解剖学篇
消化管の機能と構造Ⅰ
消化管は口から肛門まで7~9mに及ぶ外に開いた中空の管である
食物を分解し栄養素として細胞が利用できる形に変える。
〇胃
入った食物は小腸における消化の進み具合に合わせて十二指腸へ送り出される。胃の粘膜からは塩酸、ペプシン、粘液が分泌される。胃の主な役割は蛋白質の消化と胃酸による腐敗防止であり、吸収されるのは水とアルコールである。塩酸はpH1~2.5の強い酸性を示す。
〇十二指腸
膵液、胆汁が分泌され、さらに十二指腸自身で作った消化液が含まれる。十二指腸内はアルカリ性になっており、タンパク質、脂質、糖質など多くのものが十二指腸、小腸で消化、吸収される。
〇消化管
口腔 → 咽頭 → 食堂 → 胃 → 小腸 → 十二指腸 → 空腸 → 回腸 → 大腸 → 盲腸 → 上行結腸 → 横行結腸 → 下行結腸 → S状結腸 → 直腸
下は多数の菌からなる筋性器官である
舌は全て横紋筋からなる筋の塊で、舌下神経が支配する。舌の形を変えるのは内舌筋で、舌の位置を変えるのは外舌筋である。舌は咀嚼、嚥下、発声、味覚に関与する。
味蕾
卵円形の構造を示し、味覚の受容体である。味覚を引き起こす物質はまず口腔内の唾液中に溶け込み、
味孔を通って味細胞と接触する。味を感じる受容体は、その刺激を求心性神経に伝導させる。味蕾が感知する味覚には、酸味、塩味、苦味、甘味の4つの基本味がある。
ワルダイエル咽頭輪は、生体防御の最初の砦である
舌根にある(舌扁桃)、口蓋の左右にある(口蓋扁桃)、耳管開口部の周囲にある(耳管扁)桃、咽頭口蓋にある(咽頭扁桃)は、口腔と鼻腔の裏門を取り囲むように配列しており、ワルダイエル咽頭輪と呼ばれる。唾液中に含まれるIgAはこれらのリンパ組織で産生分泌される。
舌根部の表面はリンパ小節による凸凹が見られ舌扁桃という。両脇には口蓋扁桃があり、いずれも(リンパ器官であり生体防御)に重要である。
3種の大唾液腺が口腔内に唾液を分泌する
唾液腺には肉眼で見える大唾液腺が3種類3対ある(耳下腺、顎下腺、舌下腺)。唾液腺は太い導管によって分泌物を口腔内に運ぶ。最も大きな唾液腺は耳下腺である。それに対して顎下腺は小さい。舌下腺は最小で舌の下にある小さな腺の集合体である。
腺房、介在部、線条部から構成される。腺房は腺末端部の袋状の膨らみで、粘液細胞と漿液細胞の2種類の細胞が混在する。(粘液細胞はムチン)という粘性の高い糖蛋白質を分泌し食塊や粘膜表面を滑らかにする。(漿液細胞はアミラーゼ)を分泌する。
食道の粘膜は、内腔の表面を覆う(非角化重層扁平上皮)、その下に結合組織からなる粘膜固有層、縦走平滑筋層である粘膜筋板から構成される。粘膜下層には(粘液性腺房)が点在している。
食道は、下端部において胃につながり、食道-胃接合部をつくる。重層扁平上皮は、ここで胃の噴門部の胃上皮、すなわち粘液分泌性の(単層円柱上皮)に変わる。
胃は腹膜で緩く固定されている
胃とその消耗器のなかで胃だけが小網、大網という腹側間膜と背側間膜の両方を持つ
粘膜上皮の最表層は1層の(円柱上皮)からなり、その下は疎な結合組織からなる粘膜固有層、次ぎに粘膜筋板という(内輪・外縦)の2層の薄い平滑筋層、さらにその下は疎な結合組織からなる粘膜下組織からなる。
粘膜固有層には(胃腺)が発達し、血管、リンパ管リンパ小節がみられる。粘膜筋板の収縮により胃液の分泌を促進する。粘膜下組織は血管、リンパ管、膠原線維を豊富に含み粘膜下神経叢(マイスナー神経叢)が存在する。
胃粘膜の表面は浅い溝で縦横3mm前後に細かく区分されている。これを胃小区、その窪みを(胃小窩)という。
筋層は(外・縦走、中・輪走、内・斜層)の3層からなる。
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