二話
朝、目を覚ましてから手元にあるスマホに電源を入れてから時間を確認する。ディスプレイに写し出された時間を見てみる。
ふむ、8時40分……終わった……遅刻確定コースじゃねえかよ……
とりあえずいそいそと重いからだを起こしてから、布団から離れていく。
くっ!布団よ、お前ともしばらくの間の別れだ……などとバカなことを考えながら部屋を出てから、階段を下りてから一階のリビングに入った。
リビングに入り、机の上を見ると、朝飯のおかずがラップで包まれていた。
すると近くにあった紙が目に入った。
「えーと、なになに。お兄ちゃんへ。気持ちよく眠っていたので起こしませんでした。朝ごはんは温めてから食べてください。P・P お兄ちゃんの愛しの妹の
おい、ちょっと待て。ツッコムところありすぎだろ……
まず、起こしに来たなら起こせよ!そして、P・Pって何?あいつ過去分詞形なわけ?
あと愛しのって何?変なこと書いてんじゃねえよ……
妹のバカさに呆れながら朝飯を食べていく。
俺の家族は、父親と母親、そして長男の俺と弟の
亮は現在中学二年生で思春期真っ只中である。妹の波瑠は俺の一つ下で高校一年生である。ちなみに妹と俺の通っている高校は同じだ。
朝飯を食べ終えてから、現在の時間を確認する。
9時25分か……三時間目から行くか。
とりあえず学校に行く準備を済ませてからスマホでソシャゲをしながら時間を潰す。
遅刻が確定した時点で一時間も二時間も変わらんだろ。
俺はとりあえず昨日のうちに用意をしていたバッグを取りに二階へと上がり、特にすることもないのでスマホの電源をつえてから適当に暇を潰していく。
思ったよりも集中してしまい、気づけば10時を廻っていた。
「ん?……やっべ!もう10時過ぎてんじゃん!」
急いで制服に着替えてから、バッグの中に弁当を入れてから家を飛び出していく。
「あっ!鍵閉め忘れるとこだったわ」
鍵を閉めたのを確認してから、マイ自転車に乗ってから学校へと向かう。
ヒーメヒメ♪と鼻歌を歌いながら、弱虫ペダルの小野田くんばりのケイデンスで漕いでいく。
うおおおお、突破するきゃないショ!……これは巻島先輩でした。てへっ。
時間が時間なためか、道を通る車や人が少なかった。というか、むしろ誰もいないまであった。
俺の通っている第八高校はこの辺りではそこそこ偏差値が高い高校で、そこそこ有名な進学校として名がとおっている。
一学年約250人ほどで、六クラス編成で出来ている。
二年生に上がる際に文理選択が行われるため、二年生になるとその結果でクラスが分けられる。
一組がいわゆる特進クラスと言い、難関大学を狙っている人たちのクラスだ。二組は文理混合クラスで、裏の特進と言われている。三、四組が文系クラスで、五、六組が理系クラスである。
つまり、俺は文系のため文系クラスである四組というわけである。
しかし、昂揚していた気持ちも学校の校門が見えると、一気に萎んでいくのが分かった。
……やっぱり学校に行くのやだなー。遅刻してくるとか罪悪感が半端ない。今すぐ帰りたい……
自分の気持ちとは裏腹に校門をくぐってしまった。
昇降口で靴とスリッパを履き替えてから、二年四組の教室へと向かう。
はぁ、教室に入りたくねぇ……
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