俺と恵さん 23(にいさん)のことが好きです。

85話 ラブコメで100回は見た光景4 




「はぁ…………、優様……」




「恵さん、結構剛毛じゃないですか。処理が間に合ってないんじゃないですか?」




「あぁ……、指を入れないでください……、かき混ぜないで……」




「ちょっと湿ってきてますし、いい香りもしますよ」




「鼻を近づけて嗅ぐのは…………、恥ずかしいです……」




「ここも真っ赤じゃないですか……」




「これだけ触られた上に、においまで嗅がれたら赤くもなります……」




「あ、すいません。道具も使った方がいいですよね」




「あ、はい。気持ちいいです…………。今度はお優しいですね……」




「恵さんここも敏感だったんですね。あまり触ったことはありませんでした。いつもはちゃんと見えませんから触れませんでしたし」




「いつも自分でやってましたけど、優様がこんなに上手ならお任せしたいです……」




「最後は縛りますか?」




「いいえ、縛るなら自分で縛ります……。短いですし、今日はこれでいいです……。ありがとうございました…」




「ふぅ、俺も気持ちよかったですよ、






















恵さんの髪を梳くのは」






朝早めに起きて来たら、恵さんが髪のセットに手間取っていたので、俺が手伝いを申し出た。




普段はメイド用のカチューシャをしていて、髪の全体が見えないから、触ることはなかった。短めで、俺と背が変わらないし。




はじめ気持ち良すぎて、ちょっと触ったら、汗をかいてきてしっとりしてきた。




それでいい香りがしたから嗅いだら、うなじのあたりが真っ赤になった。




さすがに悪いので、櫛を使って優しく髪を梳いた。




恵さんはまれに短めの髪を縛ることがあったので、一応聞いてみたが自分でやるそうだ。










86話 洗濯物が示すもの




恵さんは晴れていれば洗濯物を外に干す。




一応乾燥機もあるのになぜなのだろう。




「はい、太陽の紫外線の殺菌効果、電気代節約、風で乾かすことで臭いが染みつかないようにするためです」




と、いうわけで聞くとしっかりした答えが返ってきた。




「もし、私の臭いがあるというのであれば、古めの下着をあえて部屋干ししてもよろしいのですが……。どうしてもなら従います……、命令でしたら」




「そんなつもりで聞いたわけじゃないんですが」




もじもじしながら、とんでもないこと言うな。仕草は恋する乙女みたいなのに。発言と無表情が残念だ。




「ですが、父さん達がいるときは大変じゃないですか?」




「いえ、全員いることは少ないですし、いれば母さんも手伝ってくれます」




5人いる場合というのは、1か月に1回もない。




父さんはもちろんだが、母さんも単独で出かけることがあり、どちらの場合も望さんがついていく。




なので全員そろうことは少ない。




「ただ、旦那様と優様しかいないときは少し困りますね」




「なぜです?」




「優様はトランクスで、旦那様はボクサーパンツで種類が異なります。そこに私のものも干していると、いつも通る人が、3Pをしてると思われるかもしれませんし」




「余計な心配だと思います」








87話 福




「おおぅっ」




急に耳が触られて驚いてしまう。




「あ、申し訳ありません」




誰と聞くまでもない。恵さんに決まっている。すべすべの手で触られて気持ちよかったし、急だったので声が出てしまった。




「なんで俺の耳を触るんですか?」




「優様は福耳ですよね」




確かに俺の耳はいわゆる福耳と言われる大きめの耳たぶがある。




迷信ではあるが、福耳は基本的に悪い意味で取られることはまずないので、言われて悪い気分はしない。




「手触りがよさそうだったものでつい……、あとご利益があるかもしれませんしね」




楽しそうにそういいつつもまた触ってくる。気持ち悪くないからいいけど。




「恵さん結構そういうの好きですよね」




風水にこだわるとかまでではないが、朝の占いを多少気にしたり、演技の悪い数字を使わないとかくらいは気にするし、縁起物や風習もきちんと守る。




「お正月も福袋とか結構買いますもんね」




「そ、そんな。優様あそこの袋もそんなに大きくなっていらっしゃるのですか……」




「一瞬だけ意味が分かりませんでした。すいません、バーゲンの方です」






88話 Gの話2




以前Gがでる問題があったが、恵さんの徹底ぶりが強くなって、ほぼ見なくなった。




そのせいで、以前Gが出た場所でも、恵さんが普通に作業ができるようになった。




「ふう、このGが出ていたスポットも、見なくなりました……」




恵さんが安心して、下駄箱の整頓をしている。




ん? 恵さんが下ネタっぽいことを自分で言ったのに、何も反応しなかったな。




恵さんが下ネタをいうのは。俺の言葉を変な風にとらえる場合と、恵さんが自ら発信する場合の2パターンある。




後者の場合は少ないが、ほぼ間違いなく俺に話を振ってくる。




ああ、さすがの恵さんも苦手なGが相手で動揺して下ネタを考える余裕がないのか。




このままほっとけばいいのだが、普段下ネタを振られて、俺が突っ込んで終わることが多い。




俺が逆にネタを振ったら、どういう終わらせ方にしてくるのか。という余計なことを考えてしまった。




「恵さん、Gのスポットとか卑猥ですよ……。恵さんのGスポットを教えてくれるんですか?」




「はい、私はベッドの上がほとんどですが、優様も同じですよね」




ん? なんの話だ? 俺にはそんなのないし、ベッドの上ってなんだ?




「ベッドにもたれながらもいいですし、床でも別にいいですが? 自慰をしやすい場所ですよね?」




恵さんの想像力はレベルが高い。カウンターを食らって結局俺落ちになっちゃった。

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