第61話 メイドさん達にも戦利品!? で精神力を消費する

「スラちゃんが完全復活です! 透き通る様な青色! そして、この、ぽよん具合!えへへへ! ご主人さま、ありがとうです。スラちゃんが元気なら、何もいりません!」


 ポーションをスライム君に解析してもらった結果。


 一目瞭然いちもくりょうぜんの効果。


 こうして、カナさんが喜びを爆発させています。


 一応、本物のポーションだったという事だな。


「まったく、貴重なポーションをスライムに与えるなんて。やはり、わたくしが貰っておいた方がよろしかったですわねー! おーほほほ! 無駄に無駄使い、お疲れちゃんですわー!」


 カナさんの姿勢を見習って欲しい。


 お前のポーションすり替えて、エナジードリンク飲ませてやろうか? 


 または、沖縄名産のルートビアをな。


「無駄じゃないもんね。スライム君? どのくらいの品質のポーションを作れる?」

「ぷるぷる」


 ふむふむ。


 この万能レベルアップポーションを作るのには。多大なコストが。


 でも、状態異常、体力、魔力を中程度回復するぐらいのポーションなら。


 そこそこ作製できるか。


「ま、まさか、ソージ君!? スライムさんにポーションを作らせるつもりですか!? た、たしかにポーションが作製できれば、大助かりですけど!?」

「そんなお馬鹿ちゃんな事、あるわけないでしょう? スライムには悪いですが、ポーションを作製するには、それなりの技術が必要。一朝一夕いっちょういっせきで作製できるなら、苦労しませんわ!」

「いやいや、スライム君は出来るって言ってるよ? そもそも、スライム君は体内で毒を作って攻撃できるし。毒も薬も同じようなものさ。品質に問題が無ければ、売りさばく事も可能。結果、金貨ざっくざっくちゃんですわー!」


 まあ、大規模に売りに出してもね。悪用されると困るよな。


 戦争とかに使用されたり。


 小遣い稼ぎ、身内だけ使えるぐらいがせきの山か。


「売りに出すかは、ひとまず置いておこう。スライム君が作ったポーションは、みんなが使えばいいさ。ただし、スライム君に対しては、感謝や尊敬の念をだな」

「スライムちゃん? わたくしも大変心配してましたのよ? さあ、こっちに来て、ぽよんちゃんさせてくださいませ! けけけけ! 金貨を生み出すスライム!」


 昔話に登場する悪いお婆さんかな? 成敗しなければ!


「パン屋のお姉ちゃん! ぼくもパン生地をもちもちするのを手伝う!」

「いきなり何ですの!? わたくしの体は、パン生地じゃないですわ!? ら、らめええ!?」





「ふう。これでぼくも一人前のパン職人に近づいたぞ!」

「わ、わらくひが、はあ、悪かったですわ。か、堪忍ですわ!?」


 まったく、パンの仕込みも大変だ。


 こんがり、もっちもっちに焼き上りますように!


「旦那様? 本日の戦利品は以上ですか? 他には? 他には?」

「近いよリナさん!? なんだか、リナさんにおねだりされてる気が!?」


 具体的に何をねだられてるのか不明だけど!? 


 豊満な胸を押し付けないでぇ!?


「甲斐性が無い旦那様を許しておくれ。せめて、こうしてリナさんの頭をなでなでする事しか出来ないよ?」

「……わたくしは、旦那様が無事に戻って下されば。この様に、でて頂けますから。……おねだり作戦成功です」


 リナさんのお耳が、ぴくぴく動いている。


 嬉しい時のサインだ。


 ポツリと何かを呟いたような?


「そう言えば。一つ、謎の品物? があったけど。えーっと、これだ!」

「たしか、クリスティーナさんが最初の宝箱の罠に引っかかった時の? 黒い石みたいな?」

「サ、サーヤ、事実ですけど!? あらためて、指摘ちゃんは!?……ソージ? 持って来ていたのですか? 価値が無いから、捨てておくように忠告しましたでしょ?」


 確かに、石炭みたいな感じだ。


 価値があるようには。


「旦那様? 旦那様? 旦那様? 何ですかそれ? 何ですか? わたくしに対しての当てつけですか? 黒い石? ふふふふ。ちょっと、旦那様? 旦那様?」

「僕の無事の帰宅だけを望んでいたよね!? ひえええ!?」


 リナさんの嘘つき!? 帰宅してから身の危険が!? 


 もちろん、リナさんのプレゼントなんかにするつもりは!?


「スラちゃん? 謎の物体を調べるです! ご主人さまの手助けです!」

「ぷるぷる!」


 スライム君が何やら黒い石もどきを鑑定してくれるらしい。


 万能スライム君に、感謝!


「どうですか? スラちゃん? 危ない物だったら、すぐ吐き出すですよ?」

「ぷるぷる!?」


 おや? スライム君の様子が? 危険物だったのかな!?


「スラちゃん!? 大丈夫ですか!?……虹色にじいろに輝いてます!?」

「ま、まぶしいですわ? 何事ちゃんですの!?」


 スライム君の体から神々こうごうしい光が!? 


 いや、光を発しているのは……取り込んだあの黒い石!?


「ぷるぷる!」

「この黒い物体は、長い年月をかけて魔力を蓄積している魔石です? 魔力をそそぎ込み、活性化した為、光を発する様になりました? おお! スライム君! むぎゅーをさせておくれ! 君は凄い!」


 ぽよんし放題だぜ! ありがたやー! 撫でまわしてやる!


「もしかして、賢者の魔石では!? ま、まじですか!?」

「ソージ? わ、わたくし達は、一心同体ですわよね!? もっちーろんですわよね!?」

「ぶっ飛ばすぞ、クリスティーナ。ともあれ、価値のある魔石か」


 魔石であれば、加工したり出来るはずだな。


 後々、スキルを使って。


 カナさんとリナさんにプレゼントしよう。


「えへへへ! ご主人さま、むぎゅー! ありがとです!」

「旦那様、むぎゅーですわ! 大変、感謝しておりますわ!」


 どうやら自分の考えは。


 メイドさん達に筒抜つつぬけらしい。


 こちらこそ、むぎゅー!


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