2章 クラウドファンディングで収益モデルを獲得できるか考える

 支援を募り目的を達成するための費用を集めることができる、『クラウドファンディング』を例に考えてみましょう。


◆クラウドファンディング概要◆


 クラウドファンディングでは、「◯◯を実現するために費用を集める」という目的が必要になります。その目的を応援したい人がそのファンディングに支援を行って、リターンを得ます。

 たとえば、「バンドのミュージックビデオを作成したい」というファンディングを立ち上げて、支援した人にはリターンとしてミュージックビデオの動画をプレゼントしたり、スタッフリストに支援者の名前を記載したりします。

 好きなミュージシャンを応援できて、リターンがもらえるというのがファンには喜ばしいことなのです。


◆WEB小説でどうやってファンディングをおこなうか◆


 クラウドファンディングでの収益モデルを、WEB小説に当てはめてみます。

 本来は実現するためには費用が必要で、その費用を募ることになります。しかしWEB小説サービスで、WEB小説を書くためのファンディングを募って賛同がえられるのでしょうか。


 今後の活動費支援のため(取材費など)支援してほしいという理由でファンディングを立ち上げても、実質生活費が欲しいと伝えているようなものなので、あまり資金は集まらないでしょう。

 ですが、こういうのはどうでしょう。


 『WEB連載している作品を書籍化するための費用を集めたい』


 カクヨムなどで連載している作品を書籍化するため、支援を募るというものです。

 その作品のファンであれば、作品に対して支援をおこないたいというファンもいるはずです。

 すでに人気を得ている作品・執筆者であれば、一定数のファンがいることでしょう。自分の知っている作品を有名にしたいという想いは、ミュージックビデオを作成したいミュージシャンへ支援するのと同じものなはずです。

 そのファンの方達の協力をえて、一緒に作品を書籍化するというファンディングです。


◆電子書籍がおすすめ◆


 紙媒体での書籍化であれば、印刷費用がかかったり本の在庫を抱えることになりますが、「電子書籍」であれば、費用を抑えることができるうえ、たとえ売れなかったとしても在庫を抱える心配がありません。


 クラウドファンディングで集めた費用で、イラストレーターにイラストを書いてもらったり、デザイナーに本のデザインを考えてもらうこともできます。

 WEB小説サイトで公開しているものとは違う、挿絵付きの小説を提供することが可能です。


◆収益金額見積もり◆


 電子書籍を発売した場合、その書籍が売れればその分だけロイヤリティが入ってくるので、

 ①WEB小説を執筆し、作品のファンを増やす

 ②クラウドファンディングで費用を集める

 ③電子書籍を発売し、利益を得る

 という流れを繰り返すことになります。


 AmazonのKindleストアに公開し、1冊売れて受け取れるロイヤリティは35%です。(※35%プランの場合)

 1冊の値段を350円で設定した場合、約122円の利益になります。1000冊売れた場合は、12万2千円ほどの利益になります。


 上記はあくまでも書籍が売れることを前提にした話です。

 しかし、書籍が売れなかったとしてもクラウドファンディングで支援されれば、

 「WEB小説サイトで◯◯PVを獲得。クラウドファンディングで◯万円を集めた作品が書籍化」

 というキャッチフレーズをつけることができます。

 書籍は買わないけど、無料でサイトで読めるなら読んでみたいと興味をもつユーザーもでてくるのではないでしょうか。


 一定数のファンがいる方であれば、クラウドファンディングで収益を得てみてはどうでしょうか。

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