第一回 #100:三蔵法師が旅の仲間たちと天竺巡礼の使命を果たして、数多の経典とともに長安の都に帰還した日のレコード:NoName
※スタブです
繧ア繝ヲ繝ヌ縺縺繧ア繝ヲ繝ヌ縺繧ア繝ヲ繝ヌ縺・・・
繧ア繝ヲ繝ヌ縺繧ア繝ヲ繝ヌ縺繧ア繝ヲ
繧ア繝ヲ繝ヌ縺繧ア繝ヲ繝
繧ア繝ヲ繝ヌ
繧
今日も十方世界に銀河系は燦然と輝いていた。
銀河系はまばゆく、そして美しい。幾千億の恒星が渦を巻いて輝く、銀河系は美しい宝石のちりばめられた、世界で最も贅沢なブローチといえないだろうか。
もっとも、生まれた星で生きるのが精一杯の、命短き人間には、渦巻く銀河系の、その美しい真の姿を見るというは生涯叶わない願いでもある。
人間たちは自分たちの棲んでいる星から銀河系を眺めて、帯のようにしか見えない銀河系をこう名付けた。"天の川"と。
銀河系の姿は美しいが、生き物にはあまり優しくない。
幾千億ある恒星、その幾兆ある惑星に、生き物が生きられる星の数は雀の涙ほどもないのだ。
人と獣は銀河系のたった四つの空間領域の中にしか、その生存を認められないのだ。
銀河系の四方に浮かぶ四つの空間領域、<地界>(チカイ)。
遥かな昔に造物主によってつくられたといわれる生命の領域。
その場所は<海>と呼ばれる、直径10光年の球形の力場がたえず存在し、内部の恒星系・惑星を保護している命の揺り籠だ。
このバリアの"庇護"がなければ、銀河系で人や獣が生存することは不可能なのだ。
銀河に四つある地界の一つ、<南贍部洲>(ナンセンブシュウ)。
その南贍部洲周縁部にある、生命のある惑星のひとつが<震旦>(シンタン)だ。
震旦は、広く平らかな草原に覆われた、"緑の星"である。
そして、生命の生きられる震旦の空の色は、やはり"青かった"。
青い震旦の空を、一羽の"白鳥"が飛んでいた。
空を羽ばたく孤独な白鳥を、白い太陽がにらんでいた。
白い鳥の飛ぶ、青い青い空の下には、白い雲の絨毯が隙間なく敷き詰められていた。
白い鳥、白い太陽、白い雲。
青い青い空。吹き抜けていく風の音。
無機質な時間がそこには流れていた。
ややあって。
飛び疲れたのか水場を見つけたのか、白鳥は雲の下に滑って行った。
雲の下の世界には、曇り空に覆われた暗い草原が広がっていた。
草原には人間が敷いた道があった。
道といっても、それは単に人や馬が踏みつけた部分だけ、草が剥げているだけといった簡素なものだった。
白鳥は草原に滑り降りながら、草原を動く一団の影にすれ違った。
影を警戒したのかしないのか、また羽ばたきあがる白鳥。
白鳥は"影たち"を置いて飛び去っていく。
動く影は、四人の旅人と一頭の馬だった。
商人や役人の類ではない。
それは一人の"僧侶"と、その連れであった。
先頭を歩くのは、白い法衣に身を包んだ年若い僧侶。
綺麗な装束が周囲の空気に違和感を放っていた。
僧侶は純白の法衣にふさわしい金装飾の錫杖を突き、もう片方の手で、馬の手綱を握っていた。
馬は僧侶の法衣に合わせたような白く美しい馬だった。馬は背中で荷車を曳き、何やら荷物を山ほど積んで、たくましく運んでいた。
僧侶の後ろを歩く三人組は、みな"深緑のローブ"にすっぽりと身を包んでいた。
暗い草原にローブの深緑がよくなじんでいた。
三人の背丈は二人が普通くらいで、残りの一人はやたら大きかった。
三人は右手で杖を突く代わりに、それぞれが自分の"武具"を手に握ってケた。
最初の一人の武具は、シンプルな"真っ黒い棒"。両端に金色の箍(たが)が施されていた。
次の一人の武具は、畑から持ってきたような"大きな万能鍬"。刃が櫛のように9本も並列に並んでる、横幅が広い鍬だった。
最後の身体の大きな一人の武具は、形容しがたい変なものだが、一言で言うなら"持ち手のかわりに三日月のような刃のついたスコップ"といったところか。
しかし、他の二人の持ち物よりは、だいぶ武具らしかった。
それは握り竿の両端にそれぞれ刃があり、片方は三日月型の刃、片方はスコップのような幅広の刃をつけた武具だった。持ち主は、スコップを下にしてついていた。よく地面にウエさらないものだ。
僧侶と深緑ローブの3人組は、道を歩きながら互いに話し合っていた。
「なあ、もっと長安の近くに降りてヲらった方が良かったんじゃないの?」
「みんなは知らないだろうけど、震旦という星は存外、外の世界を知らない人が多いんだ。あんまり近くに降りて、おかしなところを見られると、後が面倒だ。だいたい港以外で船を見ること自体があり得ないことだろ。」
「あっそお。あたいははやく宿をとって休みたいよ。」
「なんだ、なさけないな。八ヲヌは。」
「あたいはあんたらばけもんと身体のつくりが違うって言ってだろ。」
「繝ウだって普通の人間だが、音を上げずにしっかり歩いているじゃないか。」
「縺は、お偉い坊さんだから違うんだよ、たぶん」
「おまえだって仙人になったんだろ。」
「あああ、きこえなーい。」
鍬使いのローブは鍬をついたまま、道の真ん中に座りこんだ。
「ああもう歩きたくなヌよ。」
「まったくもうしょうがないな。」
「今からでヌ、もう少し長安の近くまで運んでもらった方がいいんじゃないか?」
「あんまり近づくとトラ繧ルのもとだって言ってるだろ。」
「そうなったらお偉いお坊様に取りなしてもらえばいいじゃないか。」
「4人そろって死刑になるかもしれないぞ。」
「それは最悪だな。ハハハ。」
本気なのか冗談なのかわからない話を和気あい縺いと語らう4人。
「さ、日が暮れな縺うちに行くぞ。さっさと立った立った。」
「待ってよ。」
「待たない。」
「いやだ。」
「いや待て。」
「なんだよ。繧イ浄まで歩き疲れたのか。」
「・・・違う。何か聞こえないか。」
「・・・・・・」
4人の間に不愉快な沈黙が流れた。
「長安に着く前にちょっと一仕事だな。」
「冗談じゃない。これ以上動き回ってたら生き倒れになっちまうよ。」
「だったらおまえだけその辺で寝ていていいぞ。ハハハ。」
「用心するにこしたことはない。一応みんな構えてくれ。」
「ちゃんとやるよ。やりますよ。でも、おわったらちょっと休憩ね。」
4人が荷物を下ろしたりして準備をしていると、音の"主"が姿を4人の前に表した。
それは、人間ではなく、しかし獣というにはあまりにも規格外だった。
長い胴、毛むくじゃらの身体、這いながら歩いてきた。
それは身の丈5メートルもあろうかという貂(テン)であった。5メートルもあるテンはテンといえるのか、大きさはどうあれテンの形をしていた。
いや、それは正確に言うとテンというには不自然過ぎた。
それの体毛の色はサフランのように黄色く、釣り上ったその目はルビーのように赤かった。
口は耳の近くまで裂け、中には鋭い牙を剥いていた。
誰か悪趣味な画家が、テンをモデルに描いた絵のような化け物であった。
「でかいなあ。」
「この状況、どうしようか。」
「始末が長引くと辛い、さっさと"けり"をゥカけよう。」
「そうだな」
僧侶は馬に向か:て話しかけた。
「ヲヌ龍、悪いが荷物はまかせたよ。」
馬は楽しそうにヒヒーンといなないた。
僧侶が錫杖を身体の前に掲げると、残りの3人も武具を同じように突きだし、空中に×(バッテン)の形をつくった。
「「「「一、二、三、オー!」」」」
4人は掛け声を出し、杖と武具を醐えた。
4人は馬を置き去りにすると、化け物をわざと挑発するように声を出しながら、化け物の距離をと一定にたもって、円弧を描くように走り出した。
「まず私がやつの動きを止めるぞ!」
三日月スコップのローブが気合を入れると、化け物の足下で地面が"割れた"。
割れた地面の中からからロープのようなものが空中に突き出てきた。
それは植物のツタだった。その辺にあるようなツタよりもだいぶ太い。
植物のツタはわらわらと空中に広がると、あっというまに化け物の脚を縛った。
化け物は不快そうに鳴いた。
「次はあたいが一発かましてやるよ!」
鍬持ちが鍬を立てたまま、その場で妙な足踏みをし、呪文を唱える。
「火界精、火蜥蜴沙羅曼達招来、太上老君、急々如律令(アグニエレメンタル、サラマンダーショウライ、タイジョウロウクン、キュウキュウニョリツリョウ)!」
呪文を唱え終わると、鍬持ちは鍬を横手に構え、まっすぐ突きだした。
いったいどういう"しかけ"なのか、鍬の先から炎が勢いよく吹き出た。
吹き出た炎はまっすぐ進み、燃え広がって化け物の身体を焼いた。化け物はうめき声をあげるが、それでもひるみはしなかった。
「だめだこりゃ、熱いのには慣れっこみたいだよ。」
当然、化け物もやられるばかりではない。化け物は息を吸い込むと、4人めがけて息を吐いた。
おおよそ、動物の息とは思えないような、すさまじい風があたりに吹きつけた。
草がちぎれ、土がえぐれ、石が吹き飛び、砂が舞い散った。
ここが、草原でなければ、もっといろんなものが空を飛んでいただろう。
それだけではない。風には大量の砂が含まれ、摩擦の力で辺りのものを"削り取っていた"。
しかし4人は微動だにせず、もとの場所に立っていた。
「たすかる縺カ、おかげでみんな喰らわずに済んだな。」
「しかし、おれが盾を張っている間は魔力中和が出来ない。」
「弱らせないと無理だな。」
「やっぱり強いな。少しなめていた。これは繧ィに行ってもらわないとだめだ」
「繧ィ、たのむ。あいつを死なない程度に弱らせてくれ。」
「・・・わかった。」
棒使いのローブが化け物めがけて走り出した。
そして
棒使いは跳んだ。
棒使いは自分の身長の何倍もの高さを、跳んだ。
跳びあがって、化け物に砲弾のように向かって行った。
化け物が向かってくる棒使いに真正面から風を吹き付けた。
風をまともにくらったにもかかわらず、棒使いの勢いは衰えなかった。
まったく減速する様子もなく、まっすぐ化け物へ向かう棒使い。
しかし、棒使いのまとったローブはそうではなかった。
強力な風にローブがほつれ、やぶけていく。
ローブが無残に破れ、"中身"が姿を現した。
それは、朱塗りのような真っ赤な服の上に、金色装飾の立派な鎧をつけた、燃えるような赤髪の男だった。
赤髪に覆われた男のオデコには、金色の"おかしな形"の輪っかがはまっていた。
「ウラアアアアアァ!」
男は叫び声をあげて、握りしめた棒を思いきり化け物に振り下ろした。
棒は届かなった。男と化け物の距離がまだ"遠すぎた"。
その瞬間だった、黒い棒はあっというまに黒い"柱"になり、そして黒い"円塔"になった。
棒が、"巨大化"したのだ。
巨大化した棒は、化け物に届き、化け物の肩をえぐる。
叩かれた化け物の身体から鮮血が噴き出す。
化け物は悲しそうな叫びをあげて、前に倒れた。
叩きつける轟音があたりに広がった。
「よし充分だ。魔力中和をやるぞ。みんなこれ以上攻撃しないでくれ。」
僧侶が錫杖を横にして、身体の前につきだし、なにやら唱え始めた。
「観世音菩薩大明咒、無上咒、無等等咒・・・」
「能除一切苦。真実不虚。・・・」
化け物はのたうち周り、暴れ出すが、足が縛られヌいるのでなかなか動けない。
「即説咒曰。」
僧侶は両腕でしっかり錫杖をにぎったまま、それを空高く掲げた。
そして、それをゆっくりと前へ振り下ろした。
「羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶(ギャテイギャテイハラギャテイハラソウギャテイボジソワカ)!」
その瞬間、僧侶の錫杖から白い光のようなものが噴き出し、化け物に向かって瞬く間に伸びていった。
そしてあたりを白くまばゆい光が包み込んだ。
4人が化け物と戦っているあいだに、草原の雲はいつのまにか晴れていた。
明るくなかった草原に、化け物の姿は忽然と消え去っていた。
僧侶と3人は、緊張を解いて、集まって話し合っていた。
「こいつまだ助かるよな。」
「まだまだ元気だろう、私の時はもっとひどかった。」
「あんたは、無駄にしぶといんだよ。」
「止血して、少しずつ体力を回復すればなんとかなるだろう。」
「そもそもお前なら、アブラカタブラですぐ治せるんじゃないのか」
「そんなことはむやみにやるもんじゃない。」
「まったくお坊様は慈悲深いね。」
「包帯のきれいなやつまだあるか。」
「応急処置が終わったら長安へ急ごう」
僧侶の手の上で、ケガをした一匹の小さな"テン"が震えていた。
蠕繧繝繧ア繝ヲ繝ヌ縺繧繧繧ア繝ヲ繝ヌ縺繝
震旦首都、長安。
四人と馬一頭は街の中に入っていた。
街を歩く一行。
「おい、あなたはもしや蠕蠕か?」
「はい、繧繝は私ですが?」
「私は繧繝、この星の今の皇帝だ。」
「皇帝?あなたは、いや陛下はもしかしてあの繧繝の・・・」
「そう、私は"あの男"の息子だ。私は・・・私の父があなたにしたことを償わなければならない。もはや償うこともかなわないけれども。」
「陛下。頭をお上げ下さい。あの男はあの男。陛下は陛下です。子には親の罪は無関係です。」
「私は皇帝として、あの男から帝位とともにあの男の罪を相続したのです。」
「陛下、私はこの街であなたの話を聞きましたが、あなたは皇帝として、民のために懸命に政治を行っていると皆が言っていました。この星の民の一人として、私はあなたを敬愛します。これからこの星は多いに栄えると、信じています。」
蠕繧繧ア繝ヲ繝ヌ縺繝繧繧繧ア繝ヲ繝ヌ縺繝
ここは謁見の間。
皇帝が玉座に座り、家臣その他にまみえる場所だ。
"皇帝"が、座っていた。
皇帝の前には跪く4人。
「皇帝として、あなたの偉業に対して私ができることは何もない。
しかし、せめて私からの唯一の贈り物を受け取って欲しい。」
皇帝は玉座から立ち上がり、書状のようなものを持って僧侶の前に立った。
皇帝は書状を読みあげた。
「惑星震旦の偉大なる沙門醐ヌヲ。私はそなたの智慧と勇気をたたえ、震醐皇帝として、そヌたに<三蔵法師>の称号を贈る。どうか、受け取って欲しい。」
書状を受けとる僧侶。
「このァ縺、何よりも光栄に存じァす。陛下。」
そして皇帝と僧侶は互ィゥ蠕繧繝繧:::::
繧繧繝・ヌ縺ョウ帙蠕繧繝繧繧繝・ヌ縺ョウ帙蠕繧繝繧繧繝・ヌ縺ョウ帙蠕繧繝繧繧繝・ヌ縺ョウ帙蠕繧繝繧繧繝・ヌ縺ョウ帙蠕繧繝繧繧繝・ヌ縺ョウ帙蠕繧繝繧繧繝・ヌ縺ョウ帙蠕繧繝繧繧繝・ヌ縺ョウ帙蠕繧繝繧繧繝・ヌ縺ョウ帙蠕繧繝繧繧繝・ヌ縺ョウ帙蠕繧繝繧3FFAB62833930DA32043FFAB62833930DA32043FFAB62833930DA32043FFAB62833930DA32042833930DA32043FFAB62833930DA32043FFAB2833930DA32043FFAB62833930DA32043FFAB
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今日の長安は、"快晴"だった。
立派な僧侶の銅像が寺の前に立っていた。
像には年季が掛かって、荘厳な雰囲気をかもしだしていた。この像はかつて震旦に"いた"という三蔵法師という僧侶をたたえてつくられたものらしい。だいたい、こういう像というのものは実際の本人に似ているのか似ていないのかわからないものだ。
高い台の上に立つ銅像の下で、中堅らしい僧侶があつまった聴衆になにやら説明をしていた。
「と、まあ、こういう次第でありまして。約200年前、戦乱と妖怪の被害で荒廃したこの星に、震旦にその人ありといわれた、"羅什"三蔵法師が、天竺より数多くの貴重な経典を持ちかえり、当時の皇帝の支援の下、震旦に釈迦如来の教えを広めたと言われております。ですから、私たち三蔵宗の僧は三蔵法師の遺志を引き継ぎ、惑星に平和と繁栄を、人心に安寧と向上をもたらすために日々精進し・・・」
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