第35話 ゴブリン・シャーマン
「はーい、みんな集合!」
俺がそう言うとぞろぞろと集まってきたのはゴブリンの大人たち。つい先日巣穴を襲われやっとの思いで脱出してきた連中だ。群れの長たるシャーマンは逃走中にひっくり返って頭を打ち死亡、残った連中はアレアの開いたゲートを通じてここに来た。
メンバーは男が三人、女は五人。それだけしか脱出できなかった。
彼らの住まいは今は商会の一階部分。余剰の食糧などを置いている倉庫の一部を部屋に改装し、そこで雑魚寝状態。アレアの部屋から追い出された俺はそこでみんなを集合させる。
「…なるほど、んじゃウチからもシャーマンをって?」
「そうなんだよ、アレアの奴、俺の役目だからって追い出しやがって!」
ゴブリンはみんな知識を共有しているので初めて会うが他人ではない。それだけに一緒に居るのは楽な相手。わらの敷かれた床の上に座り壁に寄りかかりながらそんな話。ここに来たのも昨日の事、だから家具も何も揃っていなかった。
「でも、どうやってきめるんです?」
「んなもん知るかって、だからお前らが決めろよ。勝手に決めて後から文句言われんのはやだし」
「でも王子の役目なんじゃない? アレアはほら、バカだけど、話の筋は通ってるもの」
一人の女がそう言って木のカップに注いだ紅茶を出してくれた。
「まあな、そりゃそうだけど、みんなはどう思う?」
「あたしは良い事だと思うよ? だって王子はあたしたちの王様なんだし、こうやって話だってしてくれる。アレアに勝手に決められるよりいいじゃない」
「まあ、そうだな、死んだババアみたいな性悪がシャーマンてのはもうこりごりだからな」
「「うんうん」」
「そんなひどいの?」
「そうだよ、王子。聞いてくれよ、俺らの群れはさ、あのあたりじゃ一番でかくて、数も多いしホブだっていっぱいいた」
「そうなんだ」
「それだけにシャーマンは他の群れの連中にも偉そうにして、嫌われんのは俺たちじゃん?」
「そうだよね、兄貴、子供の頃はそれでよく文句言われたもん。でもね、王子、問題はそこじゃないんだよ」
「そう、コイツの言う通り、俺らが大人、そうなった時にさ、男が少なくて、俺もこいつらもみんな大変で。なんせ男は引退間際のおっさんが4人、女は年増の連中だけでも10人以上いたし、そのほかにこいつら若い女がやっぱり10人は居てさ、おっさんどもは体力的に無理だからって、みんな俺たちが相手して。なあ?」
「ほんときつかったもんね」
「うんうん、特におばさんたちは欲が強くて」
「だからさ、男を増やせってシャーマンのババアに何度も言ったんだけど、もう、耄碌してたのか全然増えなくて。子供たちだっていい歳の奴がいっぱいいたのにだぜ?」
「そりゃ大変だね」
「俺たちはさ、ツガイにはならないけど一応好みってのあるし、ある意味こうなってホッとしてる部分もあるんだ。連れ出せたのはこいつら若い女だけだし」
確かによくよく見ればここにいる女は顔つきもまあまあ、体つきは色々あるが細身の一人を除いてみなグラマラス。
「あたしらにも好みはあるっての、あそこのちっちゃい奴は流石にね」
「俺らもそうさ、どうせするならおっぱいがデカくて、たくさん子を産める女がいいし」
「無駄うちはやだもんね」
「そうだよ、俺たちだってやりたいことは他にもあるのに」
「うんうん、そうだよな、毎日交尾だけで一日が過ぎちまう、なんか虚しくて」
ゴブリンの男事情も大変だ。
「それで、シャーマンはどうする?」
「うーん、そうだな、王子がこいつらみんな抱いてみて、一番具合のいい奴ってのはどうだ?」
「あ、いいね、あたしは賛成!」
「それなら私かな」
「何言ってんの? 私が一番子を産んでるんだけど?」
「こういうのはね、色気でしょ? それなら私じゃない?」
4人の女はそれぞれ自分に自信があるようでセクシーなポーズを決めてくる。残った細い女はなんか地味。前髪で目が隠れてるし。
「でもよ、シャーマンになっちまったら子作り出来ねえだろ? 数が増えなきゃ他所の連中にバカにされるし」
「そうだよね兄貴、となると、」
「うんうん、こいつ」
そう言って突き出されたのはさっきの地味子。えっ?
「ほら、俺たちはむしろめんどくせえって思うけどさ、王子は人間と同じ生活してるから」
「そうだね、王子、実はね、その子、誰も手を付けてないんだ」
「えっ?」
「体も細いし、なんか地味で暗いし、おっぱいも小さいからね。交尾しても孕まないでしょ?」
「そうね、あのババアも何でこんな子を女にって。まあ、男になってもちんちんちっちゃかっただろうけど」
「「うんうんわかるー」」
「…もう、みんなしてひどい」
「ともかく王子、群れの先行きを考えるならシャーマンにするならそいつが良い。女としては出来損ないだけど」
「うん、性格も面白みはないけどいい子だよ?」
「顔立ちも体つきもほら、人間よりだし、王子の好みなんじゃない?」
ちげーし、全然ちげーし!
「ま、そいつは王子にあげるから。俺らはこいつら。あ、こいつらとやりたきゃいつでも」
「あたしたちの方が良いのは判るけど、シャーマンになっちゃ子が産めないから。したくなったらいつでもいいよ?」
「うんうん、むしろシテ欲しいみたいな?」
「えへへ。王子の子産んであげよっか?」
「ま、実際は誰の子かわかんないけどね。あ、あたし交尾は上手だよ?」
「じゃ、話はこれで決まりだな、俺たちは家具でも作ってくるわ。流石にテーブルくらいは欲しいからな」
「あたしたちはお掃除、それとご飯の支度も。その子は王子のものだから好きに使って」
「そうだぞ、栄誉ある役目だからな。お前は俺たちの長になるんだ」
「頑張れー」
そんな感じでみんな部屋から出て行ってしまう。のこったのは出来損ないと呼ばれた細身の女だけ。えっとどうすればいいの?
「…あ、あの。私、頑張ります、その、ちゃんと、できますから」
そう言って出来損ないは俯き加減で頬を染める。何が? 何を頑張るつもり? そんなときアレアから通信が入った。部屋に来て欲しいと。
黙ったままついてくる出来損ないを連れ、アレアの部屋に。そこにはブスっとしたメーヴも居た。
「あ、お兄ちゃん、シャーマンは決まった? ああ、その子なの? それでね、えっと、じゃーんっ!」
そう言ってアレアは仕上がったばかりの山吹色のローブを俺に見せた。
「あ、いいじゃん。すごく似合ってる」
出来たローブは若いアレアによく似合う可愛い山吹色。フードや袖口などところどころに鹿皮で装飾が為されていて豪華さもある。そして前開きなので中を裸にすればかなりセクシー。
「あ、あんたはこの布、これはガラリアたち、仕様書はここにあるからみんなお揃いのを作るんだよ?」
「…あ、はい」
「それで、アレアとメーヴは今から魔界に行ってくるから」
「えっ?」
「向こうともしっかり話をしておかないと色々メンドクサイでしょ? あと、流石に人が足りないから魔界から連れてこないと」
「あ、そうなんだ」
「…もう、アレアは勝手です。一人で行けばいいのに」
「あんたはポンコツなんだからそのくらいしなさいよ、今日までずっとお兄ちゃんと一緒だったくせに、ずるいし」
「…それは、なんていうか、当然? 彼は私が居ないとダメだから」
「はいはい、それはもう聞き飽きた。で、お兄ちゃんはアレアたちが留守の間にちゃんとガラリアやシェリルの所に行って、その布でローブを作らせる事」
「それはいいけどマーベルは?」
「ああ、マーベルは布をもって部屋に閉じこもっちゃった。なんかすごい顔で作業してたから邪魔しない方がいいよ? 一応マーベルにはアレアから話してるけど」
「じゃ、俺の世話は?」
「その子たちがするでしょ? ともかくちゃんとやっといてよね、こういうのも王としての役目だよ?」
「でも寒いし、」
「もう、お兄ちゃんはホントバカなんだから、その子をシャーマンにすればゲートが使えるでしょ? とりあえずそう言う事だから」
そう言ってアレアはゲートを開き、メーヴを連れて魔界に行ってしまった。あーあ、どうしよう。…出来損ないの地味子は立ち尽くす俺の袖口をちょこんとつまんでいた。
「あ、王子」
廊下に出るとジョバンニとキャシーが部屋から家具を引っ張りだしていた。
「キャシー、どうしたの?」
「ヴォルドがさ、親衛隊の連中が倉庫で暮らすのはあんまりだからって、それでアレアと相談して向こうの巣穴で暮らす事になってね。で、ヴォルドの部屋が空いたからあたしとジョバンニはそっちに。あたしたちの部屋は広いからそこをゴブリンのみんなにってね。下の倉庫じゃ冷えるし」
「そうなんだ」
そう聞くと地味子はうんうんと頷いていた。
「だからこっちの部屋は好きに使って、それでもみんなでってなれば狭いかもだけど」
「…あ、ありがとうございます、みんな喜びます」
「いいって、あたしたちは仲間であり家族なんだから」
ゴブリンは体験が共有されるのですぐさま下から男たちも上がってきてキャシーとジョバンニにお礼を言っていた。
その日は男たちを誘ってみんなで風呂に。ここの風呂は大きく作られていてみんなで入っても大丈夫。
「あー、やっぱ風呂はいいなぁ」
そう言うのはみんなから兄貴と呼ばれている男。彼はホブゴブリンとして生まれ、幾度もの戦いを生き残り大人になったつわもの。それだけに逞しく、頼りがいもあった。
「とりあえずテーブルも作ったし、明日からはここの連中にも手を貸してやらねえと」
少し斜に構えた感じのこの男が歳の順では二番目。細面でゴブリンにしてはカッコイイ感じ。
「そうだね、兄貴も兄さんも何でもできるから。僕は家畜の世話でもしようかな」
最後の一人は優しい顔のショタ系だった。
「ところで王子、なんであいつに手をつけねえの?」
「え、そんな暇ないじゃん」
「俺たちの事は気にしないでくれ、交尾するのは当たり前だからな」
「そうだぜ、王子、あの子はさ、女としちゃ出来損ないだけど、俺たちはあいつを嫌いなわけじゃない」
「うん、人柄は地味だけど悪い子じゃないからね」
「だからよ、早いとこずぶってやっちまってくれよ、他の群れにも行くんだろ?」
「そうだけど、」
「ああ、そう言う事? 大丈夫だって王子、ウチの女は妬いたりしないから」
「あー、それね、メーヴとかめんどくさそうだもん」
「「わかるー」」
「ま、やっちまえばそれでいいさ、ウチの女はさっぱりしてるから、グジグジしたりしねえよ。アレアやルルだってそうだろ?」
「そうそう、気が向いた時に可愛がってやりゃあいいんだよ」
「王子は三人の妻が居るから、そう言うところ気になるもんね」
「ま、人間はツガイになって当たり前だからな。俺たちとは感覚が違うんだよ」
「そうだね、でもさ、おばさんたちの相手はちょっと」
「まあな、ババアどもに使われてるって感じがするから」
「その点今の子たちはいいよね。交尾だけどちゃんと楽しめるから」
「じゃなきゃ助けるもんかよ」
「「だよねー」」
うーむ、これはこれで相当歪んだ世界観だ。
「それよりどうなんです? 王子、メーヴはヴァンプ、マーベルもその眷属でしょ? ウチのアレアと違う感じ?」
「うーん、あんまり変わらない? メーヴは付き合い長いし、マーベルはほら、人柄がいいだろ? アレアはお前たちと一緒、気を遣わなくてすむから」
「そっか、俺は人間の女はあんまり、かな」
「そうだな、俺もちょっと」
「だよねー」
「なんで?」
「色々見てきたが襲った村の連中も、冒険者の奴らもさ、人間の女ってのは口うるさい感じで、姿はいいかもしれねえが別にウチの女に不満があるわけじゃなし、」
「ウチの子はさ、みんな気配りできっから、嫉妬もしねえし」
「そうだね、人間から見れば醜いのかもしれないけど、キレイだからって慣れれば同じでしょ?」
「そういう意味じゃさ、あいつは当たり、気が利くし余計な事は言わねえし、」
「そうだね、俺もそう思うよ。あの子はパッとしないけど優しいしすげえ気が利くから」
「僕はあの事同い年だから子供のころから知ってるけど、昔から気が利くし、器用だし、頭もいい。弓とかすごく上手だったもん」
「ま、俺らからすりゃアレアよりよっぽどマシってな」
「そうだね、アレアはバカだし」
「何でオババもあんな子を跡継ぎに選んだのかな?」
「…だから、そう言う事がねえように、今後は王子が選んでくれる、そう言う話だろ?」
なんか、身内をぐいぐい押してくる。
風呂から上がりリビングで夕食、マーベルは部屋に籠って絶賛作業中。食事も部屋でするそうだ。なので一緒に食べるのはジョバンニとキャシー、それにここの責任者になったアレンとその妻のソフィ。それに俺の横には世話役として地味子がちょこんと座っていた。他のゴブリンたちは部屋で食事をするらしい。
「ほんとずるいよね、自分たちだけ服作って。王子はそういうとこ気が利かないからあたしたちの分も買うでしょ、普通」
「金がないの! あれでメーヴが持ってた金貨もほとんどなくなったし」
「ま、いいけど、あたしたちも次の交易便が来たら一緒に向こうに行って買ってくるから。ソフィやルルの分もね」
「いいんですか?」
「あたしたちは友達でしょ?」
「ありがとうございます」
その後はアレンから現状報告。家の割り振りも住んで、食料の配給も終わり、とりあえずはひと段落。でも現在の鉄鉱石の鉱山、それに木材の切り出し、そう言うもので人員は手一杯。移住してきた人間たちも若い男は運搬の仕事に従事している。残った年寄りや女子供で出来る仕事ではないから増員は難しい。
なのでアレアは魔界からゴブリンたちを連れてくる、そう言う話。そして現在の所このピルナの丘はキャパシティーオーバー。ここにいるゴブリンたちも雑魚寝だし、つれてきた親衛隊も住むところがなく巣穴に、新しく村を興そうにも産業がなければ成り立たない。
ヴォルドたちは山に入ってとりあえず猟を、毛皮と肉があればここの暮らしも向上する。家畜はいるが子を産んで製品化するまではまだまだ時間もかかるしエサも要る。中々思ったようには進まない。
飯を食い終えゴブリンたちの部屋に行く。今日の世話役はここのみんな。絨毯の敷かれた床に直接座り、テーブルの上には酒とつまみ。気を遣わない相手なのでなんだかんだ楽しく飲み、酔っぱらう。隣には地味子が居て、酒を注いでくれていた。
「そうそう、あんた、早速王子に見せてやりなよ」
「…ん、でも、恥ずかしいです、それに、まだ、その、シャーマンじゃないです」
「いいから、そんなの一緒、決まった事なんだから」
そんな感じで話は進み、地味子は席を立つ、次に現れた時には紫色のローブを着ていた。しかも下は裸、パンツだけは穿いてるけど。
「へへ、みんなで作ったんだよ? 色っぽいでしょ」
「あ、うん」
「…その、私、大丈夫ですか?」
「ああ、」
何が大丈夫かはわからないがそう答えておいた。周りの女たちは「良かったね」と地味子に声をかけていた。こうしてドンドン既成事実が積みあがって行く。
とは言えその時には結構酔いが回っていた。元々俺はゴブリンの事を醜いとは思わない。まあ、上級魔族や人間の方がエロくは感じるけれど。
そしてゴブリンの兄貴は赤毛のグラマーな女を侍らせ酒を飲みながらあちこちいじっていた。斜に構えた次男は金髪の一番子を成したという女に跨らせ、腰を振らせていた。三男のショタは交尾が上手と言っていた黒髪の女と快活そうな茶髪のショートカットの女のおっぱいの間に挟まれていた。
ここのゴブリンたちは顔立ちもまあまあ、だがスタイルはみんなよく、すごくエッチ。ムラムラとした俺はいつの間にか地味子を抱き寄せその小さなおっぱいをいじっていた。その地味子は俯きながら俺に跨りするっとローブを脱いだ。
「…王子、して、ください」
そう言って地味子は俺に抱き着き、むちゅうっとキスを。そのまま俺は地味子を押し倒し、好きなように犯していく。
「へへ、流石王子、じゃあ次はこいつも」
兄貴はそう言って自分が抱いていたグラマラスな赤毛を押し付ける。もちろんそいつともエッチした。
「あ、王子、…だめです、私に、…して、くれなきゃ」
地味子は後ろから縋りつき、そのおっぱいを揉みながら腰を使う。そいつが倒れると次は金髪。
「あたしはそう簡単にいかないよ?」
そう言っていたその金髪もKOし、次はお姉さんタイプ。これもあっさり撃沈、最後はショートの女を気絶するまで責め立てる。
「すげえな王子、やっぱ俺らの王だけの事はある」
「うんうん、カッコいいぜ、王子!」
「ほら、最後はビシッと決めて!」
縋りついていた地味子を押し倒し、その中に堪えてきた欲望を爆発させた。
「…王子、私、がんばります、何でも言う事聞きますから」
最後に地味子のそんな声が聞こえ、その薄いおっぱいに顔を埋めながら眠りについた。
翌朝、目を覚ますと側に居たのは知らない人、なんていうか黒髪のゴブリンなのだがかなり人間に近い顔をしていた。
「誰?」
「…王子、私、起きたらこんな風に」
「…お前、地味子か?」
「…もう、地味子じゃないですっ!」
とりあえず身を起こし、湯で浸したタオルで顔を拭いてもらう。そして水を一口飲んだ。
うーん、なんていうか、昨日の地味子は今日は別のタイプの地味子になっていた。昨日までが子供っぽさを残した学生風なら今日の地味子は社会人。おっぱいもそこそこに育ち、全体的に大人びた体。でも前髪はやっぱり長め、伏し目がちな目も変わらない。メガネをかけたら完全体地味子になるのになと思っていた。
「っていうかみんなは?」
「…姉さんたちは朝から水汲みとか食事とか色々あるから、兄さんたちは、領民の手伝いにって朝から出かけて。…その、私は、王子のお側にって」
「そっか、そうだなぁ、お前はノエル、そう名乗れ」
「私はノエル、…判りました、…王子、ノエルは嬉しいです!」
少し違和感を感じながら朝の支度、トイレに行って歯を磨く。俺のイメージではソフィのようなロリ系だったのに。イメージ通りには変身しないようだ。
もっとも夕べは色んな女としたのでイメージがごっちゃになっただけかもしれないが。そのノエルは体中にアレアのような紋様が浮き出ていて中々エッチな仕上がり。顔ツキは元々人間よりだったので肌が緑であることを除けば違いが判らない。
人間でいうなら地味だがよく見ると美人、そういうエロ漫画に出てきそうな感じ。
そのノエルに付き添われ、残り物で朝飯を、もう10時を回っていた。すっかり冷えたオムレツと少し硬くなったパン、それをノエルのおっぱいをいじりながら食べさせてもらう。もうこいつは俺のもの。いつも通りわがままに振る舞う事にする。
「…はい、あーん、…やンッ♡ …だめですよ、もう、そんな触り方♡」
朝飯を食べ終え、部屋に戻る。部屋は家具こそないが暖炉はあるので結構暖かい。寝具も毛皮の敷物と被り物だけ、その部屋の床に座り、ノエルに背もたれのように後ろから抱きかかえさせ、出してもらった紅茶を啜る。
「…私、すごく嬉しいんです、こうやって誰かのお世話を、そう思っても、今までは」
「そうなの?」
「…だって、兄さんたちはいつも誰かと一緒、他には誰も居なかったから」
「ま、お前は俺の世話だけしてろ」
「…はいっ♡」
とっつきづらいが馴染んでみればいい女。男たちが言っていた事は本当だった。
「…王子、今日は何をしますか?」
「あー、そうだな出かけるから支度しろ」
「…はい」
そう言ってノエルは他の部屋から俺のコートやブーツを取ってきて俺に着せた。
「泊りになるかもしれないから下着も」
「…わかりました」
下着や着替えのシャツ、それに靴下などを入れた肩掛けのバッグを用意し俺に持たせる。
「うーん、そうだな、まずはガラリアのとこかな、ゲート開け」
「…はい」
俯いた顔でノエルは言われた通り、ガラリアの居るグラニログ城までのゲートを開いた。
「…行っちゃうの? …ううん、何でもないです」
「あ、布もってこいよ?」
「あ、はい、そうですね」
布を俺に渡そうとするのでスパンっと頭を引っぱたく。
「バカかお前、お前が持ってくるんだよ。バックもお前が持て」
「…えっ?」
「一緒に来るんだよ、ほんとバカだな」
「あ、はいっ! お供します!」
「ちゃんとお前も下着もったの?」
「あ、ごめんなさい、すぐ、」
いったんゲートを閉じて、ノエルはわたわたと支度を始め、足元には長めのブーツを履いた。そして再びゲートを開くとぎゅうっと体を押し付けるように腕を組みゲートをくぐる。
ついた先はグラニログ城の中庭。相変わらず城はボロボロ、外は寒いので屋敷に行ってみたが誰もいない。とはいえ勝手知ったる屋敷である。リビングのソファーに座りそこでガラリアに通信を。
「ガラリア、どこにいる?」
『…あ、王子。今は鍛冶場の方に』
「お前の屋敷に居るからすぐに来い」
『えっ? こっちに、わかりましたすぐに』
ここの屋敷は以前俺たちが住んでいた。その時に残していった調度品もあり、新しく作られた家具類も。結構充実していた。
「すみません、出迎えもできず」
バタバタと走って来たガラリアはそう言って頭を下げ、俺の脇に立つノエルを見て怪訝な顔をした。
「…王子、その子は?」
「ああ、5号ダンジョンの近くの群れが襲われてな、そこから逃げて来た連中を俺のとこに。シャーマンも死んじゃって、コイツが次のシャーマン」
「…ノエルといいます、その、…今は、王子のお世話役を、」
「…へえ、あんたの群れは大きかったのに?」
「知ってるの?」
「私たちはあちらに、同じように襲われて。けれど彼女の群れは大人をあわせて200近くいたはずよ?」
「…よくわからないですけど、あちらではそう言う魔物退治に力を入れているみたいで、私たちを襲ったのは軍隊でした」
「…軍が?」
話を聞いてみれば5号ダンジョンはヴァレリウスではなく、その向こうの共和国と呼ばれるところにあり、そこは魔物一掃キャンペーン中。
「万が一5号ダンジョンが攻略されるような事があれば魔界もいよいよってところね」
「はい、アレアさまはその件もあって今は魔界に」
「…そう、判ったわ」
ちなみにゴブリンの意思疎通は基本、同じ群れだけ、そこのシャーマンを通じてアレアに知識が集約されていく。アレアはその中から必要な情報や知識を全体に知らせているという。ノエル達はシャーマンが居なかったのでアレアの知識にはならず、当然ガラリアも知らなかった事、ちなみにガラリアはノエル達の前のシャーマンは大嫌いだと言っていた。
「まあ、それはそれさ、今はこうして一緒なんだから。それよりノエル、」
「あ、はい」
ノエルが出した布をガラリアに見せた。
「これは?」
「コイツのローブと同じ布、お前のローブもボロボロだろ? これでお揃いのを作れ」
「…それは、王子の意思ですか?」
「えっ?」
「…だって、その、見ようによってはあなたのもの、そう言う事を示す為、他のシャーマンとは違い、あなたの直属、」
「…私は、そう思ってます、私たちの長はアレアさまではなく、王子です」
「…そうよね、私もそう思うわ、…王子、嬉しく思います。これよりこのガラリアはあなたの忠実なしもべ」
「そう言うのメンドクサイ、いいからこっちこい!」
ちょっと不服顔のガラリアを側に招き、立ち上がってぎゅうっと抱きしめる。
「…ンッ♡ …王子」
「これまで俺はお前たちへの踏み込みが足りなかった。俺が王子だから、お前たちは眷属だから、言う事を聞いて当たり前、そう思っていた」
「…今は、どうなのですか?」
「今はお前たちは俺の家族、オババがそうしてくれた。だからこうして踏み込むし、愛してもいる。大事にも思うさ」
「…よいのですか? そんな事を言って、私たちは下級魔族、上級魔族に従って当然の存在なのですよ?」
「だったらその認識を改めろ、俺はもしかしたら魔族でさえないかもしれない。判っているのはあの父、ヴァレンスの息子であることだけ。だから俺は父の教えに従って生きていく」
「…その教えとは?」
「気に入らない奴はぶん殴る、好きな奴は愛してやる、そう言う教えだ。だからお前らは俺だけの事を考えろ、それ以外は許さん」
そう言ってガラリアをテーブルに押し付け、バックから激しく犯した。事を終え、しばらくするとガラリアは姿を変えていく。元々ゴブリンにしてはいい女、そう思っていたが、今は黒髪の上品な人妻みたいになっていた。その体にはやはり紋様が浮き出ていた。
「…王子の愛が沁みて、私は姿を変えたのね。…あなたの力強い言葉、それに愛、もう、後戻りなんかできないわ」
「…多分、私たち、ゴブリンじゃなくて、違う生き物になってしまったんです」
「…そうね、ノエル。私たちはヴァレンスの眷属、そう言う生き物」
「…ここに、来る前、王子が出かけると言った時、寂しいと感じました。置いて行かれる、そう思ったら辛くて、今までそんな事、思った事もなかったのに」
「…判るわ、今までの私たちは一族、そう言う大きなものの中で、部品の役割をしていた。考えるのはクイーンだけ、私たちは言われた事を、効率を良くするため知識を与えられて、その分何も感じない」
「…はい、仲間が死んでも何も、今もそれは変わりません、でも、」
「王子の事は違う」
「…そうです、今、あなたが抱かれているのを見て、すごく嫉妬しました、初めて感じる気持ち、知識としては知っていても要らなかった感情」
「…私も同じよ、あなたの若さに、純潔さに嫉妬してる。私は子を産みシャーマンになったから。初めてが王子、王子しか知らない、そう言うあなたがうらやましい」
そう言う二人を左右に抱き寄せ好きなように触って行く。今回は想定通り、ガラリアは好みの女に進化した。そのガラリアは群れの女を呼び出してローブを作るよう命じると俺たちと一緒に風呂に入る。ここは元々城の使用人が暮らしていた屋敷、だから風呂もたくさんの人が入れる作りだった。
「でもさ、ここにダンジョン作ったところでいずれまたマナ不足になるんじゃない?」
「…そうですね、でも、そうしなければ権益を守れない、だからやらねばならないの」
「権益ねえ」
ガラリアは丁寧な言葉遣いだがべったり体を寄せ、俺におっぱいをいじらせる。元は人妻、いや子供を産んだ女ゴブリンなので色気と言うより妖艶さを感じる。それでいて上品で、清楚さも。綺麗な友達のお母さん、そう言う感じ?
それを見たノエルは少しムッとした顔をして負けじと俺に体を寄せる。こっちは新卒の社会人、男も俺が初めてで不慣れ、そんな感じ。
その夜はガラリアの部屋でそんな二人を侍らせ一夜を過ごした。
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