こどもたち

 こどもたち


 まち朝日あさひをあびはじめました。

 しろいいえのなかで、こどもたちがりんごをべています。いすがないので、みんなっています。

「りんごはいましゅんですわ」

 とくいげなかおで、メルサワがアサダをゆびさしました。

「いろいろな品種ひんしゅがあって、しゅんちがったらしいよ」

「ひんしゅ? しゅんってなに?」

 いたのはネズコです。

遺伝情報いでんじょうほう変化へんかさせて、おいしくてそだてやすく改良かいりょうしたらしいね」

「わたくしたちでいうと、設計図せっけいず。そのくらいわかります」

 笑顔えがおのメルサワが、まゆにちからをいれました。

「おいしくべられる時期じきしゅんというらしいよ」

「ちょっと、かわいそう」

 ミズキがったときには、みんなべおわっていました。

 うつむいているあたまに、アサダがをのせます。かたまではのびていないかみがうごいて、えがおがでてきました。


 ひとにそっくりなロボットたちは、どこかでてているわけではありません。

 こどもたちには、べつのいえでくらす父親ちちおや母親ははおやがいます。

 おおくのいきものとおなじように、つぎの世代せだいをのこす仕組しくみになっているのです。

「まだはやい?」

機能きのう不完全ふかんぜんだよ」

 ネズコは11さいで、アサダもおなじとしです。

「わたしは、1ねんあと」

 ミズキがくちをとがらせました。

時間じかんながれはわりませんわ。おなじところにいるのだから」

 メルサワはアサダより1さいうえで、このなかではいちばん年上としうえです。

「いつ人間にんげんてもいいように、まちをきれいにしないとね」

 アサダがいました。

 つぎの世代せだいのこすのは、まちをまもるためのようです。

 おとこは、まどのそとにむいてかがやいていました。

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