四月下旬
卯月(4/25)
玄関に脚高蜘蛛が現れた。十センチはあろうかという大物。目が合う度に一瞬ドキリとするが、脚高蜘蛛はゴキブリを食べると言う。脚高蜘蛛よ、どうか今年も宜しく頼む。不快害虫などという酷い差別用語を、決して口にしないから。
縁側の外に紫のクレマチスが咲いた。クレマチスは蔓性の植物。花弁の大きな花で、長細い苺のような形をした蕾が、いくつも上に向かって伸びている。饅頭みたいにこんもりと繁ったクレマチスの周りを、蜜蜂が行ったり来たりしている。
何故だかこの植物を見ていると、ビオランテというゴジラ映画の怪獣を思い出す。彼の怪獣のモチーフは薔薇だったはずだが、ぷっくりと膨らんだ沢山の蕾が、今にもがばっと口を開けて、周りを飛び回る虫や小鳥を呑み込んでしまいそうな、妖しげな雰囲気がある。
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