第24話 俺の彼女(龍)がとても殺る気満々な件について
「ふぁああ、あー暇だ」
一人誰もいない部屋であくびをしながら呑気に呟いた
最近は特にやることもなくただ毎日が退屈で仕方ない
昔はもっと刺激の強い毎日を送っていたんだがな、あいつが来てから本当に面白くなった
あいつの何もかも気に食わない一人英雄気取りでその場に坐する態度
「くそだな......いっそのこと謀反でも起こすか」
それはそれで面白そうだ、こんな退屈な日々を送ていても意味はない
「まあすぐに殺されるだろうな、あーつまんね何か面白いことでも起きねぇかな」
己の願望を口にして思う、が思ったところで変わるわけがない
結局行動しないと何も変わらない、だが今は監視の人間がおり行動したところですぐにでも取り押さえられさらし首だ、それじゃつまらない
「おい、レオンハルト貴様に面会者だ」
扉の外から聞こえてきた
「面会者だぁ? 誰なんだ」
「お前に言う必要はない」
冷たいねぇ
それにしても今の時期に面会者、家族はとっくに死んでいる、となればあいつだろうな
はあ面倒だが行くしかないか、どうせやることもないしな
せいぜい暇がつぶせるぐらいには期待しておこう
面会の場には壁で仕切られており声が通るように数十個の穴があけられただけだ、隙間に目を凝らすと奥に人間が椅子に座っていた
顔はフードをかぶっていて見えないが体格は一般人並みといったところか
誰だこいつ、あいつなら格好を隠してくるわけがないし......こいつに興味がわいた
「面会時間は三十分だ。それが過ぎれば面会終了だ。くれぐれもおかしな行動はするなよ」
鋭い眼光でにらみ部屋を後にした
しかし今はそんなことはどうでもいいこいつが何の目的で来たかは知らないが、つまらない話でもしやがったらこの壁を壊して殺してやろうと考えていた
「レオンハルト・ビトレイ、お前に頼みがある」
「頼みだぁ? 俺が何者なのか知って言っているのか? 俺は――」
「お前の事はよく知っている、だからこそ頼みに来た、裏切りのレオンハルト、そうお前にな」
「へぇ、いいねぇ、俺のことを知ってて来たのか、ハハハハハ聞いてやるよ、俺に何をしてほしいんだ?」
「勇者の殺害、俺が望むのはそれだけだ」
「ハハハハハハハハ! お前正気か? ここでそんな言葉だしたらすぐ処刑だぞ、なのにアハハハハ、面白れぇじゃねぇか、で、なんでまたそんなことを頼みに来たんだ? 勇者がどんな存在か知らないで言っているのなら......いや俺の話を知っていて知らないわけがないか、だが一つだけ言っておく、俺の力じゃ勇者は殺せねぇ、あいつは化け物だ、人間が太刀打ちできる生き物じゃないんだよ、その辺どうするんだ?」
「お前に勇者を殺せるだけの力を貸してやる」
そういい手を出してきた、その手は透明な壁をすり抜け俺の目の前にやってくる
薄暗く発光し怪しげな雰囲気を出している、この手を取れば俺は勇者を殺せるだけの力が......面白れぇじゃねぇか
何の躊躇もなくその手を握った
この瞬間レオンハルトという人物の何かが書き換えられた
「えーと、俺はブレイブ王国に行こうと思う」
族長の家に集まった村の代表者を集め会議を開いていた俺は皆にそう伝えた
「本気か!? 俺たちを裏切るのか?」
激高し机に手をたたきつける
「いやカインさんたぶん違いますよ、連さんはきっとギール前族長達の居場所をつかむために言ったと思いますよ、僕たちじゃ国境付近がギリギリのラインです。」
「ああ、シアンの言う通りだ、犬耳族のおかげでギール達がいるのはブレイブ王国だと分かった。だがそこは人間の国、亜人がばれずに入ることはできないだろう。カインそうだな?」
「あ、ああ人間の国に入る時には必ず魔法で体を調べられる、その時点て亜人と分かった場合すぐに殺される」
「ということだ、とりあえず今、ブレイブ王国に堂々と入れるのは俺しかいないということだ、正直信じれないこともあるだろう、俺はお前たちを裏切ることはしない、信じてくれ」
カインはまだ了承できないのか黙っている
仕方ないことだとは俺も理解している、ギール達がいると思われるのは人間族の国と聞かされら俺を真っ先に疑うはずだ、それにアルネシアの失踪、これも原因の一つだろう、最初から仕組まれていたことではないかと思っているのかもしれない、その俺が人間の国に一人で行こうとしているのだ、逃げるのではないかと疑っているのだろう
「ならばここで奴隷紋を刻めば済む話だろう。信じれないのならそうするのが一番だ」
ワンダフルはつまらなさそうに言った
「儂らはすでに一蓮托生、種族の運命すらかけてここにきているのだ、それなのにお前はどうして族長をしているのだ、お前ごときまだ早かったのではないか、覚悟がないならすぐにこの場から去れ」
本気で言い放つワンダフルの言葉には重みがあり力があった
その場にいた全員その言葉に委縮する
すでに動き出したものを止めることはできない、なのに覚悟がないと言われカインは下を向く
「とりあえず今日はここまでという事で、また明日この件は話し合いましょう」
このままだと何も決まらないと思い無理やり会議を終わらせた
部屋に残ったのは俺とカインの二人だけだ
沈黙の時間が流れ気まずくなり俺は家を出ようとする
「なあ、俺はどうしたらいいんだ......」
活気のない声が聞こえた、少し音を立てたら聞こえなくなるぐらい小さい声だった
助けを求める声になんて声をかければいいのか実際わからなかった、頑張れとだけ言えたらどれだけ楽なんだろう
「失敗は誰だってするもんだ、俺だって失敗だらけの人生を送っていた」
「お前は立派にやっているじゃないか、それに比べ俺は先を見ようとせず今だけに向き合っている、それじゃダメなんだって頭では分かっているんだ......」
「今だけでもいいじゃないか、俺だって今を考えての将来があると思う、将来だけ見据えていても今何もしていなければそれはかなわないだろ? 結局今の行動次第で未来なんてすぐに変わってしまうもんだ、その先が成功するか失敗するかなんて誰もわからない、だからな考えすぎるな、今のお前の顔ひどいことになっているぞ」
「その選択で村のみんなが死んだとしてもか?」
「カイン、お前は今何者なんだ? もしも前族長がお前たちを死なせることになったとしたらどう思うかそのことについて考えてみるんだな」
じゃあなとそう言い残して俺は出て行った
「なぁファフニール、一つ聞いていいか?」
「うむ」
「お前、魔法詳しかったよな、例えば臭いとか消す魔法とかあるのか?」
「ん、臭いか、一言でいえばないことはない、だがそれは人間の使う魔法ではないだろう」
どうゆうことだ? 今の言葉全く理解できなかったぞ
人間の使う魔法ではない? つまり相当昔の魔法ということか?
古代魔法といったところか、人間が再現した魔法とはたぶん何かが違うということだろうな
ならば古代魔法をアルネシアが使える?
いやない、俺は彼女の使える魔法は全部知っている、嘘をついている可能性もあるが、まず可能性は低いだろう、あいつは――
なら一つの結論が浮上するかどっちにしてもまだ予想にすぐないが
「ところで連、人間の国に行くそうだな」
「ん、ああそうだな、まだ予定だが行くつもりだ」
「ならばこの我も同行することにしよう」
(ん? 今なんて言った?)
聞き間違いだろうと一応聞き返してみる
「今なんて言った?」
「我も連と人間の国に行き勇者を殺しに行くといったのだ」
「嘘でしょ......」
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