12th
「はぁはぁ」
息切れするのもお構いなしに私と雨海は叶さんのいるであろう場所に向かって走る。
「どうせ今回も、とっくに死んでるんだろうな」
「彼女が他に殺されるくらいならこの手で止めを刺しますよ」
お互い息切れしながらの会話である。
「江実さん狂ってますね。何回も摂津先輩が死ぬ場面見たせいなんでしょうけど」
まさにその通りだから否定はしない。
「傍観決め込んでいる雨海には言われたくない」
いつの間にか目的の場所についていた。
「あーあー」
「やっぱり」
叶さんの死体が転がっていた。
「この血…」
「あぁ路地裏の方に続いてるっすね」
叶さんは抵抗こそしたが無意味に終わっているのが死体と現場の状況から明白。
少しだけ動いたりはしたんだろうけど満身創痍の身体では対して何も出来なかっただろう。
「犯人の血ですね」
「辿ってみるかい?」
「そんなつもりないくせに」
「…………………また次があるから。無理に追う必要性はない。犯人なんてもうとっくの昔に知ってるし、次に期待しよう」
「結局あんたも人のこと言えないじゃないですか」
隣の幼馴染の減らず口には感心する。
「貴方よりマシです」
とりあえず警察に電話して、叶さんを見届けよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます