5th

何をしてもニュースのことが、夢のことが、頭から離れない。

録画した番組も内容が全然頭に入ってこない。

あぁもう!

「色々ウジウジ悩んでるなんて私らしくない────それに『悩むより行動せよ』叔父さんがよく言ってたじゃない」


さっそく私は行動した、といっても大したあれじゃないけどね。

今わかってることを箇条書きで

・夢の内容とほぼ同じことが起こった

・夢とは事故の起きる日と被害者が違う

・夢では五月十二日に私が事故に巻き込まれ死亡

・実際は五月十四日に見知らぬ女子中学生が事故に巻き込まれ死亡

といった具合にまとめる。


今わかってることから二つの仮説を立てた。

一つ目『時期、登場人物以外の点では信憑性の高い予知夢』

正直なところを言うと二つ目の仮説よりはあり得そう。

予知夢に関しては世界中でいくつか例がある。


二つ目『あれは夢ではなく実際の起きている事案』

予知夢とは違うけどパラレルワールドは実在するなんて一部じゃ言われてる。

可能性はゼロではない。


どっちらの仮説も間違っている可能性のが高い。

悲しい話、この世に絶対なんてない。

でもこんな状況で自分まで疑い出したらキリがない。

他の人たちは信じてくれないかもしれないけど私は私を信じよう。

私だけは私を信じて裏切らないであげよう。


「叔父さんにこんなことを話した日には精神病院連れてかれるのが目に見えるしな」

叔父さんは仕事の関係でオカシイ人たちを沢山見てるから仕方ないのだ。

「こんな話を真面目に聞いてくれそうな奴なんて──────いたじゃん………」


今は十五時二十一分。

「あいつが自宅に到着するのが早くて十七時か………」

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