第47話 サーヤを困らせて精神力を消費する

「わたくしには、このダンジョンは楽勝ですわねー! 一本道、お疲れちゃん!」

「神殿の祭壇さいだんに宝箱があるとのことでしたね。ギルドの受付の人が言ってました。では、目標に向かって行きましょう。もっちーさん、宝箱めがけて一目散にならないでね?」


 やっとの事で。神殿入口まで来ましたよ。


 階段から落下しなければ。あっさり到着できる距離でしたね。


 ですが。サーヤとクリスティーナのスキンシップを堪能しました。


 ぷにぷに♪ もっちもっち♪ マッサージの経験値が溜まってます!


「おーほほほ! わたくしを誰だと思って? もっちーさんですわー!……ほ、本当に誰だと思っているの!? がるるる! むっつりサーヤと呼びますわよ!」

「ソ、ソージ君が悪いですからね! もっちもっち行為は禁止です!」

矛先ほこさきが俺に!? クリスティーナだろ!? 歌まで披露してたじゃん!? もっちもっち行為って、なんですかー? そんな言語あるんですかあー? 説明してくださいよお?」

『小学生の反抗心なの!? おさげ娘を煽るでないぞ? そこ、授業中ですよ!……放課後、私の所まで来なさい。指導しますよ!……色々と』


 バーチャルエトセトラがメガネ女性教師姿に!?

 

 目つきが、キツイ!? プ、プライド高い設定なの!?


 スーツ姿、イイネ! 指導されちゃお!


「ひ、開き直るのかな!? そ、その。肉体的、接触……です」

「知りませーん。分かりませーん。むしろ、サーヤにだって多種多様に接触させていただいてますよ? 拝んじゃう、祈っちゃう、サーヤ様!」


 ハレルヤ! もじもじサーヤ!


 おっと、ダンジョン攻略しないとな。


「あえて放置して。お宝を頂いちゃいます? けけけけ! どうぞ、二人でイチャラブ展開を! わたくしは、神殿内部に突入ですわー! おーほほほ!」

「あのもちもち野郎! 我欲がよくのモンスターかよ!? ほら、サーヤ!」

「は、はい。手をつながなくても!?……さ、さっそく、接触しちゃいました!? うかつなのは、私!?」






「今日は、朝から調子を狂わされ続けてますね。……む、無念です」

「調子の悪い日も、あるよねー。分かるー。うんうん。サーヤさん!?」


 独断専行どくだんせんこうの強欲ちゃんの後を追いかける。


 サーヤは。力なく反省を口にした。


「まあまあ。お、落ち込まないでよお!? ぼ、僕のメンタルまで下がっちゃうよ!?」


 おうちに帰りたくなってきた。


 さっそく、引きこもり精神を発揮してるぜ!


「ご、ごめんなさい。弱音を漏らしちゃいましたね!? ほ、本当に、今日は、どうしちゃたのかな!?」

「俺のせいなんだ! 朝からザーヤに、あんな事じだからあ!」

『じゃあ、するなよ。と言ったら、キレるじゃろ』


 エトセトラ。


 お前もエロい事を積極的にやれって言ってたよね? 


 ねえ、ねえ? そそのかしてたよね?


『えー、記憶に、ございません! そもそも、私はですねえ。実体がない訳でありまして。実際、行動をするのはですね、貴方です! 私は関係ないと確信しております!』


 次の選挙の結果が楽しみだな! 開き直る政治家エトセトラ!


「ソージ君、落ち着きましょう!? 朝の一件は、カナちゃんが無理難題を言ったからですし!? せ、責めていませんからね!? からかっただけだよ!? ね?」

「サーヤのご配慮がね!? 突き刺さる! 心の臓があ!」

『と犯人は供述しており、余罪を追及する方針です! 卑劣な男ですね。女性の敵! いえーい! アキバ系男子! 妄想が恋人! ジャンクフード食ってろ! 食玩買ってろ!』


 アキバ系にレッテル貼るなよ! どこの局の女子アナだ!


『バーチャル女子アナのエトセトラです! 動画サイトでニュース原稿を読んでいます! メンバー登録してくれたら。わらわ嬉しい!』


 で? 本心は?


『愚民ども、閲覧回数稼げ! わらわをブルジョワにしろ! サイトをクリックしただけで使用料請求してやる! ウィルス感染させて。お前らのエロ履歴もさらしてやるわ!』


 悪質過ぎるぞ!? とんでもねー奴だよ! 架空請求にご注意だよ!

 

 パソコンのウィルス対策ソフトをインストール、更新しないと! 


 それと、お前を消去させる方法を。


『わらわを消去したら自動的に道連れじゃからな! 黒幕はお主だから! 主犯の罪をなすりつけてやるぞ! この胸の様にな! ほれほれ!』


 冤罪だ! さ、再審請求して、が、頑張るもん! 


 ちょ、エトセトラ。お胸が!? 肉まんジューシー!?


「……きゅ、急に黙りこまないでくれるかな!? 私の事、嫌いになりましたか!?」


 そんな、子犬の様な瞳をちらつかせないで!


 僕の心が、きゅん死しちゃう!


「サーヤの魔眼が!? 汚れた俺の精神を!?」

「ちょ、魔眼ですか!? め、目つき悪いのかな!? ど、どうしよう!? カナちゃんが居れば……ご、ご主人様、冷静に、だ、だよ!?」


 サーヤがカナさんの真似をして。


 俺を落ち着かせようとしている。


 イエス! むぎゅーしちゃうもんね!


 むしろ、しないとサーヤの心意気に失礼だもんね!


「ありがとうございます! いただきます!」

「ど、どういたしまして!? おそまつです!?」


 ふう。あたふたするサーヤを堪能たんのうしておりまする。


 ああ、心が安定する。


 カナさんと甲乙つけがたい、ぬくもりです!


 えへへへ! 脳内カナさんも喜んでいます!


『お主、完全にサイコパスだよ! ますます、こじらせておるぞ! 全米もドン引きじゃ!』

「サーヤもカナさんに似てきたかな? なんて」

「わ、私は、あんなに可愛くないですよ!? お、お世辞禁止!」


 嘆かわしい。サーヤが自分の魅力に気付かないとは!


「ソ、ソージ。も、も、もん……で、ですわ!」

「クリスティーナ? どうしたの? 胸を押さえて? しょうがないなあ。日頃のお付き合いですし。バストアップに協力してあげます。これ以上、豊かになってどうするの?」


 優しく、クリスティーナのバストをマッサージ。


 パン生地は丁寧に力を込めて。


「きゃん、な、なにを!? むにゅむにゅダメ!?……で、電撃ですわ!」

「ぎょぎょぎょ!? か、感電、か、かんべん!?」


 しびれるよおお!? 痛いよおお!? ビリビリするよおお!?


「クリスティーナさん? どうしました? 祭壇の宝箱を見つけました?」

「で、ですから! モ、モンスターですわ!」

「も、揉んすたー!? 俺の事かな!?」

 

 

 

 


 

 

 

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