ドアを開けるとエベレスト

若い人はいいわね

今のうちに人生楽しまなくちゃ


気軽にそう言う人は

楽しい人生だったのでしょう


年に関係なく

辛い思いをしてきた人を

知らないのでしょう


老いよりも早く

カラダが壊れる


そんなこと知らないのでしょう

頭にないのでしょう


人生山あり谷ありと言いますが

生まれた時からエベレストに

放り出された人

あなたは知らないのでしょう


登るも降りるも出来なくて

その場で寒さにひたすら耐える

そんな人生知らないのでしょう


一面に咲いたネモフィラの青と

春の柔らかい陽気に包まれた丘を進む


コキアの紅葉を愛でながら

涼やかな風を纏いながら丘を歩く


そんな丘はどうですか?

天変地異でも起きればいいのに


そう思ったこともありました


だけど丘を歩いた人達は

天候不良もあったでしょう

丘を越えて沢山の人と出会い

数々の別れを経験してきたのでしょう


その人達の人生は経験できない

私は二度と登れない


だけど

その両者が交差する

そんな機会を

私は持ちたい

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ひとりぼっちの体育 富田 うさぎ @tomochansan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ