りんごとミズキ

 りんごとミズキ


運動うんどうしすぎ。おおきなくだものをべないといけない」

 アサダがたちどまって、ネズコもみせつめました。

 人間にんげんなら、おいしそうだとったかもしれません。たくさんのあかいものが、はこにはいってならんでいます。

「アサダは、どれがいいとおもう?」

おおきいもの」

「まるさや、いろは?」

「かんけいないよ。ネズコ」

 じつは、おいしそうにえるりんごには、みずがありません。

 くだもののようなロボットです。えないほどちいさな部品ぶひんがあつまってできています。

 おとこは、おんなもの情報じょうほうをつたえました。

「アサダはなんでもってるな」

「ちがうよ。らないことのほうがおおい」


 みせのとなりから、だれかがのぞいていました。

 アサダのには、りんごしかうつっていません。

「どうした?」

 とおくからネズコがききます。へんじがないので、はしりました。かべにはりついているおんながうごくこともできないほどのはやさです。

 じぶんよりもすこしだけのひくいあいてとをつなぎ、アサダのところへもどってきました。

 どんかんなおとこが、さすがにづきます。

「ミズキもいっしょにべる?」

「うん」

 ボブカットのあたまが、ちいさくゆれました。


むかしは、料理りょうりというものがあったらしいよ」

 みどりいろの公園こうえんで、あかくてまるいものをかじりながら、アサダがせつめいします。

 きっと、べながらはなしてはいけないことをしらないのでしょう。

べるのにじかんがかかりそうだな」

「たのしむため、じゃないかなぁ?」

 めんどうくさそうなネズコとはちがう意見いけんを、ミズキがいました。

「でも、よりつよ刺激しげきをもとめてあじになっていったんだ」

いとダメ?」

血管けっかんをつまらせるもと。みずながれないといけない」

「かなしいね」

 ミズキがつぶやいて、三人さんにんがべつのはなしをはじめました。

 ふるくなった部品ぶひんがはがれおちて、まちをつくっていったようです。

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