俺と恵さん 12㎝のあれ
39話 おしゃれ
高校生になってから、化粧をする女子が多くなった。
別に個人の自由だから、注意をするというわけでもない。
だが、高校生の時点で化粧は必要だろうか?
大人が化粧をするのは、いわゆるマナーであるが、高校生が行うのはいわゆるおしゃれで大人とは意味合いが異なる。
どうせ大人になったらやるのだから、今は素のままでいいとは個人的に思うのだが。
「おかえりなさいませ、優様」
そして、目の前にいる20歳のメイドさんは、化粧をまったくしていない。
肌や健康への高い意識を持っていることもあってか、クラスメイトと比べても遜色ない。
「いえ、恵さんは化粧はされてませんよね」
「ええ、旦那様の方についていく際に、必要最低限のことはすることもありますが、原則はしません。どうかされたのですか?」
「はい、俺のクラスメイトが、化粧をしているんですが、必要かなと思いましてね。メイク好きくらいならいいんですけど、メイクを愛していて、メイク、ラブって声を上げて言う人もいるんです」
「最近の高校生は進んでいるんですね……、自慢げにそんなことを言えるなんて……」
ん? そこまでのことかな? 恵さんは20歳でも化粧をしないから、俺以上に敏感なのか?
次の日に、メイクラブと言っていた女子が注意されていた。メイクラブの意味を知っている教師がいたらしく、本当ならまずいということであった。
まぁその女子にとっては公開処刑であった。知らないことは恐ろしい。
40話 3つほどおかしい
「元素記号が最近増えましたね」
日本で元素記号が発見されて、話題になったが、高校生にとっては関係のないこと。
覚えなければならない元素とは関係がない。
クラークあたりまで覚えれば問題ない。
「私はあまりそういうことは存じませんが、なんとなくわかるのはあります」
「どんなのですか?」
「バナジウム、インジウム、チンポジウム、ラザフォジウム、キセノン、ラドン、カーマスートラ、ビスマス、アスタチン、クスコ、クリンス、タンタル、ニオブ……、これくらいですかね?」
「なんか変なの知ってますね」
「ニュースで何度も流れてたのが、下の方だったので、下の方ばかり見てたら、覚えたのですが?」
「ああ、なるほど、スイヘーリーベとか知らないんですよね」
あまり基本を知らないからこそ純粋に名前だけを覚えているということか。
「でも暗記力すごいですね。勉強すればけっこう優秀なんじゃないですか?」
雑学もよく知っているし、もったいない気もする。
「いえいえ、そんなことありません」
とはいっても俺が聞いたことのない元素記号を覚えている頭は柔軟であると思った。
41話 源氏
「源頼朝の『の』って何なんですか?」
珍しく恵さんから質問が来た。
「ああ、あの源は苗字じゃないんですよ。あれは、氏うじっていう、特定の流れの一族をさしてて、『源氏に属する頼朝という人』という意味で、『の』が入ってるんです。ですけど、氏が多くなりすぎたので、苗字というシステムができたんです。家康も源家康みなもとのいえやすって言うそうですよ」
「つまり……、徳川家康には『源氏名』があったんですね……。男の人なのに……」
「もしかしてそれが気になって聞いたんですか?」
「ええ、本当にこれだけです。気になったことは聞かないといけませんね」
源氏については、学問というよりも一般教養にあたるので、恵さんが知ってても問題ないとは思うが、なんか俺の思っていることと違う気がする。
42話 食べ過ぎないように
「ただいま」
「おかえりなさいませ。お疲れ様です」
今日は学校の行事の関係で、非常に帰宅が遅くなってしまった。
「ご連絡をいただいた通り、夕ご飯は少なめにしておきました」
時間が遅くなったため、途中で間食を挟む可能性が高かったので、恵さんにご飯は少なめにしておいてほしいと連絡をしておいた。
「本当に少なめですね。まぁこの後寝るだけですし、たくさん食べても仕方ないですからね」
時間はもう21時になろうかというところだ。軽くつまむ程度で十分すぎる。
「口汚し程度ですが、明日までは持つように腹持ちのいいものを作っておきました」
「ええ、ありがとうございます」
「この後は、いつもの自慰行為をして、寝るだけですよね」
「ええ、まぁ……」
会話に自然に出てくるので、もう普通になりつつある。
「あれの量は大丈夫ですか? 将来フェラ○オをしてもらうときに、『2つの意味で口汚しだね……』などと言われないように気を付けてください」
「そんなうまいことをいう人はちょっと面倒です」
「もし少なくなりそうでしたら、精力のつきそうなお食事をつくりますので」
「とりあえず大丈夫です」
次の日の弁当に、アスパラと山芋とカキフライが入っていたのは偶然であると信じたい。
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