三月中旬


弥生(2020/3/15)


 源流を目指して川沿いを自転車で走る。枝垂柳の花が咲いている。薄緑色の穂のような花である。指先で触れてみると黄色い花粉が付着するので雄花だろう。柳の仲間は雌雄異株。雄花と雌花は別々の株に分かれて咲く。花は開き始めたばかりの新芽に紛れて遠目からではわからない。透明な日差しに映える柳を見ていると、春だなあという気がしてくる。

 太陽は雲から出たり入ったり。日差しは春でも空気にはまだ冬の冷たさが残っている。せっせと自転車を漕いでいてもなかなか体が温まらない。


 燕が今年も渡ってきた。気の早いイワツバメは川面を舐めるように飛んでいる。今年もまた橋桁に巣をかけ、数十羽のコロニーを作るだろう。


 冬鳥はもう暫し残ってくれる。雑木林はまだ賑やか。

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