俺と恵さん 22キロで性交できるのか

81話 丁寧な作業




恵さんの作業を一言でいうなら丁寧である。




雨が降った次の日とかだと、洗濯物が少したまって1回で持ってくるのは微妙な場合だと、恵さんは両手で持ってこないで、片手で持ってくる。




恵さんは妙にドアを開けっぱなしにするのを嫌がる。




なんでも、キッチンや玄関の香りが他の部屋にいくのが嫌いで、かならず開けたら閉める。




だが、洗濯物を運んだりするときくらいは別にいいと思うのだが。




「そうはいかないです。やるなら徹底的にやらないと」




ドアも丁寧に手で開けて、ドアを開けるのに足を使ったり、口で軽いものを噛んで運んだりしない。




お上品だと思う。発言はたまにお下品なのに。




恵さんはドアさえ閉めてあれば、俺が足や手を使っても怒ることはないが、良い習慣だから真似をしている。




時々横着をする場面を恵さんに見られるが、




「それは足や口を使ったプレイを心理的に望んでいらっしゃるのですか?」




と、聞かれるので、原則としてはばれないように横着する。








82話 この焼き肉は焼きにくい




「珍しいお肉が、安く手に入りましたので、焼き肉にいたしますね」




帰宅前に入っていたメールにテンションが上がる。




焼き肉を嫌いという人もいないわけではないだろうが、比較的好きな人の方が多いだろう。俺はもちろん好きである。




ただ、カロリーオーバーなため、あまり頻繁には食べない。だからこそ、たまにあるのがおいしいのだが。




あと、この焼き肉には、恵さんの好きな部位が結構入る。




原則としては俺の好きなものを中心にごはんを作ってくれるが、焼き肉や鍋のように、多くの食材を使う場合は、本人の好みが入る。




「では、今日の焼き肉の部位です」




そのまま晩御飯になり、恵さんが肉を出して部位の説明をする。




「はい、『スジ』、『カイノミ』、『コブクロ』、『チチカブ』、『タケノコ』」




偶然なんだろうが、言い回しが妙に下ネタっぽい部位ばかりなんだよな~。




あとはカルビとかロースとか俺の好きな部位ばかりだが……。まぁいいか、うまいし。






83話A クッション




ソファーの上にクッションが3つおいてあった。




昨日まで見たことがなかったし、新品だから恵さんが買ってきたのだと思われる。




「ちょうどいいや、少し横になろう。あれ?」




そう思ってソファーに座ったのだが、触ってみると3つとも硬さが異なる。




ふにょんとしてだいぶやわらかいもの、ちょっとだけ弾力のあるもの、結構弾力のあるものの3つがある。




「どれがいいかな?」




3つとも俺を安心させる感じがあった。まるで俺専用に作ったみたいに。




だが、なぜか1番硬めのクッションが俺になじんだので、それを枕にして仮眠した。






「……、んぅ」






「おはようございます」




目が覚めると、目の前に恵さんの顔があった。




「わっ、なんで恵さんが」




「先ほど帰宅したところ、優様が頭を落として寝ていらっしゃったので、頭がきつくないように、私の膝をお貸ししただけですが」




ああ、頭に感じる感触は恵さんのフトモモか……。




たまに耳かきをしてもらうくらいだけど、何度感じてもいいな。さっきのクッションと変わらない……。




「では夕食になりますので、起きてください。そしてこちらは沈めてください」




そして目線が俺の股間にきた。毎回オチがつくんだから。






83話B 恵サイド




優様は足がよろしいのですね……。




あのクッションは柔らかい順に、私の胸、お尻、フトモモと同じ柔らかさのものを見つけてきたものです。




厳密にいうと全く同じではないでしょうが。




優様は私のどこがお好きかをちょっといたずら程度に調べてみました。




フトモモは膝枕の際に何度か触っていますが、胸とお尻も事故程度で触れられたことはあります。




だから優様が他の女子とそういうふれあいをしていないのでしたら、なんとなくわかったかもしれません。




そして、優様が選んだのは私のフトモモ硬さのものでした。




偶然でしょうか? また試してみましょう。でも、頻繁に触れられるフトモモを選ぶのは無欲だと思ってしまいました。




胸とお尻は恥ずかしいですが、足くらいなら触らせてもいいのですが。






84話 お茶 




「どうぞ、お茶です」




今日は和菓子なので紅茶ではなく、お茶が出てくる。




「本日はちょっとこだわってみました」




恵さんがそういうので、飲んでみると味がかなり濃い。




「何かしたんですか」




「はい、ちょっとお茶の葉を挽いてみました。最後まできちんとお茶を摂取すると体にいいので」




そういいながら恵さんは片手に粉末に近くなった緑色が入った入れ物を見せてくる。




「お寿司屋さんのあがりみたいですね」




「さすがにそこまではできませんが、もしよろしければ、ごはんにかけていただいたり、甘いものにかけていただけるといいアクセントになりますよ」




ほんとにいいお嫁さんになりそうだ。手間だっただろうし。




「ありがとうございます。でも大変ではなかったですか」




「いいえ、暇だったので…………」




「どうされました?」




「お茶をひいていたからといって、お給与は減らさないでくださいね」




「ここキャバクラじゃないんで」




「暇すぎると、余計なことを考えて、糸はひきそうになりますが」




「ひきそうになっただけですよね?」




「はい、そう思っただけです」




よかった。好きな人でも糸をひいた手でさわったお茶はレベルが高すぎる。




そうだったら引くわ。


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