第38話
横浜ホテルで横浜ドルフィンズの新人入団選手の発表記者会見が行われている。ドラフト上位から順番に紹介されていく。
ドラフト七巡目の猛が登場しカメラのフラッシュが光る。猛の背番号は11背中に込められた右のエースという期待がが重い。しかし、この背番号に込められた本当の意味を知っているのは首脳陣以外誰も知らない。
八巡目背番号77をもらった僕の登場でシャッター音は嵐に変わる。光の中、ユニホームに初めて袖を通した僕たちはガチガチに固まっている。
順番に入団の抱負をマスコミの前で発表していく。昨日、夜遅くまで自己紹介の準備をしていたはずだが口から出た言葉は
「ドルフィンズのフぃうアンに愛されるように頑張りまちゅ」
僕の顔が茜色に染まる。噛みまくりました。
帰り道、猛に誠ちゃんも緊張するんだといじり倒される。
「今夜のニューちゅは要録画だね!」
「やめてください~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
輝かしい歴史の一ページとして始まるはずが黒歴史になってしまった。人生とはままならないものである。
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