12th

「はぁはぁ」

息切れするのもお構いなしに私と雨海は叶さんのいるであろう場所に向かって走る。

「どうせ今回も、とっくに死んでるんだろうな」

「彼女が他に殺されるくらいならこの手で止めを刺しますよ」

お互い息切れしながらの会話である。

「江実さん狂ってますね。何回も摂津先輩が死ぬ場面見たせいなんでしょうけど」

まさにその通りだから否定はしない。

「傍観決め込んでいる雨海には言われたくない」

いつの間にか目的の場所についていた。

「あーあー」

「やっぱり」

叶さんの死体が転がっていた。

「この血…」

「あぁ路地裏の方に続いてるっすね」

叶さんは抵抗こそしたが無意味に終わっているのが死体と現場の状況から明白。

少しだけ動いたりはしたんだろうけど満身創痍の身体では対して何も出来なかっただろう。

「犯人の血ですね」

「辿ってみるかい?」

「そんなつもりないくせに」

「…………………また次があるから。無理に追う必要性はない。犯人なんてもうとっくの昔に知ってるし、次に期待しよう」

「結局あんたも人のこと言えないじゃないですか」

隣の幼馴染の減らず口には感心する。

「貴方よりマシです」

とりあえず警察に電話して、叶さんを見届けよう。

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