第48話 み、見覚えのあるモンスター!? に精神力を消費する

「すんすん。クリスティーナの美容と健康のためだったのに! 電撃を浴びせるなんてさ!」

「どう考えても。ソージに胸をマッサージさせるなんて。あり得ませんわ! ふぬう!」


 電撃娘が。モンスター発見場所へと道案内をする。


 暗闇で視界が悪いので。何かの影を見間違えた可能性も


 そうであって欲しい。


「せっかくの、二人きりでのむぎゅーの時間を奪ってしまいましたわね。サーヤ!」

「あ、あれは、ソージ君が不安定な精神状態でしたので。応急処置、人道的な行為です!? そ、それより、モンスターの事ですよ!」


 またもや、クリスティーナに勘ぐられ。


 話題をらすサーヤ。


「本当に、モンスターなのか? 自分の欲望が具現化したんじゃないの? アイテムばっかり追いかけてるし。俺的には、クリスティーナがモンスターみたいなもんだな! ぷぷぷぷ!」

「な!? こ、この、わたくしが、モンスターですって!?……誰かさんは、いつも。常に、色欲にまみれてますわねー! 変態揉んすたーソージ!」


 うん? 見解の相違? 


 変態揉んすたーだって。


 あははは! ご冗談を!


「ぐへへへ……貴様をこねくり回して。最高のパンを焼きあげてやんよ!」

「おほほほ……電撃で変態的性格を矯正きょうせいして差し上げますわよ!」

「ソージ君とクリスティーナさん!? モンスターについて情報を共有したいのに!?……いい加減にしないと。うっかり、燃やしますよ?」


 し、しまった!? サーヤを怒らせるのはヤバい!? 


 ゆ、有言実行しちゃうタイプでしたね!? 


 く、空気を読めよ! クリスティーナ!


「僕達、仲良しアルヨ!? 率直な意見を話し合う仲。でござるー!?」

「先に挑発してきたのは、ソージですわ。急に態度が変わるなんて。わたくしの電撃に恐れをいだいたのですわー! おーほほほ!……何か、焦げ臭いですわ? わたくしの髪の毛が。ちりちりしてるだけですの? そうでしたか……ぎょええ!? わたくしの髪が!? 発火してますわ!?」

「おかしいですね? 自然発火でしょうか? ねえ、ソージ君?」


 ひいいい!? こっち、見ないで!?


 燃えるごみの日は。今日じゃない!?






「……この先に、祭壇さいだんがありますわ。そーっと覗くのですわ! リナみたいなモンスターが!?」

「……リナさんみたいなモンスター!? 旦那様として、その発言は、ちょっと……ぼ、ぼくは、リナさんを、そんな風に、見てないからね!? ほ、ほんと、だよ!?」

『誰に対して弁解しておるのじゃ? ここには黒いメイドは、おらんじゃろうに』


 リナさんの察知能力をあなどっては。


 噂しただけでも。リナさんに知られる予感がする。


「ともかく、ソージ君?……一緒に確認を。音を立てないように注意しましょう」

「了解です。隠密行動、にんにん!」

『わらわも、くのいち姿にチェンジじゃ!』


 エトセトラ、セクシー過ぎて。全然、しのんで無いな!


 ま、まあ。色仕掛け効果は。ばつぐんだね!


 エロセトラ! ったく、集中力をそぐような姿を。


 後で。じっくり、お代官様プレイしてくれる?


『わらわが天井裏に潜んでからの。物音をたててしまうパターンじゃろ? 任せるのじゃ。演技力もバージョン2.0になったからの。お主を楽しませるのも、たやすいぞ!』


 大型アップデートしたの? 変わり身の術とかしちゃうの? 他にも、変更点が?


「……ソージ? サーヤが行ってしまいましたわよ? 一人で行かせるのは、危険ちゃんですわ!」

「あ、ああ。分かってる」


 遅れまいと、サーヤの姿を追う。


 ふむふむ。魅惑の短パン。


 ぐへへ、どこに行ったのかな?


『……短パンが本体ではないぞ? 変質者め!』


 と、とにかく。サーヤを発見しないとな! 


 おっ? あの短パン姿は!?


『短パンしか探しておらんじゃろーがああ!』


 うん? サーヤ? 立ち尽くしているのか? 


 先程から。動きが無いように見えるぞ?


「……サーヤ? モンスターが居たのか? 大丈夫?」

「……リナさんには申し訳ないのですが。クリスティーナさんの例えは、あながち、間違っていませんかも。見てください、祭壇さいだん付近を」


 もう! サーヤまで、リナさんの悪口ですか!


 ここは、旦那様として。訂正させていただきますよ! ぷんぷん!


 祭壇さいだんには宝箱が、あるはず。


 あれ? 何か、白い物が、まとわりついているよ?


 糸かな? 


 または。蜘蛛くもの巣とも言えるのかな?


「……黒い蜘蛛くもが陣取ってる!? リナさん!? どうして、ここに!?」


 し、しまったあ!? リナさんじゃないですよ!? 


 クリスティーナが暗示をかけたからだもん!


 リナさんに合わせる顔がないよお!







「で? どうしますの? あの、リナ蜘蛛。駆除いたします?……お宝を邪魔する目障りな存在ですわね! きいいい! 忌々しい! リナそっくりですわ!」

「リナさんじゃないからね! 黒い蜘蛛のモンスターだろ!……無理して倒すのは危険じゃないのか?」


 ギルドに報告するだけで、良いかな? 


 そもそも、モンスターが存在している時点で。


 初級のダンジョンじゃないよな。


 いや、あれ。一般冒険者のボスじゃね?


「そうですね……ただ、あの黒いリナさん。い、いえ!? 蜘蛛の影響で。他のモンスターを呼び寄せたり、繁殖されたら……周辺住民に被害が出てしまいますよね?」

「魔法騎士団として見過ごせませんわ! わたくしのパワーアップした電撃魔法で、いちころりちゃんですわー!」

「……電撃ねえ。蜘蛛と相性悪そうなんだよな。全く効果は無いとは、言わないけどさ。むしろ、サーヤの炎魔法が効果的だと思う。接近戦は避けたいな。蜘蛛は硬いし。手数? 足数? が多いし。毒とか、糸とか吐いてくるんだよな。遠距離でも」


 ロールプレイングゲームでの事ですけど。


 ま、特徴はとらえているだろう。


「ただのリナ蜘蛛ですのよ? 話を誇張こちょうして、怖がらせようとしていますのね! おーほほほ! そんな訳、あり得ませんわ! ちょっと、リナ蜘蛛を退治してきますわー!」

「……百聞は一見に如かずか。実戦で学んで来い! ぽんこつクリスティーナ!」

「ええ!? ソージ君の言っている事が本当なら。難敵じゃないですか!?」


 我ながら、甘々だけど。


 サポートだけは。抜かりないようにしておくか。

 

 

 


 

 

 




 

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