俺と恵さん 7割の男性は下ネタ女子OK

24話 したいいたい




「最近物騒な事件が多いですよね」




「ええ、このあたりは治安がそこまで悪くないので平和ですけど……。近所の人もいい人が多いですしね」




俺の家のあたりは不審者の目撃証言もなく、平和な場所である。




父さんと母さんが俺と恵さん2人だけを残して、遠出できるのはそのこともある。




恵さんは多少の護身術は学んでいるが、SPみたいに強いわけではないからな。




あくまでも俺の世話をするための人であって、身辺警護をする人ではない。




「でも油断はできませんよ。悪いことをした犯人って、一見すると優しいそうな人とかが犯人だったりするじゃないですか」




「ええ、ですから優様も気を付けてくださいね」




毎回恵さんは、大きな事件が起こったニュースが流れると、気にしてみている。




特に死者が出たときは、目を細めて悲しそうにしている。優しい人なんだな。




『男性が死体で……』『女性が遺体で発見され……」




「男性がしたい‥…、女性がいたい‥…。はぁ、真理ですね」




俺は何も聞いていない。きっと恵さんは死者を尊んでいるのだ。そんな不謹慎なことを考えているはずはない。




「優様、死体と遺体の区別はどうしていると思います?」




この質問の答えは言うまでもなかった。スタイリッシュ不謹慎。








25話A 乗せられて乗って




「もう……、毎回無理やりするんですから‥…。我慢できないんですか……」




「す、すいません。でもこれ気に入っているので」




「狭いのに強引に行こうとするからこうなるんですよ」




「思ったよりも大きくなってたんですね」






















「ひどい靴擦れですよ」




長い間はいていた靴を、買いなおして今日またはいたのだが、思ったよりも靴のサイズが小さくて、足がきつかった。




朝無理やり履いたのだが、かかとのあたりに傷ができてしまった。




「まぁ軽い傷ですから、歩くのには問題ないでしょう」




「ですが、万が一にでも黴菌が入ったら大変ですから、洗いましょう」






そして、浴室に連れてこられて、靴擦れができた足の方のズボンをめくりあげられて、かかとを水洗いされる。




服装が濡れないようにするためか、ノースリーブのメイド服なのだが、スカートを短くしていて、いつもより露出が大きい。




手は白くてしっとりしていて、足を触ってもらう感触が気持ちがいい。




「そ、そこまできれいにしなくてもいいんじゃないですか?」




傷は浅いのに、ずいぶん念入りに洗ってくるため、俺は声をかける。




露出の多い服装と、手触りでちょっと緊張してしまっていて、このままだといろいろとまずい。すでに猫背


になっているのだ。


かかとだけではなく、敏感な足の裏も触られているので、より感じてしまう。




「いえいえ、かかとだけ洗うのはもったいないです。ですが、かかとだけを中途半端に洗うと、清潔にしそこねる可能性があります。だから丁寧に……」




そのままなぜか足の裏と指の間もやってもらえてしまった。気持ちよくてまずかった。






25話B 恵サイド




優様がケガをされて帰ってこられた。




でも私は絶対に傷口をなめることはしない。




もちろんなめたい。優様の足を持ち上げたときに、その衝動にかられた。




でもそれはしてはいけません。口は雑菌がたくさんあります。万が一にでも優様のケガが悪化することはあってはなりません。




ですから代わりにたくさん触らせていただきました。




かかとを洗いつつ、足の裏や足の指の間も洗いました。




格好も濡れてもいいように、露出の大きい恰好をしました。




明らかに優様は感じておられました。それでも私に手を出そうとしないのはさすがです。ちょっと残念ですが、そういうところがもっと好きになりました。




私がドキドキしていたのを気づかれていないでしょうか……。




ああ、もう全てがいとおしくなりつつあります。私が何を言っても私に優しく接してくださる優様への気持ちが日々抑えられなくなりつつあります。




いつか来る別れを想像してちょっと涙が出ました。浴場でよかったです。顔が濡れてても不自然じゃありませんでしたから。




26話 アナ




「この人最近よくテレビに出てますよね」




「ああ、この人ですか。恋人や夫婦の問題を解決する人ですよね」




「いわゆる恋愛アナリストですね」




「恋愛のアナリスト………、絶妙にエッチですね」




「何を言ってるんですか?」




「だって……アナ……リストですよ。若い子が将来アナリストになりたいって言ったら、一瞬先生や両親は戸惑うと思うんですよ」




「まだ職業とエロネタを完全に把握してない若い子に聞いたら、アナリストはどういうイメージを持つんですかね」




「一般的には、アナリストとア○ルで先に知るのは、後者じゃないでしょうか?」




ちなみに俺は後者を先に知った。そういう場合アナリストという言葉を聞いたときにどう思ったかは‥…。まぁ、ご想像の通りである。




「今日は美人女子アナ姉妹のご紹介をします!」




そのままテレビをつけていると、番組が変わり、ニュース番組になる。




「女子……アナ姉妹……」




俺はそこで学校に行ったので続きは知らない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る