4th
叶姉は一瞬顔を歪め舌打ちすると
「近くのコンビニに公衆電話であったよな…………テレフォンカードは千円分あるな…………あそこなら五分で着くな………」
ぶつぶつ呟き始める。
「ちょっとコンビニに行ってくるわ」
「いやいやいや、家の電話使えばいいのでは………」
「私のスマホ使うとヤツの携帯に電話番号が残るし、家の電話番号も残したくない」
「なるほど…!」
どんだけお互いのこと嫌いなんですか……。
「行ってくるね」
叶姉はジャージを羽織って面倒くさそうに家を出た。
三十分くらいすると家の電話が鳴るので出る。
「もしもしどちら様でしょうか?」
「あんたの叶姉よ~」
「叶姉?どうしたんですか?」
「ちょっと遅くなるね。刹那家でなんか色々あったみたいなんだよね~」
「刹那─────」
刹那望さん──────叶姉の双子の妹さんの家。
「遺産関係ぽいんだよね~」
「そうですか」
「面倒にならなきゃいいんだけど………………」
「そうですね」
叶姉は電話を切った
三時間後、叶姉は帰ってきた。
「眠そうな顔してますね」
「ちょっとね。なんか色々あって疲れちゃってさぁ」
叶姉は、はぁ~と欠伸をした。
よっぽど疲れたのが目に見えて分かりました。
「今日はもうお休みになられた方がいいんじゃないですか?私の夜ご飯なら自分で作れますので心配なさらずに」
叶姉は、ゴメンねと言うと階段を上がると、やっぱりかなり疲れているのか隣の私の部屋に入りそうになる。
「叶姉の部屋は隣ですわよ」
「間違えた……」
ふらふらとした足取りで部屋に入ると布団に泥のように転がり込んだ。
「おやすみなさい叶姉」
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