第32話愚痴るしかないだろー!?

 さてさて。

 どうして、オギと別れたオレが真希奈さんとシューマの一件を知ったかというと……。

『あ! スマホを返さなきゃいけないな』

 という、実に素直で健全な思いから、真希奈さんを探しにいったのである。

 そしたら、真希奈さんはシューマといい感じになっていて、しかもその後彼女はスナックに帰ってこなかった。

 思う存分泣いたオレは、クズキにたまにはやさしくなろうと、合コンをセッティングしたばかりなのであった。

 クズキがそろえたメンツをみれば、日ごろどれだけ人のことを観察しているやつだと思うに違いない。

 痩せた面長の顔にメイクの入った奇抜なローライズ野郎には、長い髪とスカートの真っ赤なルージュの女子が。

(どくろのアクセサリーで意気投合したらしい)

 オレにはわかんないセンスだな。

 見慣れない女子がいると緊張しちゃううぶな博士には、ナウシカのように勇猛で、シータみたいな三つ編みの女子。

(オタク趣味で意気投合、と)

 そしてクズキみたいなロリコンには、あちこちがつるつるした感じの明るいふわっとしたワカコちゃんがぴったりで。

 えんえん筋肉について話したらしい。

(どーいう趣味だ???)

 呼び寄せたオレが居場所をなくすほど、うまくいっちゃったんだなこれが。

 女子に友達を紹介するって、友達の少ないオレにとっては、これが精いっぱいだ。

 仲良くやれよ、ったく。

 合コンなんて、嫌な女どもに友達をとられるまっこと、嫌な行事だよなあ。

 しょぼん。

 一言礼儀正しく「紹介ありがとう」と言ってきたのが、クズキ一人だぜ?

 親友に格上げしてやろうかと思った。

 そのあとでのろけられてしまったが……。

 オレもいろいろ抱えていたせいで、クズキに愚痴を言ってしまったが、男気溢れる彼はオレのことを励ましてくれた。

 涙を拭いたオレは、再び真希奈さんと向き合うことに決めたのだ。

 オギはというと、普通にサナちゃん先輩とくっついた。

 シューマへのダブルでパンチは、本当に息が合っていた。

 たぶん、うまくいくと思う。

 そして、運命のときがやってきた!

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