3rd
朝、昨日と同じように学校へ行き、昨日と同じように学校へ帰っている途中に人とぶつかってしまいました。
慌ててごめんなさいと謝り、ぶつかった相手の顔を見て言葉を失う。
「叶姉………?」
叶姉はまだ学校にいるんですから目の前の方が叶姉なわけないですわ。着ている制服も叶姉が通っている中学校の制服とは全然違いますわ。
けれどどこからどう見ても叶姉にしか見えないのです。
「えーと、私ね。叶じゃないの」
「では一体誰なんですの?」
「私は、
刹那さんに怪訝な視線を剥き出しに警戒心を露にする。
「なんて、いきなり言われても困惑するよね………」
「まず何故苗字がが違うんです?」
「両親の離婚で、私は母に引き取られたから苗字が変わってるの。叶に訊けば分かると思うから。私急いでるから叶に、この紙渡しといて」
一枚のメモ用紙を手に持たされる。
「あっ!!ちょっと!!」
呼び止めるがそのまま行ってしまう。
「…………………叶姉の家に帰って直接叶姉に訊いた方がよさそうですわね」
家に帰って叶姉訊いてみると
「刹那望って私に似た女が名乗ったんだね?制服はブレザータイプの制服だった?髪型は普通に髪を下ろしてた?」
鬼気迫った様子で質問責めにされた。
「確かに刹那望って名乗ってましたわ。叶姉の言う通りブレザータイプ制服を着ておりましたし、髪は下ろしてたましたわね………」
叶姉は口に手を当て暫く考え込むと、ゆっくりと口を開いた。
「そいつは確かに刹那望だ。私の血を分けた双子の姉妹だ。腹立つことに」
「仲が悪いんですのね」
「お互い憎み合うくらいにね──────香織も次見かけたら逃げなさい」
どういう意味ですか?とは訊けませんでした。
どういう意味か理解できたからでした。
要注意人物だということが理解できたからでした。
「メモ用紙なんて書かれてるの?」
渡されたメモ用紙を掲げながら
「この番号に電話しろと書いてありますわ」
凄く癖の強い丸い文字で書かれた電話を見せつけた。
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