第64話『憤怒の魔女アメリアは、霧の人形に課せられた役目を果たす①』
ゴォーン、ゴォーン……白い霧が、鐘の音を届ける。
私の中にある、灼熱の白き炎が反応している。
私は赤き魔女アメリア。
私は見上げた。青い空に幾つもの星が浮かんでいる。見えにくいけど、元徳と大罪の保持者ウルズとフェルがいる、獣人の星もまだ破壊されていなかった。
獣人の星で、不思議なことが起こっている。獣人の星に、膨大な魔力が流れ込んでいるのだ。その魔力の量が異常で……単純に魔力だけでみれば、愚かな神―聖神フィリスの白き太陽よりも大きい。
地獄の中層―星々の灰に落ちた、落下星を破壊している光の柱よりも……信じられない。あり得ない量の魔力が、獣人の星に流れ込んでいる。『悪魔の女神が降臨した?……いや、違う気がする。母は天国を目指しているから……何かが獣人の星に現れた? 悪魔の女神と同等のものが?……そんなものが存在するの?』
もし、地獄の中層に現れた、母と対等のものが破壊を望むのなら、地獄にあるものは全て破壊される。
私では、星々が壊れていくのを止めることはできないけど……。
でも、母の白い霧が残してくれる。人や魔物を霧の悪魔に変貌させよう。そうすれば、白い霧が私の大切なものを守ってくれるはずだ……私は小さな声で呟いていた。
『私は、悪魔の女神の娘……。
私は、私の役目を果たせばいい。
私は母を信じる。母の白い霧を……。』
私は街の通りを歩く。この街はしぶとい。
白い手足に銀色の髪。霧の人形の姿を黒いローブで隠しているので……この街の住人たちから、叫び声は上がらない。燃え滾る赤い瞳で、しぶとい街の住人たちを見てみる。
みんな疲れて殆ど動いていない。街の通りに座って、身を寄せ合っている。家族か、知り合いだろう。私は、雪解け水でぬかるんだ道を歩いていく。
ここは、聖母の街バレル。この街は幾つかの試練を乗り越えてきた。星まるごと、地獄に落ちたのに、まだこの街は生き残っている。
笑い声が聞こえてきた。人々の表情は、疲れた表情をしているけど、暗くはない。住民たちはまだ絶望していなかった。『苦難が人を強くする……それと、聖母フレイの存在ね。聖母が死んだら……この街も住民たちも、みんな終わる。聖母フレイと代弁者ミトラ……いい取引ができそうかな。』
私は呟く。私は何度でも囁く。白い霧に聞こえる様に……。
『私が、憤怒の魔女になっても……あのバカは大丈夫。
上手くいけば、聖母やミトラが守ってくれる。
白い霧は、運ぶのが得意。
別の世界へきっと運んでくれる。』
私は、街の通りで抱きしめ合っている母と子の姿を見ながら呟いていた。祈りの声が聞こえてきた……どうやら、街の中心部に人が集まっている様だ。
恐らく、人々の視線の先に、聖母フレイがいるのだろう。そこに、代弁者のミトラも……私は、あるお店の前で止まった。このお店は酒場の様で、酔っぱらったバカの叫び声が聞こえてくる。
入り口の前にいた数人の男が、私に声をかけてきた。
酒臭いし、気持ち悪い……私に触れようと手を伸ばしてきた。うっとしいので、軽く睨むと、悲鳴をあげて逃げていった。他にも、私を見て怯えている酔っ払いがいたけど、無視して酒場の中に入っていく。
酒場には看板がまだ残っている。降り積もった雪の重みで傾いていたけど、酒場の名前は分かった。酒場の名前は……“樽飲み酔いどれ亭”。
この店の店主は、クレスト・ホフマン。
昔は冒険者ギルドだったけど、今は完全に酒場となっている。世界終末の日に、やけ酒を飲んで、陽気にはしゃいでいるバカが大勢いた。
私の姿は黒い布で見えないけど、女だと分かっただけで抱きついてくる大馬鹿者がいた。愚か者の手は酒で汚れて汚い。汚い手が私に触れる前に……火炎魔術で、小さな火を灯した。
ジュっと、愚か者の頬が焼けた。悲鳴を上げて、酔っ払いの愚か者が転げまわっている。酔っ払いしかいないけど、転げまわっている男を見て、皆が笑っている。
念の為、頬を焼いた男も睨んでおいた。転げまわった男と目が合った瞬間……入口にいた酔っ払いと同じ様に、脱兎のごとく逃げていった。『バカが多い。ここで殺しても良かったかも……今ので懲りて、大人しくなれば……まあ、懲りずに、不埒なことをするのなら殺せばいいかな。』
他の酔っ払いは、私のことを魔術師だと認識した様で、私の炎を怖がって、声をかけてくるぐらいになった。もちろん、無視して……私は黒い布で、顔を隠しながら、酔っ払いの横を通っていく。
迷い星フィリスは、赤い眼の地獄の悪魔バグに襲われている。
悪魔バグは数が多いので、生き残っている者は、あのドロドロの黒い体と赤い眼を見たことがあるはず……皆が、赤い眼の悪魔に恐怖を抱いている。
さっきの酔っ払いの逃げ方からして、間違いない。『恐怖で、街の住人たちを揺さぶるのも、一つの手……まずは、このバカからね……。』
私の視界に、バカが見えた。褐色で茶髪。体格のいい男……いわゆる、チャラ男。でも、このバカは人じゃない。荒野のオーク。
私の大切なもの、三大魔王の一人、炎鬼クルド
荒野のオークの兵士も、離れたテーブルでやけ酒をあおっている。バレルの冒険者と殴りあったり、酒の飲み比べをしたりして、酒場の中にとけこんでいた。
バレルの冒険者と荒野のオーク。
人と魔物が殺し合うことなく、楽しい時を一緒に過ごしている。『聖神フィリスのせいかな……この街の住人の敵は神。相手が神になって、思考停止を起こしているものが殆ど……この酒場の酔っ払いを、このまま放置していたら、この街の為にはならないわね。
さっきから話しかけてくるのがうっとしい……灸を据えておこう。私がしなくても、聖母が手を下すとは思うけど……。』
冒険者の声が聞こえてくる。
この声は聞いたことがある。軍国の冒険者たちは、親しみのある場所で、苦楽を共にしてきた仲間と最後の杯を交わしていた。
最後の杯?……本人たちはそう思っている。いつ終わりがくるか分からない。地獄まで落とされたのだから、これが最後の杯になると思うのが普通かもしれないけど……。
それは困る。まだ終わりじゃない。私が残してみせる……軍国の冒険者たちには、あのバカと一緒にまだ頑張ってもらおう。
生きられるのなら生きたい。酒場の中にいた、誰もがそう思っている。
『だから、私は嫌だっていいました―!
だって、嫌でしょう? ねえ、そう思うよね?』
「分かった、分かったって、ミランダもう飲むな。
頼むから、ちょっと休憩しろ。」
『はあ~、意味わかないんですけど、
ロベルトさんなんですか? 私の保護者ですか?
というか……私、まだ許してないからね。』
「だから、あれは誤解だ。
ミランダは勘違いしている。」
あのバカと同じテーブルに座っている冒険者の声が聞こえてくる。彼ら、彼女らのことは知っている。軍国の冒険者たち、ミランダにロベルト。隣でお水を飲んでいるのが魔術師のミルヴァ。
ミルヴァの師匠であり、この酒場の店主であるクレストは、カウンターで知り合いと話をしている。エルムッド伯爵家の執事ジョンと……ジョンが手紙を、クレストに渡していた。
私が転移魔術で、聖母の街バレルに来てから……何度か、転移魔術らしき反応があった。実際に転移する瞬間を見ていないから、確証は持てないけど。
聖母フレイの噂は、すぐに世界中に広まっているだろう。赤い眼の悪魔バグが、世界中を襲っている。各国の王族や貴族……上流階級の人間たちは、何とかして生き残ろうとする。
迷い星フィリスの中にある数少ない避難所……聖母の街バレルを、避難所の候補にして、配下の魔術師を送り出しているだろう。
部下が無事に帰ってくればそれでよし……帰ってこなければ、危険と判断して、避難所の候補から聖母の街を外せばいいだけ。
黒いローブの中で、白い霧が私に囁く。
酔っぱらっている、冒険者のミランダを注意深く監視しているものがいる。酔わない程度にお酒を飲んで、酒場の中に身を潜めている。
二人……若い男女。店の奥で楽しそうに話をしている。『二人とも、魔術師ね。貴重な魔晶石を持っている……ミランダだけじゃなく、クレストにも意識を向けて……あの二人に関係がある。敵意を向けていないから、身内かしら? エルミストのフォーチュン家かな? 名家も生き残る為に、必死といったところね。』
軍国フォーロンドのエルムッド伯爵家と、ロンバルト大陸の南にある海洋国家―エルミスト州。数十の帆船を持ち交易で名を馳せた名家フォーチュンは……他の各国の王族や貴族たちから、眼をつけられて、厄介ごとに巻き込まれていく。
それはまだ先のこと、地獄から生き延びたあとの話だけど……。
「おい、俺の話を聞け!
重要なことだからな、よく聞けよ!」
体格のいい荒野のオーク、燃え滾る赤い眼のバカが、大きな声で叫び始めた。店中の酔っ払いが、あのバカを見ている。『?……私があげた斧の反応がない……もしかして、こいつ壊したの?』
燃え滾る赤い眼のオーク、三大魔王の一人、炎鬼クルドはとても上機嫌だった。その体格の良さと女性への姿勢や言葉遣いから、結構もてた。彼が荒野のオークでなかったら、もっと注目の的になっていたかもしれない。
優しい炎鬼に興味をもった数人の女性が、クルドの傍で話を聞いている。酔っぱらっていても、女性に失礼なことをしない。紳士な振る舞いを続けている。
私があのバカに惹かれたのも、そのギャップのせいかも……全ての魔物が、屑なわけではない。人の中にも屑はいる。あのバカは、珍しい魔物なのは間違いないけど……あのバカが調子に乗り始めた。
「いいか、霧の人形を知っているか?
霧の人形、赤き魔女……その美しさは、皆が知っているだろう?」
私は精霊魔術を行使した。私の姿がぼやけて、希薄になっていく……できるだけ気配を消して、背後からゆっくり近づいた。
「赤き魔女アメリア……。
怖い魔女って思われているかもしれんが、
そんなことない。これが……。
けっこうかわいいところがあるんだぞ?
教えてやろう、俺は何でも知ってるぞ。
アメリアは、俺にぞっこんだからな!」
クルドの傍にいた女性たちが、笑うのをやめた。
私の存在に気づいたから……その場にいた者は、空気がとても冷たくなった気がしたはず。次第に、叫び声や笑い声が聞こえなくなっていった。
調子に乗ったあのバカは、まだ気づいていない。離れた席に座っていたあのバカの配下、荒野のオークの兵士は私に気づいて……急に立ち上がって、逃げようとしている。
「おい、お前らどこに行く気だ~。
ここからがいいところなんだぞ?
アメリアちゃん、かわいいところがあってな~」
『貴方と赤き魔女は付き合っているの?』
「おう、よく気づいたな~。そうだぞ!
あれ?……今、君言った?
違う? じゃあ、君かな?
あれ、違う……おかしいな~。」
あのバカはゆっくり立ち上がって、振り返ろうとせず、そのまま離れようとしている。手足の動きがとてもぎこちない……私はとても冷たい声で伝えた。
『クルド、逃げたら殺すよ?』
あのバカは、やっぱり私を見ようとしないで……何とか誤魔化して、この場から逃げようとしている。『?……おかしい、いつもなら、すぐに土下座するのに……それをしても意味がないと思っているのね。やっぱり、私の斧を…‥。』
それなら、私があげた斧を壊した可能性が高い。
「こ、怖いな~、君冗談でもそんなこと言っちゃ駄目だぞ?
ごめんね、俺行かないといけなくなって―。」
『クルド、私の斧を壊したの?』
あのバカは、急に動かなくなった。なにも喋らない。
私は精霊魔術を解いた。私の姿が明確になって……私は、黒い布を頭の後ろに下げ、頭を左右に軽く振る。銀色の髪が、さらさらと小さく波打った。
霧の人形、赤き魔女アメリア。
酒場は静寂に包まれている。誰も話さないし、誰も動かない。私は、燃え滾る赤い瞳で、バカの背中を見ながら……冷たい声で告げる。
『このまま逃げるのなら、二つから選んでね?
今、この場でごみの様に焼却されるか。
赤い眼の悪魔バグに魂を盗まれるか……。
転移魔術で、城壁の外に送ってあげる。
精霊が動いているみたいだけど、すぐにバグが寄ってくるよ。
良かったね、モテモテで……。』
「ま、魔女様……その、話を聞いて頂けないでしょうか?」
『お前が勝手に逃げようとしているんでしょう?
それに、私を見ようとしないし……失礼でしょう?』
「いや、あのですね……俺の周りがものすごく、
熱くなってきているんですよ。
これ、燃えてないですかね?
あの~、俺の顔を見たらきっと、爆発しますよね?」
『そうね、お前の顔を見たら……怒りが爆発しそう。』
「あの、生き延びる方法があれば、
教えて欲しいんですが?」
『諦めたら? もう無理でしょう?』
たぶん、こいつどう謝ればいいか、今まで考えていた様だ。
結論は謝っても無駄ということ。ここから、バカの動きは速かった。まさしく脱兎の如く、素早く動いて……その場から、逃げようとしていた冒険者のロベルトを捕まえた。
「ロベルト、頼む。逃げないでくれ!」
「!? おい、離せ! 俺を巻き込むな!」
あのバカとロベルトが、取っ組み合いの喧嘩をし始めた。殴り合いじゃなくて、プロレスかな。あのバカの結論は、軍国の冒険者の誰かを巻き込むこと……かわいそうに、それにロベルトが選ばれた様だ。
もし、このバカが、ミランダやミルヴァにちょっかいを出そうとしたら、消し炭にしてやるけど……そこまで、バカではない。
こいつは女性に優しい炎鬼。私がどうしようかと迷っていたら……レイピアを携帯している黒髪の女性、ミランダが近づいて、どうすればいいか教えてくれた。
『あ、アメリア様、二人とも、
吹き飛ばしたらいいんじゃないですか?』
『いいの? ロベルトも吹き飛ぶよ?』
『いいですよ~、どうせ、ロベルトだし~。』
「おい、ミランダ!」、「まじかよ、こいつ、盾にならないのかよ!」
ロベルトとあのバカが、プロレスをしながら、ほぼ同時に叫んだ。酔っぱらっているミランダがふらついたので、肩をもって支えてあげる。ミランダが涙を溜めながら、私に話し始めた。
『アメリア様、聞いて下さい!
ロベルト、ひどいんですよ―!
私に告白したくせに……ちょっとかわいい子に、
泣き付かれて……鼻を伸ばして、
その子と一緒に部屋に入ろうとしたんですよ!
最低ですよね、本当に信じられない!』
「うわ、お前まじかよ。俺より最低じゃねえか!?」
「だから、それは誤解だって言ってるだろ!?
ミランダ、誤解だ! あいつは、男なんだよー!」
『この期に及んで、まだ嘘をつくなんて……。
あんなかわいい子が、男の子?
もし、そうでも、お前がかわいい子を、
部屋に招こうとしたことは、間違いじゃない!
このスケベ、この変態!』
「お前、そういう趣味があったのか。
人の趣味まで、とやかく言うつもりはないけどよ。
ミランダちゃんを泣かせるとか、最低だぞ?
男らしく謝ったらどうだ?」
「お前に言われたくないわー!」
なにこれ?……世界が滅びようとしているのに、こんなにも生き生きとしている。たぶん、彼女らが冒険者だから、死というものを受け入れやすいのかもしれない。
冒険者になると、いつ死んでもおかしくない状況が続く。
生粋の冒険者たちが集まる酒場。終末の日に、冒険仲間と酒を飲みかわす。きっと、皆幸せなのだろう。自由に生きられる冒険者たちが、少し羨ましい。
私は微笑んでいた。それを見たあのバカが、希望を抱いた様だけど……残念、ここまできて、何もしないっていう選択肢はない。安心して、殺しはしないから……。
『二人とも、吹き飛んで……。
愚か者には罰を……灼熱の炎を受け取りなさい。』
「「やめてくれ~!?」」
ドォ—ン! あのバカとロベルトの叫び声が、爆発によってかき消された。聖母の街バレルに、唯一残っていた酒場は、こうして無くなったのである。
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ゴォーン、ゴォーン……遠くで鐘が鳴っている。この街の聖フィリス教会の鐘が鳴っているのかな?
金色の髪に赤いリボン。聖フィリス教の白いローブを身に纏っている。聖母の代弁者ミトラは、鐘の音を聞いて、不思議に思った。
それに遠くで、爆発音もした。
バレルの大穴―聖母フレイと傲慢の魔女ウルズの戦闘によってできた大穴の周りに、多くの人が集まっている。街の住人たちは、爆発音を聞いて、少し不安に思ったけど……迷うのをやめて、すぐに祈り始める。
声が重なって、祈りの声が大きくなっていく。
バレルの大穴は、雪解け水で満たされていた。降り積もった雪が溶けて、街中の水が集まって、大きなため池ができていた。
ミトラ枢機卿は、大穴の縁から覗き込んだ。
水はきれいで、バレルの大穴の底までよく見える。聖母の墓―広大な地底世界の一部が少し見えていた。聖母の代弁者ミトラは思った。「ものすごい量の雪が降ったのね……フレイ様の地底都市は水の中に……。」
私の手の指先が冷えている。だいぶ温かくなったけど、それでもまだ少し寒い。息を吐くと、寒さで白くなる。防寒着として着ている、聖フィリス教の白いローブの中に手を入れて、手の指先を温めた。
彼女は、ミトラ・エル・フィリア。
白い霧の愛に選ばれた、ミトラ枢機卿。金色の長い髪を後頭部で、赤いリボンで一つにまとめて垂らしている。
私は顔を上げて、大穴にできたため池の真ん中を見る。そこに、金色の長い髪に尖がった長い耳の女性が、水の中に浮かんでいた。袖のない
彼女は迷い星フィリスの救世主。堕落神―聖母フレイ。
聖母の依り代である砂の星が、聖神フィリスの白き太陽によって半壊している。聖母フレイの体にも多くの傷跡があり、傷が赤く光っていた。
聖母は気を失っている様で、お腹に手をおいて、全く動かない。ぷかぷかと浮かんでいる……聖母の街バレルの住人の祈りの声が響く。
私も皆と同じ様に、聖母様に祈った。
眼を瞑って、顔の前で手を組んで、必死に祈る。「どうか、聖母様、目を覚まして……フレイ様、どうか起きて下さい。フレイ様を助けることができるのなら、私は……私は何をすればいいですか? お願いします、教えて下さい……誰か、教えて下さい。お願いします、誰か教えて……。」
白い霧は、ミトラ枢機卿に囁くだろう。汝の為すべきこと、汝の愛を示せと……。
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