第19話 美女たちの騎乗体験で精神力を消費する
「バトルアックスを収めてください! メジスト姉さん! アイさんと、よもや、同じ行動をとるとは。完全に想定外でしたよ?」
「結界の存在があると、攻撃したくなっちまうのさ。血が騒いでね。それにしても、規格外の結界だねえ。もう一回、攻撃を――」
再度、バトルアックスで。
「ストップ! やめやめ、やめてー!……ボヨン? ムニュ、ムニュ!?」
両手を前に広げながら前進して。
攻撃を中断させようとしたのだが。
わ、わざとじゃ、ないよ!?
「うふふふ、冗談だよ?……あたしの胸にご執心なのかい? べ、別に構わないよ?ソー坊が触りたくなったら、いつでも。ほら」
メジスト姉さんの胸から手を引っ込めようとしたが。
彼女が離すのを良しとしない。
それどころか、積極的に触るように誘ってきた。
「ソージ?
「アイ、酔いは
アイさんの横やりで助かったと思うべきか。
刺激的な行為に、全身が熱くなってしまい。
夜の寒さを心配する必要は無くなった。
むしろ、
「パン娘!? 思わず、踏みつけそうになったじゃないか! し、死んでるのかい!?」
メジスト姉さんが、無造作に横たわるクリスティーナの生死を確認。
あれだけ、騒々しいお疲れちゃん娘が、このあり様なのだから。
当然だろう。
「アイさんと素手で取っ組み合いをした結果ですよ。熟睡中ですから、起こさないように」
俺のスキルによって、寝ている間に回復する設定にしてある。
直接回復させるのは、精神力の消費が激しい。
おざなりの処置でない事を、ご令嬢は理解して欲しい。
今は、意識が戻ってないけれど。
「ソージ君、意外とクリスティーナさんを気にかけてますね」
「……性格に難ありで、がめついし。でも、負けん気が強い所は……
クリスティーナには秘密だけどな。
調子に乗らせるとね。
「……ソージ、わらくしの、色気に、お疲れちゃん……むにゃ、むにゃ。あん、むねえ、つまんじゃ、らめですわあ……むにゃ」
「こいつ、
「おほほ! やりましたわー! ソージ利用計画、成功ですわねー! むにゃむにゃ」
むにゃむにゃ言ってれば、寝てる事になるの!?
ご利用は、計画的かよ!
「お前の企みを看破したぞ! ぐふふふ! 金貨は、俺のもんだ!」
「そ、そんな。……わたくしの完璧な計画が……うーん、うーん、むにゃむにゃ」
悪夢にうなされている。
どうにも、策略家としてのキャラクターでは無いのだが。
「……ご主人さまに、また見知らぬ人です」
人見知りが激しいカナさんが。
俺の背後から様子を
出ては隠れたり。
ちらちら。
「うん? ハーフエルフのメイド?……
お人好しの事を指し示しているのだろうか?
アイさんにもハーフエルフ姉妹を紹介した時に。
同じ様な事を言われた。
「カナだよ! ご主人さまを独占してますから!……あ、メイドです!」
おお! 同じ
先手を打った!……強気な態度は、最後まで貫けなかっけど。
でも、頑張ったね、カナさん。
「ソー坊を
メジスト姉さんに好感触を持たせたか。
努力が認められて、ご主人様、誇らしいよお!
……あとで、遊んであげよう。
構ってあげよう。
「こっちも、ハーフエルフかい?……
「
きちんとお客様にご挨拶。
メイドとしての恥じぬ所作振る舞いに、見惚れてしまった。
「堅苦しいのは好みじゃないんだ。気を使わなくていいさ。……ソー坊、スライムが」
「どわああ!? やめ、やめてええ!?」
他方、旦那様としての風格、威厳も感じない。
情けない悲鳴を上げるのだった。
「ソー坊、あたし達をこの屋敷に住まわせても平気なのかい?」
「空き部屋をそのまま放置しているのは、もったいないですし。平気ですよ」
客間に、みなさんお
……膝の上には、カナたんが、ちょこんと座っています!
この生物は、なんでありまするう!?
「せめて、宿賃ぐらいは受け取っておくれよ?」
「いやいや、十分報酬はいただいております!
お金よりも、メジスト姉さん達がいるだけで満足ですから。
「あれえー? ソージィー? あたしには感謝してくれないのおー? お姉さん、欲求不満だぞー? あはっ!」
体をくねくねさせながら。
誘惑するポニテ女子。対処に苦慮する。
「野良娘には、お話はダメだよ! ご主人さま、引っかかれます!」
うんうん。そうだねー!
カナさんがボディーガードしてくれてるもんね!
「カナめ! ソージにべったりして。当てつけか? 襲っちゃうぞ!」
「うううう。ご、ご主人さまに手を出させません!」
アイさんと、カナさんによる戦い。
ぽかぽか叩くカナさん。
アイさんは楽しそうに、いなしたり、ほっぺをつねる。
くすぐるなどして、あやしている。
「ちゃんと、旦那様の近くで待機しなければ、いけないのに……ふふふふ。カナ、ありがとうございます。お役目を交代ですね」
音もなく、リナさんが目の前に。
立ち姿も絵になる。
くるりと、ターンして。
こちらをじっと
「そんなに顔を見られると、あ、あせるよ!? リ、リナたん!?」
「お気になさらず、務めですから。失礼します」
首の後ろにリナさんの両手が。
椅子に座りながら、互いに抱き合う形に。
「あのー、リナさん? 膝の上に乗るのは良いですけど、向きがね!?」
「旦那様の背後を見張っています。ふふふふ」
背後霊でも
されるがままにリナさんを抱いてしまう。
「むむっ! カナ? リナがエロい態勢だぞ?」
「お、お姉さま! わたしの定位置なのに!」
リナさんの吐息を感じる距離。
押し付けられる、たわわな胸。
わ、悪い
「あん!? 下から激しく動かなくても。緊張なさらないで……わたくしは存在しない者と認識してくださいませ、旦那様。ふふふふ!」
「ソージ君が、いかれちゃいますよ? リナさん、撤収です!」
サーヤがリナさんを排除。
……あ、あぶなかった。せ、積極的だぜ。
「そんなに座り心地が良いのですか?……
「サーヤも!?……横向きか。奥ゆかしさがにじみ出てるなあ」
安定のサーヤの生真面目さだ。
おっと、短パンに手が。
「ひゃああん!? ソ、ソージ君、ど、どこに手を!? ま、またですか!?」
「でゅふふ! 手持ち
やりたい放題である。
ほんと、ほんと、うっかり。
悪気は無いからさ。
「も、もう、いたずらっ子ですね!……そ、そんなに、私のがいいの?」
「サーヤもまんざらでもないじゃないか。ソー坊、モテモテだね」
モテ期到来中なのかな?
……控えめに言って、女子と戯れるだけで幸せですけど。
「はい、サーヤちゃん交代です! ご主人さま! ぷんぷん!」
「ご、ごめんよ、カナさん」
再びカナさんが膝の上に座る。
お馬さんのアトラクション開始だ。
「そらー、お耳に息を吹きかけちゃうぞぉー! ふうー、ふうー」
「うひゃん、ご、ご主人様、耳が、ぴくぴくしちゃうよー!? えへへへ!」
クリスティーナだったら、ご満悦ー! といったところだろうか。
「さらに、お馬さんだぞー!」
カナさんの体を浮き上がさせる。
「馬に乗ってるみたいです、楽しいです!」
自分に子供が出来たらこんな感じなのかな?
バーチャル子育て。
……ゲームソフトではないからな! と自分にツッコミを入れてしまった。
「ソージ、あたしにも、やってみせてよ! 順番予約だからな!」
「旦那様、わたくしにも。体験したいですわ!」
「それとなく、気になります! 本物の馬との違いを!」
「あたしは、ソー坊を上にのせてみたいねえ。いいだろ?」
このあと、一巡するのに、
体力と精神力を消費したのは言うまでもない。
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