視聴者(平成30年11月14日)
なんかワイドショーとニュース番組、一斉に「噛みつき」っていう言葉止めたっぽいんだけど、これはなんだろうか。先週は「噛みつき事件多発!」とか散々煽ってたくせに、週明けから急にみんなそれぞれ、思い思いの表現を使い始めてる。単に「襲う」とか、それじゃ通り魔と区別つかねえじゃねえかと思ってたら、「逸脱行動」とか、「奇行」なんてのも出てきた。みんな一生懸命考えたんだな。お前らのがよっぽど奇行だ。
どういう事情でこうなるのか、見てるこっちには正確なことはわからないが、とにかく直接的な表現を避けはじめてるのは確かっぽい。先週は生放送で思わず「キチガイ」って口走ったコメンテーターもいたけど。まあ、「いじめ」、「万引き」、「いたずら」等々、実際に起こってる現象に対処するよりも言い方を薄めてぼやかした上で先送りにするっては我々の情けない特技であって、そういう意味じゃ通常営業なのかもしれない。伝家の宝刀が竹刀っていう。
もちろん、他人に噛み付く行為は逸脱した行動だし、奇行にも違いない。ぶっちぎりの奇行だ。これ以上の奇行はないってくらいだが、だからこそ言葉遊びしてる場合じゃないんじゃないか。眉間に皺寄せて「奇行に走ってしまう方々が…」なんつってるの見ると、これで本当に大丈夫なのかと思う。「いつだちゅ」って言っちゃってた先生もいたし、もう「噛みつき」って言えばいいじゃん、先週まで言ってたじゃん。
一方、ネットでは「ゾンビ」だ、「グール」だ、「ウォーカー」だ、って好きに呼んでるけど、これはこれでどうかと思う。不謹慎だなんだってんじゃなくて、注意を払うべき対象を見誤るって意味で。ヨダレ垂らして、唸り声あげて、いかにもって感じで近づいてくるならいいが(よくないが)、映像なんかで見る限りではパッと見は普通っぽいし。首元か腕に怪我をしてることが多いらしいが、道ですれ違う人のことをそこまでいちいち観察したりもしないわけで。フリーハグやってた団体が揃って感染したなんて笑えない話もあるくらいだ。
じゃあ、なんて呼べばいいのか。特に代替案も持ち合わせてなかったりするのが悩ましい。渋谷のハロウィンの動画(結局あれは本物だったってことなんだろうか)が発祥と思われる「ガチ」もしくは「ガチ勢」ってのもあるけど、これもなんかなあ。あの何とも特徴に乏しい存在を一発で印象付けて注意喚起にもなる呼称はないものか。そういうの得意などっかの誰か、頑張ってくれ。ただ、「母さん助けて詐欺」の惨劇を繰り返さないためにも一般公募だけはやめてほしい。
by ※※※※ | 2018-11-14 23:49 |
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