俺と恵さん 19(イク)ときは一緒に

68話 人気のない遊園地




「昔からあるあの遊園地が、経営がピンチらしいです」




「やはり弱いものは負けてしまうのですね……」




この街には遊園地が2つある。1つは昔から長くある遊園地。もう1つは結構新しい綺麗で大きい遊園地である。




特に綺麗な遊園地は、乗り物のクォリティが高く、ほかの施設もきちんとしていて、清潔感もあり、ほかの地方からもお客が来るくらいで、日本でも有数のレベルになっている。




古くからある遊園地も決して悪くはないのだが、やはり見劣りはある。


古ぼけた感じが、お化け屋敷のレベルを上げていて、それを目玉にしてお化け屋敷だけを単独ではいれるようにしている。




また、横の敷地が空き地になったので、動物園を並列して経営しているが、王道を完璧にそろえた遊園地には勝てず、苦戦を強いられていた。




「俺は別に遊園地に思い出があるわけじゃないんですけど、もしつぶれたりしたらちょっとだけさみしいかもしれないですね」




別に家族でよく行ったわけでもない。だが、見慣れた風景がなくなるのは関係なくても単純にさみしい。




「あの遊園地がレベル高すぎますからね。まさに一流のレベルですよ」




「日本でも有数の遊園地ですからね」




「でもあっちの遊園地もよくないと思います。動物園とか、お化け屋敷を押してみたりとか」




恵さんが納得いかなそうな感じで言う。




結果的に成功してないが、いろいろやってみるのはいいと思うんだが。正攻法で行くことが正しいと考えるタイプでもなかったはず。




「動物園にお化け屋敷……、この2つを押したらハズレが多いと思われます!」




「世の中のお父さんは、そこまで深読みはしないと思います」








69話 直接的にとらえるのはダメ




「最近は男子なのに、女子っぽい人も結構いるみたいですよ」




「優様もお料理をされるんですから、女子っぽいのでは?」




「いえいえ、そういう簡単なことではなく、美意識が高いとか、俺みたいに手伝い程度じゃなくて、主婦みたいに料理ができる女子力の高い男子です。俺のクラスにもいます」




「女子力ですか……、旦那様は完全に何もできませんけど、今は女の方が働く家もありますからね。私としては、男の方があまりいろいろできすぎてしまうと、私みたいな人は立場がありませんから」




「そんなことないですよ。分担するというよりは、協力ということです」




「なるほど、それなら楽しいですね。共有もできますし」




「でも、うちのクラスの男子には、女子力が高すぎて、女子の友人が多くなって、男子の友人がいない子もいるんです。どうも感性が違うみたいで、つかみどころがないんです」




「女子力のある男子はそこまで本気になるんですか?」




「本気って何ですか?」




「つかみどころがないということは、去勢をしてるってことでは?」




「本気すぎます! 違います、直接的な意味じゃないです。最近は織物もできるそうですけど」




「下り物……。ああ、男性器をとるのではなく、女性器をつけてるんですね」




「だから、本気すぎます! そのままの意味じゃないです」








70話 ア○ネの日記






「恵さん? 何を読んでるんですか?」




恵さんが読書をしていたので、邪魔しない程度に声をかける。




「あ、はい。ア○ネの日記です」




ああ、あの有名な本か。俺は歴史は詳しくないが、それくらいは知っている。




「恵さん歴史の勉強をしてるんですか?」




「いえ、ちょっと興味がありまして……。名前が、ア○ネで……、フランクですよ……」




ああ、名前買いってやつか。世間的な意味とは違うが。




「そ、そうですか。面白いんですか」




しかし題名は題名でも、中身はきちんとした書物なのだから、勉強はしているのだろう。




「はい、思春期の女子の性へお目覚めや、知識や考えがわかって面白いです」




確かに日記だったので、ちょっとした日常のネタもあった。




冷静に考えると、自分の日記が世界中に知れ渡るって、なかなか高度なプレイだな。






71話 ラブコメで100回は見た光景3




「優様……もう少しです……、もっとかき混ぜるように……」




「中がよく見えないんです……、ああ、白いあれが出そうです……」




「奥に当たってるんですから、届いているはずですけど、うまくいかないものですね」




「恵さんがやった方がいいんじゃないですか。俺へたくそです」




「私もそんなに……、あっ、振動が……。また奥に入っちゃいます……」




「もっと細い方がよかったですか?」




「いえ……、長さがちょうどいいのが……これですから……」




「いい調子です、いけますいけます」




「あっ…………、いけましたね…………」




「せいこうしました。やっぱり俺の言った通り、俺の棒がちょうどよかったですよね」




「ええ、でも棒を汚して申し訳ないです」




「恵さんの服も汚れてます。誰か帰ってくる前に片づけましょう」




「ええ、そうですね」






いや~、びっくりした。


























恵さんがマシュマロを準備している最中に、地震がくるとは。




1個台所の奥に落として、Gとか発生するといけないから、拾おうと思ったんだが、かなり奥まで行ってしまって、俺の私物の長い孫の手を使ってもらった。孫の手は便利だからな。




作業中も地震がきて、振動がすごかった。




恵さんが掃除してくれているとはいえ、さすがにキッチンの下は埃っぽくて、孫の手もメイド服も埃がついて、汚れてしまった。




まぁ掃除は恵さんに任せよう。

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