俺と恵さん 14階建てのラブホテル

47話 ラブコメで100回は見た光景2




「あっ♡ ああん…………、いい……、もっとお願いします……♡」




「もう少し声を抑えられませんか?」




「も、申しわけありません……、ですがこんなに下半身を攻められたら…………、はぁ、耐えられませんよぉ……」




「恵さんは敏感ですからね。じゃあやめますか?」




「だ、だめですぅ……。もっと強くお願いしますぅ……」




「だらしない顔をしないで下さいよ。ジュルジュル言わせて……、布団がびしょびしょになるじゃないですか」




「私の布団だからいいじゃないですかぁ……。あ、今のところいいです……、そこを強く、ぐっと強くお願いしますぅ……」




「強くやるたびに、ビクンビクンしないでもらえますか? やりづらいんですけど?」




「き、気持ちいいんですよぉ……。私の意志とは別になっちゃうんですぅ……。申しわけないですぅ……」




「よし、これで終わりですね。これくらいでいいでしょう」




「はいぃ、ありがとうございました……♡」




「少しは良くなりましたか?」




「はい、だいぶいい感じです。優様から提案していただけたとはいえ、使用人の私が優様の奉仕をいただいて申しわけないです」




「いいんですよ、最近疲れてるみたいでしたから。足つぼマッサージくらいならしますよ。ただ、枕を噛んで唾液をつけるのは、汚いので控えてくださいね」




48話 カル○ス




「0円カルピス……、気づいたなら勝手にやればいいのに」




またニュースでくだらないことを報道していた。




「あまりおいしそうではありませんけどね。0円なら仕方ないのでしょうか?」




ドリンクバーの無料のものを使ってただで作っているのだが、やるならこっそりやるべきである。




それをまたツイッターにあげるものだからばれる。




ドリンクバーを頼んでいないのに、ドリンクバーのオプションを使うというだいぶ黒いグレーゾーンを歩いているのだから、せめて申し訳なさそうに1杯程度にしとけばいいのに。




「大した額でもないドリンクバーを渋ってこんなことをするなんて、理解できないですね」




「ええ、特に男の人は無料で自分でカル○スを作れるのですから」




「ちょっとその発言はいただけないです」




「あ、申しわけございません」




珍しく恵さんが謝ってきた。いつもは突っ込んでも気にしていないので、今回もそうかと思ったが。




「男の方もおかずが必要ですからただではないですよね、申しわけありませんでした」




すごく丁寧に頭を下げてきたので、それ以上追及できなかった。






49話A こだわり




俺の部屋にはもちろんエッチな本がある。




思春期の男子ならもちろん持っていて当然である。




だが、一般的な男子とは違う点が1つある。




俺はそれを隠していないことである。




原則として母さんも仕事が忙しいので、俺の部屋に入ってくるのは恵さんだけである。




はじめは俺も隠していたのだが、あの人にかかるとどこに隠そうが見つかる。




だからもうあきらめて、隠していない。隠していないどころか、本棚にも入れていない。無造作に放置してある。




だから、恵さんには俺の性癖がバレバレなのだ。




まぁ、別にそれはいい。メイド服、巫女服、ミニスカ+ハイソックス、ロングワンピース。俺の好みは、露出があまり大きすぎない服だ。




ケーキのように飾り付けられた女子から、ちょっとだけ見える素肌とか、それを少しづつ脱がすのとかがいい。




全裸や水着にはあまりロマンを感じない。




恵さんのメイド服も、完全ガードからほどほどガードでたまらない。




恵さんは、俺の趣味に対して2つ言ってくることがある。




1つは、「優様は将来ピンサロにはまりますね」ということ。


1つは、「なぜ私がいるのに私をおかずにしないのか?」ということ。なんで知ってる?




後者に答えたことはない。ただ、好きな人をおかずにしたくないというだけのことなんだよ。でも本人には言えず。




後、俺はエッチな本を買うときはなんとなくで買うのだが、どうも最近メイドによっている気がする。やはり無意識に恵さんを求めているのか?




49話B 恵サイド




優様は昔はこっそり隠していましたが、ここ最近は堂々とされました。




なんと自慰行為をされた後に、そのページをそのまま置いてお手洗いに行かれるのです。鍵もかけずに。




まぁ鍵をかけていても、私は開けられるのですが。




これで優様が何をおかずにしたかはすぐに把握できます。




メイドもありますが、満遍なくあります。たまにちょっとメイド関係のものを足しておきます。




いえ、優様に私を好きになってもらいたいわけではありませんよ。メイドを好きになってほしいだけです。




ただ、優様は私をおかずにはしてくれないようです。




私をおかずにするのであれば、そういう本は散らかっていないはずです。それ以前に、私は横の部屋から優様の気配を察しているので、なんとなくわかります。




そういう私も、優様をおかずにはしておりません。




大好きな優様を妄想でもそうしたくありません。かなうことのない願いですが、余計な妄想で、優様への思いを汚したくないのです。




人から見ればなんと滑稽なこだわりでしょうか。むしろ優様以外で妄想しているほうが、優様へ失礼とも思う方もいるかもしれません。




優様がもし私を本当に使っていないのであれば、私と同じ理由かもしれません。




それだったら……、うれしいです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る