FGOは面白い、というお話

@zoe2525

続かないけど第1話

FGOは面白い、というお話。


FGO……Fate/GrandOrderというスマートフォン向けゲームアプリがある。

ネット上でゲーム関係の話題に度々、良い意味でも悪い意味でも取り沙汰されるゲームだ。

今回はそのゲームシステムについてのお話。

ちなみに、ストーリーが面白いと言われるゲームではあるが、そのストーリーが面白くなるのはゲームを進めてしばらくは感じるのが難しいと思われる。

それはインタビューで何度か語られている通り、初めの頃FGOは他のスマートフォンゲームを参考に開発されていて、そのフォーマット(ゲームを始めて何回タップしたら戦闘に入る、等)をなぞっていたからだ。

しかし、FGOプレイヤーは文章を読むという事に対して抵抗が薄いと分かってからは、ストーリーを大幅に増やす、つまりは戦闘に入るまでの過程をしっかりと描くという方向に舵を切った。

そこからがFGOのストーリーの本気になるのだが、今現在(第一部序章と終章を含めた)全部で15章配信されている中の7章(第六特異点キャメロット)からの事なので、ゲームを開始して暫くは物語は淡々と進む印象が強い。

その前の章、第五特異点イ・プリーリバス・ウナムでも頑張っているのだが、まだライターの迷いが見える。

故に、第六特異点キャメロットでFateシリーズ生みの親である奈須きのこ氏によって「ここまでやっても大丈夫だ」というラインが明示されて以降、きのこ氏以外のライター陣も既存のスマートフォンゲームのフォーマットを無視した本気のストーリー展開を行えるようになったのだと思う。

だがまぁ、それをもってFGOは面白いというのは少しばかり強引だと思うので、今回はゲームシステムについてのお話。

前置きが長くなってしまったが、書いていこう。


コマンドカードと戦闘システム

FGOの戦闘システムはカードゲームが近いだろう。

キャラクター(このゲームではサーヴァントというのだが)一人ひとりには必ず以下の3種類に分けられる攻撃を行う為のコマンドカードを5枚持っている。


攻撃力の高いがNPゲージ(*1)の上昇やクリティカルスターは発生しにくいバスターカード

NPゲージは溜まりやすいがクリティカルスターが殆ど発生しないアーツカード

攻撃力は低いがクリティカルスターが発生しやすくNPゲージも少量上昇するクイックカード


この3種類のカードを必ず最低1枚を持ち、全部で5枚持っている。

全プレイヤーが最初に手に入れるサーヴァントであるマシュ・キリエライトはバスター2枚アーツ2枚クイック1枚という構成で、安定した攻撃力と平均的なNPゲージの溜まり具合、しかしクリティカルは出しづらい、という具合だ。この5枚のカード構成によってキャラクター性をも表現出来る点が、個人的には白眉だ。

クリティカルスターについては後述する。

このゲームは自身のサーヴァント最大5人でパーティを組み、さらにもう一人、ストーリー上の重要人物やプレイヤーのフレンドのサーヴァントを追加した最大6人で戦闘に出る。

スターティングメンバー3人の内一人が倒れた場合、4人目に配置していたサーヴァントが前衛に出てきて戦闘に参加する。

一度に二人が倒れたら4人目と5人目が、三人全員が倒れたら総入れ替え。そしてパーティー全員が倒されてしまったら負けというルールだ。

その為プレイヤーが指示を出せるのは3人が最大である。

プレイヤーが指示をする最大3人のサーヴァントはそれぞれ5枚のコマンドカードを持ち、15枚の山札から手札を5枚ずつランダムで引いて攻撃指示を行う。

引けるのは5枚だが使えるのは3枚であり、選ばなかった2枚は捨てられ再度山札が0になり再度シャッフルされるまで使用できない。

通常のカードゲームと違うのは、使用しなかった手札も捨てられてしまう、つまりは3ターンで1セットというところだ。

その為他のカードゲームのように、使用せずに手札に残ったカードの使いどころというものは無い。

ではカードを選ぶのに悩むことは無いのかといったら、そうではない。むしろ大いに悩む。

どのカードを、どの順番で選んで攻撃するかが非常に重要なのだ。


*1:NPゲージとは、100%まで溜めると宝具と呼ばれる他のゲームで言うところの必殺技と使うことが出来るゲージのことで、当然溜まりやすい方が有利だ。



ファーストボーナスと順番補正

コマンドカードを手札5枚の内から3枚選んで攻撃することは前述の通りだが、それぞれは1stアタック2ndアタック3rdアタックと呼ばれる。

この中でも重要なものは、1stアタックだ。

何故なら、1枚目に選んだカードの種類が後続の2ndアタックと3rdアタックにも影響を及ぼす。

これを、ファーストボーナスという。

1枚目にバスターカードを選ぶと、2枚目以降の攻撃力が上がり、アーツだとNPゲージの上昇値、クイックだとクリティカルスターの発生率が上がる。

ちなみにバスターカードをファーストアタックとした場合、2枚目以降に置いたアーツカードは通常の約1.3倍のダメージ、クイックカードだと約1.5倍のダメージになる。

これがファーストボーナスだ。

また、ファーストボーナスだけでなく2ndアタックと3rdアタックにも特徴があり、後ろに置いたカードの方がカード効果が高くなるというものだ。

つまり、NPを溜めたいのであればアーツカードを、クリティカルスターを出したいのであればクイックカードを3rdアタックにすると効率が良くなるし、少量だがダメージも上がる。当然バスターカードも3枚目に選んだ方がダメージが大きい。こちらが順番補正。

それじゃあ1枚目にはバスターを置くのが安定なのかというと、そうでもない。というか、それが出来ないことが起きうる。

ランダムで配られるカードの中にバスターカードが無いなんてよくある事だし、次の項目のチェインシステムがある。



同色チェインとブレイブチェイン

各コマンドカードには色が付いている。バスターカードだと赤、アーツカードだと青、クイックカードだと緑という具合だ。

同色チェイン(*2)というのは、3枚のカードの色を揃えると発生するシステムだ。


バスターチェイン:3枚全ての与えるダメージの上昇

アーツチェイン:3枚のコマンドカードに選ばれたサーヴァントのNPゲージを20%上昇させる

クイックチェイン:クリティカルスターを10個追加


この様に、チェインを組めた時の効果は非常に高い。

これはコマンドカードの色さえ揃っていればどのサーヴァントが攻撃に参加していても構わない。

よって、アーツチェインは可能な限り3人から1枚ずつのアーツカードを選んだ方がお得という訳だ。

そしてブレイブチェインは、3枚のコマンドカード全てを同じサーヴァントで揃える事で発生する

「4回目の」攻撃である。

通常の攻撃ではコマンドカードを3枚選び、攻撃を3回行うと敵のターンになるのだが、ブレイブチェインの場合は4枚目のEXTRAアタックが発生する。

この攻撃は、ダメージが高く、NPゲージの溜まりも良く、クリティカルスターも発生しやすい。

強力な一撃だ。

そしてさらに、同色チェインとブレイブチェインを合わせる事も出来る。

同じ色のコマンドカード3枚を、同じサーヴァントで選んだ場合に発生するものだ。

また、色を揃えないブレイブチェインのEXTRAアタックより、色を揃えたEXTRAアタックの方がダメージ量が大きい。

このチェインの使い方が、FGOの戦闘の肝と言っても言い過ぎではないだろう。


*2:どの攻略サイトを見ても同色チェインなんて書き方はしていないはず。分かりやすいように私が勝手に書いているだけだ



クリティカルシステム

クリティカルを行うと、ダメージ、NPゲージの上昇値、クリティカルスターの発生率、全てが上がる。良い事しかない。

しかし、FGOのクリティカルシステムは他のゲームとは様子が違う。

どう違うのかというと、攻撃ごとに発生確率が定められていない、そしてクリティカル率が見える。さらに、クリティカル率が操作出来る。

先ほどから出てきているのに説明が一切なされていないもの――クリティカルスターが関係する。

クリティカルスターとは、攻撃を行うと1ヒット毎に0~3個発生し、次のターンにて各カードに配られる。

スター一つにつきクリティカル率10%となる。つまりコマンドカード1枚につき、最大で10個配られる。

ということは、クリティカルスターが50個あれば全てのコマンドカードがクリティカル率100%になるという訳だ。

しかし、クリティカルスター50個というのはそう簡単に出来るものではない。

最もクリティカルスター発生数の多いジャック・ザ・リッパーがクイックブレイブチェンを行ってようやく稼げる数字だ。通常は20~30個もあれば良い方だろう。

そしてそのクリティカルスターは均等に配分されないし、毎ターンランダムでクリティカルスターが偏るカードが2~3枚選ばれる。

これが攻撃ごとに発生確率が定められていないのと、クリティカル率が見える、ということ。

では、操作ができるというのはどういうことかというと。

サーヴァントにはクラスというものがある。属性のようなものだ。

全部で12種あり、それぞれが強弱の相関関係を表す三角形が三つ出来たり、一方通行の矢印が出来たりなかなか複雑だ。

そのクラスによってクリティカルスターの集中度が違う。

最も集中度の高いクラスがライダーで、低いのはキャスターやバーサーカー、アヴェンジャー。

集中度の低い3クラスがスターを一つ取る間に、ライダーは6個くらいスターを集める。

この様にクラス毎のスター集中度や、さらにサーヴァントが個別で持っているスター集中スキルを使うことにより、他のサーヴァントのコマンドカードに集まったスターを、特定のサーヴァントのコマンドカードに集めなおすことも出来る。

さらに、クリティカルスターを発生させるスキルもある。これらによって少ないスターでも確実にクリティカルが行えたり、少ないスターを増やしてクリティカルにまで持っていける数にすることで、クリティカルを操作することが出来る。



ランダム性

これまで説明したように、FGOの戦闘はランダム性が高い。

コマンドカードはランダムで配られるし、クリティカルスターが集中するカードはランダムで選ばれる。選びたいカード以外にクリティカルスターが集中している時なんかはチェインを選ぶかクリティカルを選ぶかで悩む。

これにより、同じ戦闘(フリークエスト等)で同じメンバーでも、同じ展開にならないのだ。

当然、敵から攻撃を受けるものランダムだから、カードは悪くないがダメージが集中してすぐに倒されてしまう、なんてことも時たま起きる。

だから戦闘ごとに悩む。だから面白い。

同じ展開が続く戦闘など、何も考える必要はない。それじゃあ楽しくない。

ランダム性こそがゲーム性なのだ。



まとめ

4,000字以上に渡ってFGOの戦闘システムについて書いてきたが、当然全てを書いている訳ではない。

パーティー編成の重要性や、スキルと宝具、各クラスの相性、サーヴァントの育成。それも大きく関わってくる。

アーツカードを多く持ったサーヴァントを組めば宝具を撃ちやすくなるし、クイックカードを多く持ったサーヴァントを組めばクリティカルを使いやすくなる。

スキルや宝具性能も各サーヴァント毎に特色があり、回復や防御で耐久するのか、全体宝具で敵を一掃するのかで戦闘難易度は如何様にも変わってくる。

クラス相性なんてダメージが倍違ってくる。バフやデバフも当然ある。これら全てを書こうとしたらまたさらに4,000字追加しなければならないだろう。

そういった諸々を駆使して、FGOの戦闘は行われる。しかもスマートフォン向けゲームの中ではその難易度は高い方だ。

しかし、このゲームはシングルプレイだ。

どのサーヴァントを使っても良い。誰に迷惑がかかる訳でもない。

気に入ったサーヴァントを育て、そのサーヴァントと共に戦場を駆け抜ける。

それこそが、FGOの醍醐味だと思う。

――課金?最高レアリティ確定の時以外課金なんてしなくていいんだよ、石なんて意外と溜まるし。どのゲームでもそうだが、その先は底なし沼だぞ。気を付けろ。


以上、FGOやってないけど気になっている、という人に少しでも刺されば良いなと思っている次第です。

あとはまぁ……キャラクターが良いよね、凄く。ちなみに5,000字を突破しました。

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