オタクが嫌いなあの子にオタクを好きになってもらうまで

春夏秋冬 暦

一話

 好きなことについて

          二年四組 神村裕貴かみむらゆうき

 

 オタクという言葉を聞いたことがあるだろうか?

 誰しも生きていれば、この単語を耳に入れるだろう。

 オタクとはもともと何かの趣味に強く没頭する人のことを意味するが、特に決まった定義はない。

 だから何かの趣味に強く没頭する人は皆オタクである。なので、オタクはステータスである。

 しかし、現代ではオタクというだけで「きもーい」や「近寄らないでくれる?オタクが移るから(笑)」などバカにされてしまうようになってしまった。

 確かにオタクで気持ち悪い人もいるだろう。だが、オタクじゃなくても気持ち悪い人はいるだろう。

 なのに今ではオタク=気持ち悪いでありながら、気持ち悪い=オタクということにもなっている。

 しかし、イケメンでオタクの人はありらしい。  

 結論を言おう、こんな世の中は間違っている。オタクをバカにするやつらは神アニメを見て、神ゲーをしてから言え!


「こんなもんでいいだろ」


 俺は書いていた課題からペンを置く。

 今俺が書いていたのは、「自分の好きなことについて」という課題だった。

 俺はアニメやマンガ、ゲームが好きでいわゆるオタクである。

 ちなみに一番好きなアニメは「交響詩編エウレカセブン」で、マンガは「スラムダンク」で、ゲームは「ファイナルファンタジー」である。

 大体は有名作品なのだが、俺の好きなアニメである「交響詩編エウレカセブン」は、周りにあまり知っている人がいない。

 なんでだよ!エウレカセブン面白いじゃんか!なんで知らないんだよ!

 ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられんってな。

 そんなことを思っていると部屋のドアを誰かがノックした。


「入っていいぞ」


「兄ちゃん、ゲーム借りに来たんだけど」


 そういって俺の部屋に入ってきたのは、俺の弟のりょうだった。


「あぁ、別にいいぞ。好きなやつを持っていけ」


「サンキュー」


 亮は俺の部屋にある棚からゲームを見ていた。

 すると、亮は俺の机の上にある紙を見つけてから、俺の課題を取って読み始めた。

 そして、読み終えると、俺の方を見てものすごく微妙な顔をしていた。

 その状態がしばらく続くと、亮が口を開いた。


「兄ちゃん、これはなに?」


「俺の課題だな」


「うん、そうだけどなんでこんなこと書いてんの?」


「でも、課題には添ってるだろう?」


「まぁ、そうだけど……これはさすがに再提出くらうと思うからやり直し」


「そうかー、ダメかー」


 亮から課題を返してもらいもう一度筆を持って書き進める。

 書ける、書けるぞー!ジョジョー!

 その調子で俺が書いている間に亮はゲームを選び終えてから部屋を出ていった。

 はあー、課題は面倒だなー。

 好きなことについて当たり障りの無いことでも書いておくか。

 ええっと、最後はこれで終わらせとくか。

 __やっぱり三次元なんかよりも二次元は最高です。

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