第4話 公園

やっとの思いで公園に着いた彼女は倒れ込むかのようにベンチへ横になった。


「はぁ、はぁ、」


「あの、大丈夫ですか?」


「だ、大丈夫です(泣)」


「足、血塗れですよ...?」


「あは、さっき目の前で振られちゃって何振り構わず走ってきたから...」


「奇遇ですね...。俺もさっき振られたんです...。あ、良かったらハンカチどうぞ...」


「ありがとうございます...」


「笑った方が可愛いですよ?」


「私なんて所詮...愛玩道具です」


「そんなことないです!」


「へっ?」


「俺から見れば普通の女の子です」



これが〝愛されたい少女〟と〝愛したい少年〟の出会いであった。

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