第8話 「前の版では」の否定

版上げしたときに話題となるが「前の版ではこうだった」である。そして「今の版は初心者がこれから遊んでいくんだから過去の話をするな」とくる。

ちょっと待ってほしい。本当にそれはいいことなのだろうか。


要はコーチングとティーチングの話である。コーチングとティーチングの話は良書多いので自分で調べてほしい。


さて、「前の版はこうだけど、前の版はこうだから今の版クソ」というのであれば、「前の版遊んでろクソ」で一蹴していい。しかしこういう聞き方はどうだ「前の版はこうだったけど、この版ってどうなの?」。


日常生活を考えてみよう。自分が以前まで使い慣れたものを買い替えた。その時思うことは「前のやつはこうだったけど、今のこうなのか」だろう(ポジティブであってもネガティブであってもだ)。そして新しいものの使い方を覚えていく。


「前の版はこうだったけど、今の版はどうなの?」というのは言っている本人がその差異を認識するための指差し呼称なのだ。それを「初心者が混乱する」などと否定をするなぞ、一部の人間が理解しようとすることを阻害する害悪でしかない。

プレイヤーは等しく平等ではないのであろうか。またプレイヤーの理解力や理解の仕方は人それぞれなのではないだろうか。「前の版はこうだったけど、今の版はどうなの?」を一概に「前の版の話をするな」と否定するのは、一部の人へ自分の負担を強いていいのだろうか。「前の版の話をされるとGMが混乱するからやめてくれ」ならわかる。それはあくまで、GM本人の話だからだ。

学会やセミナーの最後の質問で異分野の人の質問をプレゼンテーターは普通に回答しているが、自分にその質問の意味すら分からない場面ないだろうか。君はその質問に「俺が意味が分からない質問をするな」と口を出すのか。


ただのコミュニケーションの問題でしかないので、「前の版は~」が多ければ問題であろう。ただ一概に前の版の話題をするなというのなら、前の版の話をしない大喜利でもやっていればいい。

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TRPG初心者対応とは 児玉まどか @kodama_madoka

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