第4話
《いやぁー、凄かった。皆、呆気に取られているから説明をしてやってくれ。》
「.......食べながら聞いてください。まずは僕の生い立ちから説明したいと思います。僕は、とあるこの世界の英雄を排出する名家のところで生まれました。ですが、流石は名家。弱肉強食の世界で、生まれて1日目にすぐ勉強をさせられました。そして、僕が生まれた時、僕を歓迎して抱き寄せてくれる。そんな人はいませんでした。むしろ、なぜこのような黒髪黒目で弱そうな息子が生まれたのかと哀れな目をして見つめてきました。
食生活も、みんなお母さんを初めとした方々にお乳をのませてもらっているにもかかわらず、僕一人だけ、何もされませんでした。なので、みんなが寝たあとに、フラフラと歩いて食を漁ったものです。
そして、そのまま5年がたち、神殿で職を見てもらいに両親と行きました。ですが、帝王や剣豪といった職ではなく、二刀流というごく稀にみますが、所詮雑魚だと思われていた職に就いてしまいました。それを知った両親は大激怒、ガルムさんも、「お前にどれだけの金をつぎ込んだのかわかっているのか!」という声を聞いたとは思いますが、あんなのは瞞しです。僕は自分のことを自分でしていました。親に世話になった覚えなんてありません。そんなこんなで捨てられ、ガルムさんに拾われました。僕は今、とても幸せです。人族なので、使えない身ではありますが、頑張って貢献したいと思っているのでどうかよろしくお願いします。」
説明している間、会場はとても不穏な空気が流れた。
《あのな、コハクよ。その人族の名前はなんだ?滅ぼしてやる》
「あわわわわわわわ。いや、あの、やめといてください。あいつらには自分で復讐するつもりなので。まぁ名前はわからないですけど」
《むぅ、そうか。とりあえず、飯を食ってくれ。》
その声に合わせ、僕は困惑する。
《どうした?食欲がないのか?》
「いや、あのー。このご飯って僕も食べていいのですか?」
えっ、僕不味い事言ったのかな?みんなが呆れ返っているんだけど
《はぁ.......お主、バカだな。食っていいに決まっているではないか。お主のために作ったのだから》
その言葉を合図に、僕は大量にごをかきこんでいく。
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