7th


「お邪魔しま~す」

我が家に神崎を招き入れる。

「その人誰ですの?」

香織から当然の疑問。

説明しないとな─────

「叶ちゃんの彼氏だよ」

「えっ!?叶姉に彼氏!!」

「違うから!性質たちの悪い冗談言わないでよ神崎………!」

「あっ嘘なんですのね」

「ははは摂津ちゃんカワイー」

笑ってんじゃねーよ神崎。

香織に変な誤解を与えないでくれ。

「叶姉。そちらの方は一体なんなんですの?」

「友達」

「何故こんな時間に?」

そりゃそう思うよね。私も香織と同じ立場なら同じこと思うよ。


「家に鍵を学校に忘れて家に誰もいなくて締め出し状態になりを強制的に野宿しなければならない状態になってしまったその人を帰りに私が発見し、可哀想なり自宅に今日だけ叔父さんに話を通して泊めてあげようということになったで分かる?」

本当の事を話すわけにもいかないので嘘を言った。

「あらそうなんですの。災難ですわねえーと」

香織は神崎を凝視する。

名前分かんなくてどう呼べばいいのか困ってるのか……

神崎もそれに気付いたらしく香織と目線が合うように少し屈みながら

「神崎勇気。摂津ちゃんの友達だよ。さっきは摂津ちゃんをからかう為に変な冗談を言ったけど気にしないでね」

軽く自己紹介した。

「私は茅ヶ崎香織です。叶姉の妹ですわ」

胸を張って言う。

「摂津ちゃんって妹いたんだね。でも名字違うね……」

「うん。親友の妹だけど私にとっては可愛い妹だよ」

「ええなあーそういうの」

羨ましそうに呟く神崎。

神崎は兄弟いないもんな。

「うん────あっ叔父さんにまだ神崎のこと連絡してなかった!」

慌てて叔父さんに連絡する。

叔父さんも直ぐに頷いた訳ではない。軽い紆余曲折があって最終的に

「そういう事情なら仕方ないね」

と、OKの返事を貰った。


オムライスを作る。

料理は人並み程度にはできるけどオムライスだけは、よく香織作るからここ数年で異常に上達したよな。

「できた」

香織はオムライスが出来上がるのが待ちきれなくて皿とスプーンを人数分用意していた。顔がキラキラしてる。

用意された皿にオムライスを盛り付ける。

オムライスだけは異常に出来がいいんだよな…………

成績もオムライスのように上がればいいのに。

「美味しそうだね」

「叶姉のオムライスはとっても美味しいんですのよ。ほらほら神崎さんも食べてみて下さいませ。このオムライスを食べたらファミレスのオムライスなんて大したことないって思うようになりますわ!」

早口で神崎に香織が自慢げに捲し立てる。

お前ファミレスに失礼だぞ!ファミレスのご飯充分美味しいだろうよ……

神崎がオムライスを口に運ぶ

「美味しい……」

神崎が電流が走ったみたいな顔してる。

「そう言ってくれると嬉しいよ。作った甲斐があったよ」

黙々と神崎は食べ進め食べ終わったかと思うと

「美味しいからおかわりいいかな?」

「!どんどん食え食え」

少食の神崎が珍しい。

香織はオムライスは絶対おかわりするけどね。



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