2nd

学校が終わり叶姉の家に帰る。

「お腹空きました。オムライスが食べたいです」

と言えば叶姉は渋々と立ち上がり

「ささっと用意しちゃうから香織は皿準備して」

言われた通りお皿を棚から取り出そうとして

「あっ…………」

お皿を落として割ってしまう。

「大丈夫?!」

「大丈夫です。お皿………」

「皿なんて買えばいいよ。それより本当に怪我したりしてない?」

「してませんわ」

「危ないから私が片付けるね。えーとビニール袋と新聞紙と掃除機持ってきて」

「はい、ビニール袋は一枚でいいですか?」

「一応二枚」


この時は私は知りませんでした。(お姉ちゃんがいないから)満足とは言えませんでしたけど、それなり叶姉とバカやっておじさんに怒られたりする日々が、いつまでも続くと思っていたわけではありませんでした。

ただもうしばらくは続くと思っていた日々が突然終わりを告げることを─────


窓に気になる人影。

あれなんだか叶姉に似て───

「?」

「どうしたの香織?」

「いいえなんでもありませんわ」

今、窓から叶姉っぽい人が見えた気がしましたけど、叶姉はここにいるのですからきっと見間違いですわ。

第一叶姉は、あんな可愛らしいレースがあしらわれた服なんて着ませんわ。

いつもジャージの上着に動きやすさ重視の短パン穿いている叶姉が、あんな可愛らしさの塊のような服を着るときなんて何の罰ゲームとかでない限りあり得ませんわ。


そう思いながら、出来立てほやほやのオムライスを食べた。

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