第2話
俺はいま生臭い乳をがぶ飲みしている。半年して初めて自分は誠という新たな人生を歩んでいることに確信が持てるようになる。
電化製品と両親から漏れ聞こえる会話から異世界ではなく現代社会に転生したことを認識。どうやら意識を失ってから時間が続いている感じだ。
ズリバイをせずハイハイを始める姿を見て天才だ! と俺の周りの評価はウナギ上がりだ。母だけはこの子はおっぱいを飲みすぎるとぼやいていたのだが。
首が座るまでの半年間俺は色々な人生設計を模索していた。現地点で言えばはっきり言って超勝ち組ルートを選択できる、しかし、俺の頭の中にはプロ野球選手になりたいという思いまでも引き継ぎ、これ以外の選択を選ぶことが出来なかった。
今できることは身体の基礎を作ること。栄養をとって十分休息をとる。そう……ただの赤ちゃんだwww。
現代一流になるスポーツ選手のほとんどが子供の頃からの英才教育。天才と呼ばれて大人になる頃にはただの凡人になることは子供天才あるある。
しかし、俺はどうしたら野球が上手くなるということは完全に把握している。怪我さえしなければプロ野球選手になることは夢ではない。いや、手が届いている。簡単な栄養学、身体の鍛え方、危機の回避、過去の記憶というアドバンテージはかなり大きい。
今は飲んで食って眠るという自宅警備員を満喫するだけだ! 人生万歳! 神様ありがとう!
けれども両親のイチャコラをあと半年以上横で見続けないといけないと思うと、将来俺の子作りは上手くいくのかと少々不安ではあった。
俺は誠という新たな人生を歩めたことを神様に感謝した。ハイハイを始めて親が見ていないところでは筋トレをするという世界最強の赤ちゃんになっていることを実感していた。
よく寝て、よく食べて、よく笑う。そしてあまり泣かない、完全無敵な自宅警備員生活を満喫していたが一つだけ我慢できないことがあった。それはおむつだ。おむつプレイが嫌なのではない。汚れたおむつをすぐに替えられないのはさすがに苦痛だ。夜中に泣いて両親を起こせばいいだけなのだが彼らが一日中働いて、さらに一戦交わってくたくたになったところを起こすのは忍びなかった。
膀胱機能が発達して重たい紙おむつとおさらばするのに一年かかってしまった。周りのママ友にどうしてしつけたのと聞かれるたびにあたふたする母に申し訳ないと心から詫びた。
おまる生活二週間目ふと疑問に思うことがあった。なんというかおしっこがはじくのだ……。違和感を覚えて数日俺は泣き叫ぶ。
普段泣かない俺だったのですぐに病院に連れて行かれて大泣きする理由が分からない先生を困らせた
「先生ちんこをつけてください」
これは神様のイタズラで女性に生まれ変わった野球少女の物語。
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