※『戻らぬ日々、帰らぬ心』読了のレビュー
同作者様作品『摩天楼の翳』の敵役である、リカルド・ゴッドフリートの過去の物語。リカルドが何故、あのリカルドとなったのかが、重厚なストーリと読み進めやすい洗練されたテンポの文章で語られます。『摩天楼の翳』を未読の方でも、十二分に楽しめる作品です。しかし、恐らく読み終えた後は『摩天楼の翳』も読みたくなると思います。そちらも是非お勧めしたく思います。
『コールドゲイル』の異名を持つ怜悧冷徹なマフィア組織幹部、リカルドが、たったひとり、心を開いた女性との青春と、その顛末。個人的には、メインテーマの恋愛も勿論ですが、ストーリーの背骨になっているリカルドと父・ミヒャエルとの関係性にも引き込まれました。読んだ方によって、多角的に楽しめる作品だと思います。
同シリーズの魅力あるキャラクタ達にスポットが当たる番外編作品集。これからの展開も楽しみです。