かぜをひかないのでみんなげんきです。すこしくらいじめんがゆれても、びくともしません。

 おとこが、ちゃいろい建物たてもののなかでほんんでいました。

 じつは、ぜんぶみて記録きろくしているので、むひつようはありません。

「アサダ! あそぼう」

 いつものようにさわがしいネズコがやってきて、アサダがすこしこまったようなかおになりました。

 本棚ほんだなのかげからもうひとりのがでて、あたまもあらわれました。

「あそんでほしいの」

「いいけど、なにをするの?」

 ミズキとおさななじみのアサダは、あそぶことが苦手にがてなようです。

三目並さんもくならべ」

 メルサワのこえがひびきわたりました。四人よにんがあつまります。

 図書館としょかん大声おおごえをだしてはいけないことをしらないので、だれも注意ちゅういしません。

 あそびかたをしらないネズコに、アサダがまるばつゲームの説明せつめいをします。

 のもじに格子図形こうしずけい盤面ばんめんに、3つマークをならべたほうがちです。

 アサダのまゆはさがっていました。

「あんまりすすまないなあ」


 ほんはだいじなものなので、きこみません。

 四人よにんは、まちそとえるばしょにやってきました。みちがとちゅうでなくなって、かわいたつちばかりえます。

 それぞれったえだをもっています。

 じめんにせんをひいて、まるばつゲームがはじまりました。

 そして、だれがさきでも、だれとやっても、けっかはおなじでした。

「どこにっても、最善手さいぜんてならけになるよ」

 アサダが、先手せんての○が右上みぎうえをえらんだあとの解説かいせつをします。

 後手ごての×は、まんなかをえらばないとけになるでしょう。

 ○のひとが●のばしょにいたあとで、×のひとがAにくとけになるようです。


  A│ │○

 ──┼─┼──

   │×│

 ──┼─┼──

  ●│ │A


 ロボットたちはおなじ機能きのうのため、Aにかず、ひきわけにしかなりません。

「ほかにゲームの情報じょうほうないか?」

「ないよ」

「もっと複雑ふくざつなルールなら、けがまるかもしれませんわ」

「ざんねんだけど、そんな機能きのう、ないね」

 ミズキにかなしいかおせることなく、アサダはみちをあるきだしました。

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